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17 レイの思惑
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レイにとってソードとロキは自分の中でいい刺激になり学ぶ事も多かった。ロキの成長は著しく、日々見せつけられる成長はあっという間に自分に追い付かれるのではと焦りを感じる程だった。
ソードはロキにも3つの条件を出した。それはレイのと同じだが2番目だけ自分とは内容が違うものだった。
レイはそれに勿論気がついていて、ソードが一番自分達に難しいことを課しているとわかった。何よりもそれが意識を常にしてないとできないという事を。日常生活をしてるのに修行しているそんな感じだった。
ロキもまた、ここ数日の自分の足りない部分や至らなさを痛感させられていた。冒険者への厳し心構えなど。これから自分がどう過ごすか模索していた。そして悶々とした日々を送っていたのだった。
ただ1人を除いては。
「サルノに新しいお菓子屋できてない?」
昼間はロキは学校、レイは討伐。ソードはというと完全に暇をもて余していた。
「お前、完全に夜行性だろ。最近ソードの生活がわかってきた」
「レイさん、気がついてくれましたか。そうです、ソードはがっつり夜行性です。朝なんてほぼ起きれません」
「マジか」
「朝弱いんだよ、それに夜は静かでいいんだよ。んで、昼間は人が多いからやだ」
「「はぁ~」」
「そーいや、ここに来た時に門番に絡まれてたけど関係あんの?」
「それはですね、ソードの目付きが悪いからです!なので、よく絡まれたり嫌がらせ受けたりするんです。本人はめちゃくちゃ普通にいるだけなんですけどね。誤解されやすいんですよ」
「ハッキリ言うなよ!」
「そんなもんかね?俺にはそんな目付き悪く見えねぇけど。確かに普通の人よりは悪いけど」
「ね、俺も見慣れれば全然普通って思います」
「うるせ!お前らキライだ!」
「「俺は好き」」
□□□
何だか変な三角関係になってしまっているが、レイもロキもなぜかお互いギスギスしていなかった。むしろ、利害が一致している二人はどうやってソードを好きにさせるかの方が大変だと思っていたのだ。
ロキはソードから線引きをされていた。自分の事を好きになるのはいいが剣術にはそれを出さない事とソードに手を出さない事。ロキは納得いかないと、交渉の末キスは良いと言う約束を取り付けた。
勿論、レイにもキスは許すといったのだった。
これが後にソードの大誤算となる。
「何で俺もダメなんだよ」
ベッドに座わり両腕をマットに着いて体重をかけたレイは拗ねたような口調で言った。ソードもベッドに座り片膝を立ている。ロキは部屋にある机と椅子に腰掛けてお茶を飲みながら勉強をしていた。
「ロキいるし」
「居なかったらいいのかよ」
「居なくてもダメ」
「なんだよそれ」
「俺は全然レイさんが居てもいいですけど」
カリカリと机に向かいながら平然と言う。レイはそんなロキを見ながら言った。
「ロキのその神経凄いな、嫌じゃねぇの?」
「俺は、ソードと居たいです。何よりもそれが一番なんです。ソードの良さをわかる人、自分以外で初めて見ました。レイさんがソードを好きって思ってくれるのを嬉しく思う方が強いかもです。もし、ソードがレイさん選んでもレイさんならいいかなって。いろいろ許してくれそうですし。レイさんこそ、嫌じゃないんですか?」
あれ?
ロキ、なんか俺ちょっと傷ついたけど。
「んー俺もいろいろ考えたんだか、別に嫌じゃねぇんだよな不思議と。独占欲はあるが、ロキから奪いたいとかは全く無いんだよな。ソード落とす方が先って言うか。むしろ、ソードとの仲を許して欲しいと思うぐらいだな。それに、こいつの良さがわかるの俺らぐらいだろ」
レイ、俺なんか今グサッときたよ?
今のお互いの話で二人は察したのだった。ソードを好きになる感覚が似ていること。ソードがいてくれればいいという事。利害が一致している事に。
「んで、ソードは何でキスしかダメなんだよ」
「……。ちゃんと好きになった人としかやらない」
「ちゃんとって何だよ」
「自分の中で確信もてたとき」
「「………。」」
「じゃあ、逆にキスは何でいいの?」
「……好きになるか確かめるため。嫌いになったらキスはできなくなるから」
「「………。」」
キスできなくなったら終わりか。
「ソードが確信持てたのがわかるように、ちゃんと好きになったら俺とレイさんに教えて」
「え゛」
「「当たり前」」
「…わかった」
何だか好きになる前提で話が進んでる気もしないでもないソードだった。
何となく話がまとまり掛けた時にレイがソードを逃すまいと今の話を念押しした。
「でだソード、キスはしてもいいんだよな?」
「ま、まぁ」
自分が確かめるためと言った手前、いいと言うしかない。それを断る=嫌いになった合図のようになってしまい拒否できなかった。レイはソードのいるベッドに近づき、立て膝をしていた足を崩し足首を持って広げた。それ以上後ろに行けないソードを自分の上に座らせるように両膝を割って入りこんだ。
ソードの両手はレイの手によって壁に張り付いた状態。逃げ場はない。
「んじゃ遠慮なく」
「っな!」
ロキを意識した瞬間、レイはキスをしてきた。わざと音が響くように。
「ん…んん…ぅ…ん」
部屋にはソードの声とリップ音がする。ソードはロキが気にせずにはいられなかった。どんな顔で自分を見ているのか、これをみてどう思うのか。落ち着きのないソードにレイは口元をニヤリとさせ、てとんでも無いことを口にした。
「ロキお前もするか?」
ソードは驚いた後、ギギギと首をロキに向けた。
ソードはロキにも3つの条件を出した。それはレイのと同じだが2番目だけ自分とは内容が違うものだった。
レイはそれに勿論気がついていて、ソードが一番自分達に難しいことを課しているとわかった。何よりもそれが意識を常にしてないとできないという事を。日常生活をしてるのに修行しているそんな感じだった。
ロキもまた、ここ数日の自分の足りない部分や至らなさを痛感させられていた。冒険者への厳し心構えなど。これから自分がどう過ごすか模索していた。そして悶々とした日々を送っていたのだった。
ただ1人を除いては。
「サルノに新しいお菓子屋できてない?」
昼間はロキは学校、レイは討伐。ソードはというと完全に暇をもて余していた。
「お前、完全に夜行性だろ。最近ソードの生活がわかってきた」
「レイさん、気がついてくれましたか。そうです、ソードはがっつり夜行性です。朝なんてほぼ起きれません」
「マジか」
「朝弱いんだよ、それに夜は静かでいいんだよ。んで、昼間は人が多いからやだ」
「「はぁ~」」
「そーいや、ここに来た時に門番に絡まれてたけど関係あんの?」
「それはですね、ソードの目付きが悪いからです!なので、よく絡まれたり嫌がらせ受けたりするんです。本人はめちゃくちゃ普通にいるだけなんですけどね。誤解されやすいんですよ」
「ハッキリ言うなよ!」
「そんなもんかね?俺にはそんな目付き悪く見えねぇけど。確かに普通の人よりは悪いけど」
「ね、俺も見慣れれば全然普通って思います」
「うるせ!お前らキライだ!」
「「俺は好き」」
□□□
何だか変な三角関係になってしまっているが、レイもロキもなぜかお互いギスギスしていなかった。むしろ、利害が一致している二人はどうやってソードを好きにさせるかの方が大変だと思っていたのだ。
ロキはソードから線引きをされていた。自分の事を好きになるのはいいが剣術にはそれを出さない事とソードに手を出さない事。ロキは納得いかないと、交渉の末キスは良いと言う約束を取り付けた。
勿論、レイにもキスは許すといったのだった。
これが後にソードの大誤算となる。
「何で俺もダメなんだよ」
ベッドに座わり両腕をマットに着いて体重をかけたレイは拗ねたような口調で言った。ソードもベッドに座り片膝を立ている。ロキは部屋にある机と椅子に腰掛けてお茶を飲みながら勉強をしていた。
「ロキいるし」
「居なかったらいいのかよ」
「居なくてもダメ」
「なんだよそれ」
「俺は全然レイさんが居てもいいですけど」
カリカリと机に向かいながら平然と言う。レイはそんなロキを見ながら言った。
「ロキのその神経凄いな、嫌じゃねぇの?」
「俺は、ソードと居たいです。何よりもそれが一番なんです。ソードの良さをわかる人、自分以外で初めて見ました。レイさんがソードを好きって思ってくれるのを嬉しく思う方が強いかもです。もし、ソードがレイさん選んでもレイさんならいいかなって。いろいろ許してくれそうですし。レイさんこそ、嫌じゃないんですか?」
あれ?
ロキ、なんか俺ちょっと傷ついたけど。
「んー俺もいろいろ考えたんだか、別に嫌じゃねぇんだよな不思議と。独占欲はあるが、ロキから奪いたいとかは全く無いんだよな。ソード落とす方が先って言うか。むしろ、ソードとの仲を許して欲しいと思うぐらいだな。それに、こいつの良さがわかるの俺らぐらいだろ」
レイ、俺なんか今グサッときたよ?
今のお互いの話で二人は察したのだった。ソードを好きになる感覚が似ていること。ソードがいてくれればいいという事。利害が一致している事に。
「んで、ソードは何でキスしかダメなんだよ」
「……。ちゃんと好きになった人としかやらない」
「ちゃんとって何だよ」
「自分の中で確信もてたとき」
「「………。」」
「じゃあ、逆にキスは何でいいの?」
「……好きになるか確かめるため。嫌いになったらキスはできなくなるから」
「「………。」」
キスできなくなったら終わりか。
「ソードが確信持てたのがわかるように、ちゃんと好きになったら俺とレイさんに教えて」
「え゛」
「「当たり前」」
「…わかった」
何だか好きになる前提で話が進んでる気もしないでもないソードだった。
何となく話がまとまり掛けた時にレイがソードを逃すまいと今の話を念押しした。
「でだソード、キスはしてもいいんだよな?」
「ま、まぁ」
自分が確かめるためと言った手前、いいと言うしかない。それを断る=嫌いになった合図のようになってしまい拒否できなかった。レイはソードのいるベッドに近づき、立て膝をしていた足を崩し足首を持って広げた。それ以上後ろに行けないソードを自分の上に座らせるように両膝を割って入りこんだ。
ソードの両手はレイの手によって壁に張り付いた状態。逃げ場はない。
「んじゃ遠慮なく」
「っな!」
ロキを意識した瞬間、レイはキスをしてきた。わざと音が響くように。
「ん…んん…ぅ…ん」
部屋にはソードの声とリップ音がする。ソードはロキが気にせずにはいられなかった。どんな顔で自分を見ているのか、これをみてどう思うのか。落ち着きのないソードにレイは口元をニヤリとさせ、てとんでも無いことを口にした。
「ロキお前もするか?」
ソードは驚いた後、ギギギと首をロキに向けた。
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