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「よう、三兄弟」
この声は俺のよく知った声だ。レイとロキは声のするほうへ振り向いた。
「三兄弟じゃねーよ」
「そうですよ、レオさん」
「わりぃ、わりぃ」
全然悪いと思ってないくせに、にかっと笑いながらソード達に近づいてきた。
「いや、偶然みかけてよ。そんな成りしてんのお前ぐらいだしな」
「どんなだよ、普通だろ!どこにでもいるわ、こんな格好!」
この遠慮のないレイよりデカイ男はレオナルド=スミス
ソードが通っていた学校の同級生で数少ない友人の1人。暗い赤茶の髪に紺色の目、サイドは少し編み込んで頭の上で縛ってある。
「今日の姫は機嫌悪いな」
「「です」」
そんな、3人をガン無視して話をした。
「レオ、今日は仕事か?」
「おう、一応これでも見回り中だ。この後駐在所に寄って城へ行って報告だな。明日は頼むな!」
「てか、本当にいいのかよ。俺がおいそれと入っていい場所じゃねぇだろ?それに、俺より適任いっぱいいるだろ?何で俺なんだよ。責任とれねぇぞ」
「まー何かあったら責任は俺がとる。王妃直々だからな。気がすすまねーのはわかってるよ。あと、会わせたい人もいるしな」
「知らねぇからな。あと、こいつら入れるのか?」
レイとロキは勿論一緒に行くというように肩を置いた。
「当然だ。必要だろ?」
じゃあな、と言ってレオは駐在所に向かって行った。
ご飯屋を探しながらロキが興味ありげにソードに聞いてきた。
「レオさんの頼みですから、聞かないわけにはいかないですね」
「まーな、珍しいからな」
「お、ここにしよーぜ」
レイがご飯屋に入り注文を終わらせると、明日の話が気になるらしく続きを話はじめた。
「レオさん、会わせたい人がいるっていってましたね!」
「な!俺も思った!」
彼女?結婚ですかね?と二人で盛り上がっていたが。俺は全然ピンときてなかった。確かにレオは人脈もあるし、男からも女からもモテるイケメンだ。何人か付き合ってたのも知ってる。だが、誰1人と紹介された事もないし。熱をあげてるようには見えなかった。
紹介なんて、しかも俺に。そんな改まるようなヤツじゃない。
「よほどだな」
「「やっぱり!」」
二人は想い人だと思い込んでるみたいだが全くもって別だ。もっと重要な。まぁ、いいや。
俺はそれより明日の憂鬱のが勝っている…。
「おい!それより俺の明日の心配しろよ!」
「「えー」」
「「大丈夫でしょ!」」
くそぉ…帰りに甘いのいっぱい買って帰るんだからな!
□□□
「なぁ、明日…」
「わかってる」
「ん…ぁ」
明日の準備も早々にベッドに入った俺の両隣にはレイとロキ。肘をついて横向きになるレイは俺にキスをしてきた。
ロキは横向きに寝てる俺を抱き枕のように抱え込み耳元で。
「そんな不安?」
と聞く。その答えを聞く前に、俺の顔をロキに向けさせられキスをする。ちゅ、ちゅと口を開けさせるように。
「う…ぁ、ん…」
「ん…ふ…不安ていうより…会いたく…ない」
今度はレイが舌をはむりと食べた後、その舌をなめるようにキスをしてきた。
「ん…はぁ…」
ぐちゅぐちゅと舌を絡ませる音が気なる
目を細めたロキが俺を見つめながら話す
「確かにこの国は裏も表もある国ですが正当なお達しならそこまで気負う事はないのでは?王妃に会いたくないとか?」
「違っ…ん」
今度はロキが舌を回す様にからめてから、唇同士をチュッチュッとわざと音をたてながらまた絡める
「第一王子だろ、確かソードと同級生で結婚も早々にしてたよな。あの王子なら俺も会いたくねぇな。冷血非道で王妃しか目に入らないんだったよな」
俺を見ながらレイが話す。ロキが唇を離し俺の髪をとぐように触る。
「昔から、嫌いなんだよ。アイツが。あいつも俺を嫌ってるのはわかるし、考え方が違うんだよ。ただ、前よりは嫌いではないつもりだ。多分」
「こりゃ、相当だな」
俺が眉間にシワを寄せていたら、二人がチュッと頭やおでこにキスをしてくれた
「俺らいるから大丈夫だろ」
ロキも頷いている。
「そうだな」
と言うと二人は少し驚いた様子だったが俺がやっぱり大丈夫だなっといったら笑っていた。
アイツはそんな生易しいやつじゃないけどな。
おそらく、レオと会ったのも偶然じゃない。俺がちゃんと来てるか確かめたんだろうな。レオが悪い訳じゃない。そんな事は分かってるがこんな余興に付き合わされるんだから。
まー俺はどうなっても知らねぇ!
なんとなく気分が少し晴れたからこのまま寝れそうだな。
「寝る、おやすみ」
「「おやすみ」」
二人がまた俺にキスをする。そんなのも当たり前になったなと思っていたら、ふと気がついた。
「あ、明日起こして」
「「自分で起きろ!!」」
そうして俺は二人の間にくるまって眠りについた。
この声は俺のよく知った声だ。レイとロキは声のするほうへ振り向いた。
「三兄弟じゃねーよ」
「そうですよ、レオさん」
「わりぃ、わりぃ」
全然悪いと思ってないくせに、にかっと笑いながらソード達に近づいてきた。
「いや、偶然みかけてよ。そんな成りしてんのお前ぐらいだしな」
「どんなだよ、普通だろ!どこにでもいるわ、こんな格好!」
この遠慮のないレイよりデカイ男はレオナルド=スミス
ソードが通っていた学校の同級生で数少ない友人の1人。暗い赤茶の髪に紺色の目、サイドは少し編み込んで頭の上で縛ってある。
「今日の姫は機嫌悪いな」
「「です」」
そんな、3人をガン無視して話をした。
「レオ、今日は仕事か?」
「おう、一応これでも見回り中だ。この後駐在所に寄って城へ行って報告だな。明日は頼むな!」
「てか、本当にいいのかよ。俺がおいそれと入っていい場所じゃねぇだろ?それに、俺より適任いっぱいいるだろ?何で俺なんだよ。責任とれねぇぞ」
「まー何かあったら責任は俺がとる。王妃直々だからな。気がすすまねーのはわかってるよ。あと、会わせたい人もいるしな」
「知らねぇからな。あと、こいつら入れるのか?」
レイとロキは勿論一緒に行くというように肩を置いた。
「当然だ。必要だろ?」
じゃあな、と言ってレオは駐在所に向かって行った。
ご飯屋を探しながらロキが興味ありげにソードに聞いてきた。
「レオさんの頼みですから、聞かないわけにはいかないですね」
「まーな、珍しいからな」
「お、ここにしよーぜ」
レイがご飯屋に入り注文を終わらせると、明日の話が気になるらしく続きを話はじめた。
「レオさん、会わせたい人がいるっていってましたね!」
「な!俺も思った!」
彼女?結婚ですかね?と二人で盛り上がっていたが。俺は全然ピンときてなかった。確かにレオは人脈もあるし、男からも女からもモテるイケメンだ。何人か付き合ってたのも知ってる。だが、誰1人と紹介された事もないし。熱をあげてるようには見えなかった。
紹介なんて、しかも俺に。そんな改まるようなヤツじゃない。
「よほどだな」
「「やっぱり!」」
二人は想い人だと思い込んでるみたいだが全くもって別だ。もっと重要な。まぁ、いいや。
俺はそれより明日の憂鬱のが勝っている…。
「おい!それより俺の明日の心配しろよ!」
「「えー」」
「「大丈夫でしょ!」」
くそぉ…帰りに甘いのいっぱい買って帰るんだからな!
□□□
「なぁ、明日…」
「わかってる」
「ん…ぁ」
明日の準備も早々にベッドに入った俺の両隣にはレイとロキ。肘をついて横向きになるレイは俺にキスをしてきた。
ロキは横向きに寝てる俺を抱き枕のように抱え込み耳元で。
「そんな不安?」
と聞く。その答えを聞く前に、俺の顔をロキに向けさせられキスをする。ちゅ、ちゅと口を開けさせるように。
「う…ぁ、ん…」
「ん…ふ…不安ていうより…会いたく…ない」
今度はレイが舌をはむりと食べた後、その舌をなめるようにキスをしてきた。
「ん…はぁ…」
ぐちゅぐちゅと舌を絡ませる音が気なる
目を細めたロキが俺を見つめながら話す
「確かにこの国は裏も表もある国ですが正当なお達しならそこまで気負う事はないのでは?王妃に会いたくないとか?」
「違っ…ん」
今度はロキが舌を回す様にからめてから、唇同士をチュッチュッとわざと音をたてながらまた絡める
「第一王子だろ、確かソードと同級生で結婚も早々にしてたよな。あの王子なら俺も会いたくねぇな。冷血非道で王妃しか目に入らないんだったよな」
俺を見ながらレイが話す。ロキが唇を離し俺の髪をとぐように触る。
「昔から、嫌いなんだよ。アイツが。あいつも俺を嫌ってるのはわかるし、考え方が違うんだよ。ただ、前よりは嫌いではないつもりだ。多分」
「こりゃ、相当だな」
俺が眉間にシワを寄せていたら、二人がチュッと頭やおでこにキスをしてくれた
「俺らいるから大丈夫だろ」
ロキも頷いている。
「そうだな」
と言うと二人は少し驚いた様子だったが俺がやっぱり大丈夫だなっといったら笑っていた。
アイツはそんな生易しいやつじゃないけどな。
おそらく、レオと会ったのも偶然じゃない。俺がちゃんと来てるか確かめたんだろうな。レオが悪い訳じゃない。そんな事は分かってるがこんな余興に付き合わされるんだから。
まー俺はどうなっても知らねぇ!
なんとなく気分が少し晴れたからこのまま寝れそうだな。
「寝る、おやすみ」
「「おやすみ」」
二人がまた俺にキスをする。そんなのも当たり前になったなと思っていたら、ふと気がついた。
「あ、明日起こして」
「「自分で起きろ!!」」
そうして俺は二人の間にくるまって眠りについた。
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