夜の冒険者は牙をむく

かぷか

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第二部

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 ロキはご機嫌だった。眼鏡を外したソードを依頼所から連れだし手を繋いで歩いていた。知らない場所は危ないからと言うと「わかった」といいそれに大人しく従い一緒に歩いたからだ。ロキからしたら手繋ぎデート状態だった。

「ロキ、お茶しよ」
「うん!」

「見えないから適当に店選んでいいよ」
「わかった!」

 選んだお店に入りソードはやっとゆっくりできるとホッとしたがここでも周りから聞こえてくる話題は1つだった。

「ねぇ、レイが結婚したんだって!駆け落ちして戻って来たんだって!」
「えー!」
「その相手にセドリックが離れないってお菓子屋の前で泣きついてたって」
「やばすぎ~てかレイと結婚したのどんな人?ショックなんだけど~」
「さぁ?何か眼鏡とフードしかわかんないけど、どんなのか見てみたいよね!」

「……。」

「あー、ソード出る?」

「お茶してからでいい」
「そっか」

クソ……レイとセドリックの奴め、あんな場所で二人とも騒ぎ起こすから半分身バレしてんじゃねぇか。眼鏡もフードも付けれない。
もう、いい。ダンケル出るまでずっとロキといる。

「食べたらどうしよっか」
「そうだな、ロキ行きたい所とか見たい場所無いの?」

「んー特に無いけど、もうちょっと一緒に歩きたい」
「いいよ」

 店を出てソードは思った。ロキとこうして過ごした時間があんまりないなと。冒険者として組む事を優先してきてしまった事で恋人としての時間を全然作ってあげられないまま結婚したと今頃になって反省した。

歩くロキの手をぎゅっと掴む。

「ロキ…」
「ん?」

「今日遅くまで二人でいよう」
「!?」

ロキはビックリして振り向いた。

「どうしたの!?」
「ロキといたい」

 自分の思っていた事と同じで嬉しくなりぎゅっとソードを抱き締めて「俺も」と言った。その後はいろいろ周りダンケルを満喫した。

夕方になりだんだんと夜の光が灯る。

「楽しかった」

「俺も。ロキ…また一緒に出掛けよう」
「うん!」

綺麗な石畳の上を歩く足をピタリと止めた。

「ずっとロキに言いたかったんだけど、ロキは本当に凄いしよく頑張って冒険者になったと思う」

「俺がソードとそうしたかっただけ。一緒にいたかったから。その上、結婚もできて最高に幸せ」

「俺もロキ好きになって良かった」

二人はゆっくりと沈む夕日を背にキスをした。


「いいの?別の場所泊まって」

「っ…いい…」

「レイさん心配しない?」

「ぁっ…いい…」

「なら、良いけど…」

「うぅ…ロキと…いる…あっ…」

「ふふ、可愛い~ソード好き」

二人は求め合うように体を絡めた。

□□□

「ヤバい!セドリック!」

「あ?」

「ロキとソードが帰ってこないー!起きたら二人ともいなくてそのまま帰宅しない!」

「あー荷物あるなら帰ってくるんじゃないか?」

「お前の所来てない?」

「いや、来てないけど…お前、街いった?」

「今日は行ってない」

「あーお前と俺の噂で持ちきりだ…」

「なんで?」

「お前の結婚と俺がソードに抱きついたせいで、ソードが俺振ってお前選んだみたいな…」

「はぁ?何でそうなるんだよ!」

「いや、俺も散々否定して回ったが…噂のが早くて。もしかしたら、どっかでそれ聞いたかもな…いや、聞かない方が無理だな」

「……。」

「半分お前のせいじゃん!」

「あはは…すまん!」

□□□

「ロキ、舌出して」
「こう?」

ソードは自分舌先をロキの舌に付け、下から上になぞった。ソードの舌がくすぐったくなる。

「んんーひたくすぐったひ」
「ふっ」

そのまま口同士をガプリと合わせ、歯の裏の根元を左右に舌で動かす。

「んんー!ほーど!くふぐっはひ」

くくくっと喉でソードは笑った。その後は食べるように舌を絡ませた。ペロッっとして口を離すとはぁはぁと息をした。

ソードの両手首を持ち押し倒し肩に顔を埋め甘噛みをする。首から口へちゅっちゅっと這うようにキスをする。

いつの間にか自分よりも成長した体格、冒険で鍛えあげられたしなやかな筋肉。大人っぽくなった顔に仕草。

キスをするロキの顔をじっと見つめていた。

「ねぇ、そんなに見られると恥ずかしいんだけど」

「ふふっロキとキスしてるなって」

「変?」
「いや」

握る手を外してロキの右手を頬に添えた。うっとりする顔にたまらなくなりぎゅっと全身でソードを抱きしめた。肌と肌が当たりお互いの体温を感じる。

「はぁ…ソードってさ飽きないよね」
「ん?」
「一緒にいると毎日飽きない」
「誉めてんのそれ」
「誉めてる、凄く」
「じゃあ、ありがとう」
「俺も飽きられないようにがんばる」
「ふふっロキに飽きないよ」

「はぁ…好き過ぎてどうにかなりそう…」

向かい会うとロキは自分のモノとソードのモノを合わせて擦った。

熱く固くなった二つのモノからにちゃにちゃと音が繰り返されお互い白濁としたものが出る。火照った体で仰向けに寝るソード。自分の出した液を利用し指をゆっくり二本を穴に入れ拡げるよう出し入れしながら動かした。

「はぁ…はぁ…あっ…」
「熱い…早く入れたい」
「ぁっあっ」

指が馴染んできた辺りで自分のガチガチに勃ったモノをゆっくり入れる。うっと声だしたソードにキスをしながら徐々に奥へ進めた。奥に入れてはギリギリ抜けそうな所まで引き、入り口で止めた。ヒクヒクとロキの先っぽから根元までを呑み込もうとしている。

「俺も飽きさせないようにがんばるね」
「うっ…?」

と思ったと同時ぐらいにソードの腰は高く掲げられた。膝立ちするロキの位置まで腰まで一気に引き寄せられ奥へとズブズブ入る。

「ああっ!!」

ソードは腰だけ高く持たれ上半身はベッドへ下半身はロキのお腹にくっつくかのようにされる。足はマットに着くが爪先立ちにしか踏ん張れない。

ロキの反り返りと自分の腰の反り返りで中の良いところを強くずっと押した状態になる。

「あっあああっ!」

「んーこれヤバい。動いてないのに中のうねりでイきそう」

「あっ…動くな……ろき…」

焦るソードにロキはにんまりする。ゆっくり擦るように突いた。

「あああっ!ヤバい…ああっ!」

「んっ凄い。これ…試したかったんだよ…ねっ!」

「何…言って…あああっ!」

奥に突いただけでソードは中でイッてしまった。中でうねるのを抑えきれない。

「これ、マジでヤバい…制御できるかな…」

「やっ…ロキ待って…これ」

「ふふふ」

「あああっ!」

ソードの訴え虚しくロキは遠慮なく突いた。ゆさゆさと大きく体が揺れ快楽をひたすら受け入れた。ゴリゴリと押しながら突かれ動かし続けられる中は熱くロキを締め付けた。

「あああ…もぅ…むり…ろきぃ…ろきぃ」

「はぁはぁ…可愛い…いっぱい出ちゃったし、足ガクガクしてるよ」

ソードのモノを掴み上下にゆるゆる擦る。

「もぅ…出ない…ムリ出ない…」

「うん」

返事だけして内容は聞き入れず腰を激しく振る。お腹にはうっすらロキの形が浮き出てて上下に動く自分のモノを満足そうに見ながら撫でては突く。

声は出っぱなしになり目はずっと焔目で穴からはロキが何度も出したものが伝う。前はソード自身が出した精液で光っていた。

中は痙攣が止まらずロキの先っぽを小刻みに刺激し続ける。

「はぁ…ヤバい、止まんない。ん、ソード飛んじゃった?飛んだついでにもっかいだけ」

ロキはガンガンと奥へ腰を振りソードはまたくる大きな快楽へと導かれた。

「あああ…やっ…出る…もう…出ないのに出る…やら、やら…ろき…でちゃう…」

「出していいよ…見たい」

「あああ!!出る出る…あっっっ!」

ぶしゅーっと勢いよく出た潮が突くたびにでてきて止まらない。

「あぁっあっぁっ…ろきぃ…あっん」

「…可愛い」

出なくなるまで止めどなく突いた。

 自分の思うまま存分に味わって満足したロキはソードの顔を見た。
好きと言われロキは浮かれたなと思った。しかも、それを思った時に素直に話してくれるからキュンとしないわけなかった。ひそかにモテるんじゃないかな…と思った。

 お風呂に入れ、服を着させ、ベッドに休ませたかったが惨事の後が残り無理だったのでソファーにもたれながら自分の腕の中で眠らせおでこにキスをした。

「愛してる」

といい自分も眠りについた。

 昼頃に目が覚めたが、まだ寝息をたてていたためソードを抱っこしレイのいる宿に戻った。レイはロキ達が帰宅するやいなや謝ったがロキは逆に幸せな時間を過ごせたので感謝しかなかった。
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