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第二部
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しおりを挟むカウロックから帰宅してからもソードは自室で一人考えていた。地図を広げ今回の依頼場所とその周辺をじっとみつめながら予想をした。
魔獣の体温とは何だ…地質温度も調べたが変化はなかった。地質温度に変化があれば、まだ天変地異や抜け穴説が残ったが考えられるのは…魔獣自体に何かしら起こった。
もしくは…何かしたのか。
そうなら故意に襲わせたい場所があるはずだ。魔獣が出た先はグリーンセルにも近い…関係ないわけじゃないよな。襲わせたかったのはこの辺りか。
グリーンセルを先に落としそうとしてカウロックのせいにし最小限で攻め込むつもりか…?いや、それならグリーンセルの方に襲わせるし逆もあり得る……まだ、わからん。情報が足りなさすぎる。
コンコン
「はーい」
「ソードまだかかる?」
「んーいいよ」
魔獣に何か仕込めるとしたら…
ロキが部屋に入ってきた。地図を見ながらじっと考えているソードに話しかけた。
「何か難しい顔してる」
「ふふ、そうか?」
「お菓子食べない?」
「食べる」
「じゃあ、一緒に食べよ」
「ん、」
地図をしまいロキに手を繋がれキッチンリビングへ連れられながらもう少しだけ考えた。
ドン
「あ、ごめん」
「考え事?」
「んー」
ロキにぶつかり立ち止まる。お茶を準備してくれていたレイがロキにお茶を手渡しソードにも渡そうとしたが顔を見てそのままソードの分も持ちテーブルに置いた。ロキはソードの手を引っ張りソファーに連れていき座らせた。
横に座るロキがソードの顔をじっと見た。
視線に気がつきパッと顔を見る。
「あ、お茶飲む」
「うん」
「ソードの分そこに置いた」
「ありがと」
「考え事か?」
「うん」
お菓子が目に入りすぐに手に取りモグモグと食べだした。じっと無言で食べながら自分の考えが導き出されて声にだす。
「しばらく、カウロックとグリーンセル周辺行きたい」
「いいけど、討伐じゃなさそう?」
「ん、まぁ討伐もしていいよ。でも、二つの国境周辺とその近辺の魔の森を調べたい」
「へぇー何かあるの?」
「まだ、何かは起きてない。起きる前に調べたい」
「今日でかけたのと関係ある?」
「ある」
ロキはレイを見たがレイも出掛けた事以外は知らなかったので首を振り何も答えなかった。ソードをまた見返す。
「まだ、全然確定ではないが領土戦が起こるかも」
「「!!」」
「まぁ、これは最悪の場合な。無ければ問題ない。燻り始めてる段階」
「何処と何処と?」
レイがすぐに反応する。
「グリーンセルとカウロックに見せかけた、黒幕はヒューズ。ていう予想な」
「マジか…それ」
「確定ではない、まだ全くの推測段階」
「すぐではないよね?」
お菓子をもう1つ開けて食べる。
「うん、だから調べに行く。前に第3深層の魔獣いたじゃん。あれ偶然じゃなくて、カウロックのどっかの街を襲わせてようとしたのかもって。今日、カウロック行って薬草の依頼受けたら呼び止められ話を聞かれた」
「早いな」
「だろ?末端の冒険者に事情を聞くなんて何かある。たかだかレアがでたって話しなのに。紛れ込んだかもしれない方が濃厚な線と考えるのが普通だ。なのに俺を別室に呼びわざわざ話をさせた。だから、推測してみたらその答えがでた」
「推測…」
レイは散々ソードの感覚や考え方、予測にいたるまで見てきていた。それは良くも悪くもほとんど当たっていた。しかし、今回ばかりは推測段階だが外れて欲しいと思った。
「詳しく言うと薬草の依頼が最近カウロックは異様に多い。もし不足してるなら天変地異の可能性はあるが今回は違う。だとしたら魔獣の大量発生で荒らされたのではとなるが、大量発生の情報はないからこれも違う。なら、俺らが遭遇した深層の割に異様に強い魔獣が現れたという事実が決め手になる。例えば魔獣に街を襲わせれば攻め込んだとしたら…ここらでそんな事をして得する奴は」
「「ヒューズ」」
「そうだ」
「なるほどな、話しはなんとなくわかった」
「領土戦…」
領土戦の被害者でもあるロキは領土戦が何を生むか最前に近い街に住んでいて痛いほどわかっていた。
「起こらない可能性は?」
「半々」
「そうか…」
「調べに行っていい?」
「いいけど具体的には?」
「薬草の依頼の数、後は魔獣の温度を調べてた。もしかしたら魔獣の体に何か打ってるのかも。でなゃ2体だけ下に来るっていうのはおかしいかな。他に方法あるかもだが、今の所それぐらいしか調べるてだてがない。レイ何かわかる?魔獣あやつるとか」
「うーん、あるにはある。ただ、ウェザーだからできるってのもあるしな。ヒューズがどれだけ開発してるかにもよる」
「そうか」
レイから有るというのを聞けただけでまた一歩確信に迫る。金積めばいくらでも手に入る世の中できれい事は通用しない。
「明日からすぐに調べたいけどいい?」
「いいよ」
「領土戦の情報が手にはいったら、引っ越しも考える。2.3箇所離れる場所の確保いるかもな」
「だな」
しゃべらないロキを見て腕を軽くさすりながら話しかけた。
「ロキ、最悪の場合だから。調べに行くだけだし」
「うん」
「グリーンセル行くなら、ちょっと遠いけどダンケル行っていい?」
「そうだな、行こう」
こう言う時、レイがいてくれる事に感謝だな。ついすぐに調べに行こうとするのは俺の悪い癖だ。二人をただ不安にさせるだけの行動はとりたくない。
「準備もあるし、明後日ぐらいにでるか」
「了解」
「うん」
□□□
「んじゃ、出発~」
「「はーい」」
余り深く考えずダンケルのついでとして行く事にした。行きはカウロックの街を寄れるだけ寄って討伐依頼は受けず何の依頼が多いか調べた。その後はグリーンセルとカウロック国境近くの街で2.3日泊まる事にした。
できるだけ沢山の情報を掴むため三人はバラバラに行動をとっていた。宿に着いて三人はそれぞれ情報を話す。
「やっぱり、薬草の依頼増えてた?」
「そうだな、増えてた。後はやたら上級者向けの依頼が多いな」
「そうだな、オレも上級者依頼が多いと思った。それだけ、魔の森から魔獣が近づいてるのかも」
「ロキは何か感じた?」
「冒険者の人よく見るかも…しかも強そうな人。後は組んでる人も。別室に連れてかれているのもみた」
「そうか…うーん。魔の森の依頼受けてもいいが、今は微妙だな~」
「受けたら情報入るかもよ?」
「いや、そうなんだが。国の依頼はあんまり受けたくない。目に付くと厄介だからな」
「ソードは直々に依頼くるの嫌なんだろ?」
「そうだな~」
ベッドにドサッと倒れ込んだ。
「そんなに嫌?名誉な事じゃなくて?」
ロキが隣に来て横になった。
天井を見ながらソードが話す。
「そーだな。良く言えば名誉だが悪く言うと直々に来る依頼は国に利用されるからな。そうなると、何処の国の派閥に入るだの、入ったら入ったでこの国しか依頼受けるなとか変に裏切り者扱いされたり…良い事ない。名誉に思えればいいが俺は無理だな」
それより一番はお前らそーいうのに巻き込みたくない。ただの冒険者のが楽しいから。
ロキの頬を手の甲ですっと触った。
「はぁ~まだ考え中。受けるならちゃんと選ばないとな…」
「俺らにできる事は?」
「そうだな…」
レイの顔が近づきゆっくりとキスをされた。
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