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松編 ③
松の番外編 攻め会
しおりを挟む久しぶりのこの会ですが私はソルトさんに聞きたいことが山ほどあります。
「ソルトさん、どうされたのですか」
「はい?」
ご自分のお城から帰宅されたソルトさんはそれはもう誰がみてもわかるぐらい幸せそのものです。ご実家でのいざこざが上手く行ったのは知っています。無罪放免になったのが嬉しいのでしょうか…それだけではない気がします。なんというか物凄く雰囲気が変わったんです!一皮むけたといった方がよろしいのでしょうか。丸くなったとい言うか……
「とても良いことがあったと見受けられます」
「はい。ありました…沢山」
「それは、どういったことか聞いてもよろしいですか?」
真っ赤な顔のソルトさん。何があったのですか!!
「とら様の国でもありましたし、こちらでも沢山ありました。勿論、そうなれたのも王やクラム様のおかげで感謝しきれないです。それと…とら様と一緒になれた実感といいますか…それが一番感じれたのが嬉しいです」
眩しい!ソルトさんの肌艶と共に眩しい!
「具体的にお聞きしても?」
「はい。そうですね…とら様の国は私には刺激が強くご迷惑をお掛けすることが多かったです。ですがとら様がとても頼りになり一緒にいるのが心強かったです」
「わかります。あちらの世界は大変変わっていて騒々しく何よりも快楽の根元ですからさぞ驚いたことかと思います」
「はい。王がやまと様を好きになる理由が良くわかりました。あとは、やはり城へ行った時のとら様の行動に惚れ直したといいますか…」
松君さんはその見かけの物静かさな雰囲気とは違いかなり男気のあるお方。それでいて苦手な部分は表に出さないようにする強い精神の持ち主。そんな方が男らしくソルトさんを守るとなると心が離れられない程虜になってしまうのはわかります。ナグマに是非引き寄せたい人です。
「では…その。既に致したということでしょうか?」
「は……はい」
なんと!!
ソルトさんは既に致したのですね!
伴侶となったのです当然と言えば当然ですね。
「それはおめでとうございます」
「あ、ありがとうございます」
気になるのはどちらがどちらということですがそこまで聞いていいのかはちょっと迷います。やはり男気のある松君さん主導でしょうか?お二人の関係は良好ですが少々なぞに包まれた部分があります。うーん。
「ソルト、お前は愛はわかったのだろ」
「はい!あちらへ行きとら様と共に生活しているうちに愛を知ることができました」
「な、なんですって!ソルトさんは『あい』を手に入れたのですか?」
「はい。とら様には愛しかないです」
ふらっと立ち眩みのようになるクラムはそのままソファーに座った。
「王、私も『あい』を早く見つけたいです。そして婚儀を早く行ってビタさんと一つになりたいです」
「まだそんなことを言ってるのか。さっさと婚儀をすればいいだろ」
「今回もいろいろありましたので延期になってしまいました」
「5日休みをやっただろ。何をしていた」
「パズルです。まだ完成していません。ビタさんと夜な夜な楽しく過ごしました」
思い切りため息を付くフィグ。
「あの、クラム様。パズルだけですか?」
「それは…まぁ。少しは…そのいい感じにはなりましたが。進展はないです」
「ビタさんには婚儀の了承は得たのですか?」
「はて、了承とは?」
「ご両親にあったりとかは?」
「ないです」
「ビタさんから具体的な日にちや提案は?」
「ないです。まだお付き合いですから」
「「……。」」
「何ですか」
「クラム、お前はなぜそうなんだ。ビタに今からでも婚儀を申し込んでこい」
「私もその方がよろしいかと」
「お付き合いしているからわかっているのではないですか?」
「クラム…ちゃんと口に出してしっかり言え。進まなくて当たり前だ。お前はいつのタイミングで婚儀するつもりなんだ」
「それは日にちが決まってからです。皆さんの予定がありますし」
「違う、日にちは後だ。まずは婚儀の確定を貰ってこい。お前のは全部前提でしか進んでいない。確定はしていない。はぁ~」
「まぁ、そうですけど」
「あの、クラム様。今度とら様の国から雑誌というものがありましてそれをお持ちします。その雑誌に二人の関係チェックシートが載ってますのでやってみてはいかがでしょうか。字は私くが読み上げていきますので出きると思います。また、それには助言も載っていますからきっと役に立つかと思います」
「ぜひ!!お願いします!!」
こうして数日後にチェックすることになったのだが。
「二人の関係は10%相手の気持ちに寄り添わないとこのまま終わってしまいます。結婚はまだまだ遠いようです。相手に逃げられないように気をつけて!ラッキーアイテムは無償の愛」
「ソルトさん!!どうすれば良いのですか!!」
「えーっと。ラッキーアイテムがありますから」
「ですが私にはその『あい』がわかりません!!」
「クラム、諦めろ」
「嫌です!!ビタさん婚儀致します!!」
「因みに私はとら様と98%でした」
「やまとさん!!」
「やまとを越えてください!」
「意味がわかりません!!」
こうしてクラムは婚儀はまた延期になるのだった。
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