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松編 ③
9 松の世界にお邪魔します ⑨ 松
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あれから龍空は俺の部屋に来なくなった。
って言いたいがどういう神経してるのか次の日も普通に部屋にいた。
「龍空…お前な」
「そうたがさ文字勉強してるっていうから家庭教師。そうためちゃくちゃ頭いいんだよ。辞書とか参考書とか持ってきてあげたらどんどん覚えて」
いや、お前……はぁ…疲れる
そうだ、龍空はこういう奴だった
「おい、そうた」
ソルトは何で入れたんだ。顔を見ると俺の言いたいことに気がついたようだ。
【アイコンタクト】
【すみません。鍵を開けないと外で騒ぐと言われまして。あと、昨日の事を謝りたいと言われて入れてしまいました。ナグマの話しはしていませんし異世界人だとバレてもないです】
「はぁ~」
ならいいってもんじゃないんだけど。確かに俺は昼間ソルトの相手はできないしもう少し教えたいことはある。てかマジでこっちの文字わかるようになってる。こっちの文字でアイコンタクトしてるし。
「とら、週末ですが何処かお出掛けになりませんか?」
「いいけど、お前大丈夫なの?」
「文字を覚えだしてから状況がつかめるようになりました。それにより気持ち悪さが半減したように思います。まだ、全部はわかりませんが。それに、とらといればきっと大丈夫です…駄目ですか?」
「俺も行きたい!!」
初めてソルトから何処かへ来たいと言われ俺は悩んだが何かあれば俺が面倒見ればいいかと思いオッケーを出した。
「お前がいいなら俺はいいけど無理は絶対に駄目だからな。週末までにどっか行きたいところあれば龍空と決めていいから」
「ありがとうございます」
「わーい、そうた良かったね!一緒にどこ行こっか~」
□週末□
てことで俺達は三人で出かけることになった。
何だこの状況は。龍空はやっぱり何がしたいのか全然わからない。ソルトに家庭教師をする以外はなにもしてないみたいだしソルトからも勉強以外は何事もなくお俺が帰る前には帰ってるらしい。
「あ、そういえばとら」
「ん?」
「じょおでんきってなんですか?」
「なんだそれ。俺も知らん」
「充電器だよ。大学に行ったときさ貸してた充電器元カレから返してもらう時にそうたが危険物と勘違いして手で弾いてさ、びっくりした」
「は!?聞いてないぞ、そいつに怪我は」
「ちょっと手首押さえてたぐらい」
「ほとんど力は入れてませんので折れてはないとは思います」
はぁ~よかった
ナグマのやつ本当、超人みたいに力強いからマジで勘弁してほしい。捕まったらどうすんだよ。
「そうた、すぐに手をだすな。許可してないだろ」
「すみません、りくさんに何かあったらと思いまして」
「そうた、優しい~」
ちがう、龍空。優しいとかそんなレベルを越えてるんだこいつらは。くそ、知らないところで龍空の心を確実にソルトが掴んでいく。
「手は絶対だすな。でないと大変なことになるから。あと、充電器はこっちの携帯とか使えるようにするやつだから危険じゃない」
「そうでしたか。ではりくさん、彼に改めて申し訳ないことをしたと伝えてもらえないでしょうか?」
「オッケー」
向かった先は超マイナーな水族館だった。ここならそんなに広くないし人も来ないから迷子の心配もないな。
こっちの海の生き物を見せるのも悪くないし、龍空がいろんな所見せたらソルトがここがいいと行ったらしい。龍空も初めて来た場所らしく二人は楽しそうに館内をまわる。
外に出て初めて楽しんでる笑顔見れてちょっと安心できた。だいぶ慣れてくれたみたいだし龍空にも感謝かもな。
「とら、こちらにも光魔物が!!あ。」
「光魔物ってなに、面白いんだけど。中二っぽい。そうた、これクラゲだよ~」
たまに焦る。
にしても河口くん大丈夫かな。
また、落ち着いたら向こうに行こうかな。
「すみません、写真とってもらえますか?」
「あ、はい」
俺はカメラを渡され女子二人を撮った。にこりと笑う二人はお礼を行って何処かへ行った。
「とら、今のはなんですか?」
「写真とってって言われて撮っただけ」
【アイコンタクト】
【斬っていい感じですか?】
「あのな」
「なに虎」
「いや、」
【とら様に触れましたので斬るに値するかと】
「値しないわ!」
「なに虎!気持ち悪いんだけど」
「はぁ~もう、疲れる。何でもねーよ」
そこそこに楽しんだ俺達は帰ることに。帰り道、龍空が学校に本を取りに行きたいというので大学へ向かった。俺達はその辺のベンチに座り龍空が来るのを待った。週末の大学は流石にガラガラで公園にいるみたいだ。大学か懐かしいな。
「とら様も大学へ行かれたんですか?」
「あーここじゃないけど、こんなような雰囲気のところ行った」
「そうですか、いいですね。皆さんが楽しそうに学んでいました」
「まぁ、時間あったし自由だったし楽しかったかな」
「見たかったです。その時代のとら様」
「あー酷い生活してたから見たら幻滅する」
「女性にモテてて適当に遊んでいたとりく様が」
「あ~そ。否定はしない」
「それでも見たかったです」
「俺は今が楽しいから戻りたくない」
「はぃ」
「嬉しそうにすんな、首輪ない」
「はぃ!」
龍空が手を振りながら戻ってくると後ろから誰かがついてきていた。急にソルトが立ち上がり俺の前に庇うような仕草をした。
「とら様、危険です」
「は?」
「先日、りく様に別れる理由になった出来事に謝罪を求めてきた者です。一度納得したのに関わらずりく様と一緒にいるなんて。あの謝罪では足らず報復する隙を伺っているのでは。斬ります」
「斬るな!!ちょ、お前何持ってきてんだよ!!」
「短剣です。背中に隠しておいて良かったです。とら様、別れたのにまた一緒にいるなど考えられません!なにか脅されたりもしくは」
「ない!!」
「ですが、私が彼を暗殺しようとしたのを見抜かれました!!」
「しまえ!!斬るな!!お前、ここで何をしようとしてたんだよ!」
「虎、そうた~お待たせ。何、喧嘩?」
「違います、重大な決断を」
「はぁ~いい。何でもない」
龍空の隣にいる学生が軽くペコリと挨拶をした。
「さっきそこで会って」
【アイコンタクト】
【とら様!会釈するなんて!罠です!】
無視。
「あ~そうなんだ。俺ら帰るけどお前は?」
「う~ん、どうしようかな」
【とら様!りく様と二人にさせたら危険です!】
無視。
「どっちでもいい。決めろ」
「じゃあ、せっかく友達と会ったから今日はここで。そうた、楽しかったまたね!」
【とら様!りく様が殺られてしまいます!とら様!】
「だ~うるせ!大丈夫だつってんだろ!こいつらどうせやるんだよ!」
「ちょっ、ちょっと虎!?なな、何いってんの急に!?」
あ、マズイ。
「いや、えーっと違います。勉強やる気があるなって…」
駄目だ。言い訳にもらなん。
「はぁ…龍空、次はちゃんとしろよ。隣の友達、こいつまたバカな事したら見捨てていいから。それじゃ俺ら帰るわ」
「りくさん、もし何かありましたら拳で顎もしくは首の下辺りを思い切り攻撃してください」
「おい、そうた。急所教えんな。行くぞ」
「あ、とら待って下さい!怒らないでください!私は心配で」
「うるさい!お前のせいで帰りに量販店寄れないだろ」
「なぜですか?」
「背中のそれだよ!ひっかかんだよ!!んとに、お前は…」
二人はやいやい言いながら龍空の前からいなくなった。
「龍空、あの二人…なに?」
「あぁ~変な恋人同士」
って言いたいがどういう神経してるのか次の日も普通に部屋にいた。
「龍空…お前な」
「そうたがさ文字勉強してるっていうから家庭教師。そうためちゃくちゃ頭いいんだよ。辞書とか参考書とか持ってきてあげたらどんどん覚えて」
いや、お前……はぁ…疲れる
そうだ、龍空はこういう奴だった
「おい、そうた」
ソルトは何で入れたんだ。顔を見ると俺の言いたいことに気がついたようだ。
【アイコンタクト】
【すみません。鍵を開けないと外で騒ぐと言われまして。あと、昨日の事を謝りたいと言われて入れてしまいました。ナグマの話しはしていませんし異世界人だとバレてもないです】
「はぁ~」
ならいいってもんじゃないんだけど。確かに俺は昼間ソルトの相手はできないしもう少し教えたいことはある。てかマジでこっちの文字わかるようになってる。こっちの文字でアイコンタクトしてるし。
「とら、週末ですが何処かお出掛けになりませんか?」
「いいけど、お前大丈夫なの?」
「文字を覚えだしてから状況がつかめるようになりました。それにより気持ち悪さが半減したように思います。まだ、全部はわかりませんが。それに、とらといればきっと大丈夫です…駄目ですか?」
「俺も行きたい!!」
初めてソルトから何処かへ来たいと言われ俺は悩んだが何かあれば俺が面倒見ればいいかと思いオッケーを出した。
「お前がいいなら俺はいいけど無理は絶対に駄目だからな。週末までにどっか行きたいところあれば龍空と決めていいから」
「ありがとうございます」
「わーい、そうた良かったね!一緒にどこ行こっか~」
□週末□
てことで俺達は三人で出かけることになった。
何だこの状況は。龍空はやっぱり何がしたいのか全然わからない。ソルトに家庭教師をする以外はなにもしてないみたいだしソルトからも勉強以外は何事もなくお俺が帰る前には帰ってるらしい。
「あ、そういえばとら」
「ん?」
「じょおでんきってなんですか?」
「なんだそれ。俺も知らん」
「充電器だよ。大学に行ったときさ貸してた充電器元カレから返してもらう時にそうたが危険物と勘違いして手で弾いてさ、びっくりした」
「は!?聞いてないぞ、そいつに怪我は」
「ちょっと手首押さえてたぐらい」
「ほとんど力は入れてませんので折れてはないとは思います」
はぁ~よかった
ナグマのやつ本当、超人みたいに力強いからマジで勘弁してほしい。捕まったらどうすんだよ。
「そうた、すぐに手をだすな。許可してないだろ」
「すみません、りくさんに何かあったらと思いまして」
「そうた、優しい~」
ちがう、龍空。優しいとかそんなレベルを越えてるんだこいつらは。くそ、知らないところで龍空の心を確実にソルトが掴んでいく。
「手は絶対だすな。でないと大変なことになるから。あと、充電器はこっちの携帯とか使えるようにするやつだから危険じゃない」
「そうでしたか。ではりくさん、彼に改めて申し訳ないことをしたと伝えてもらえないでしょうか?」
「オッケー」
向かった先は超マイナーな水族館だった。ここならそんなに広くないし人も来ないから迷子の心配もないな。
こっちの海の生き物を見せるのも悪くないし、龍空がいろんな所見せたらソルトがここがいいと行ったらしい。龍空も初めて来た場所らしく二人は楽しそうに館内をまわる。
外に出て初めて楽しんでる笑顔見れてちょっと安心できた。だいぶ慣れてくれたみたいだし龍空にも感謝かもな。
「とら、こちらにも光魔物が!!あ。」
「光魔物ってなに、面白いんだけど。中二っぽい。そうた、これクラゲだよ~」
たまに焦る。
にしても河口くん大丈夫かな。
また、落ち着いたら向こうに行こうかな。
「すみません、写真とってもらえますか?」
「あ、はい」
俺はカメラを渡され女子二人を撮った。にこりと笑う二人はお礼を行って何処かへ行った。
「とら、今のはなんですか?」
「写真とってって言われて撮っただけ」
【アイコンタクト】
【斬っていい感じですか?】
「あのな」
「なに虎」
「いや、」
【とら様に触れましたので斬るに値するかと】
「値しないわ!」
「なに虎!気持ち悪いんだけど」
「はぁ~もう、疲れる。何でもねーよ」
そこそこに楽しんだ俺達は帰ることに。帰り道、龍空が学校に本を取りに行きたいというので大学へ向かった。俺達はその辺のベンチに座り龍空が来るのを待った。週末の大学は流石にガラガラで公園にいるみたいだ。大学か懐かしいな。
「とら様も大学へ行かれたんですか?」
「あーここじゃないけど、こんなような雰囲気のところ行った」
「そうですか、いいですね。皆さんが楽しそうに学んでいました」
「まぁ、時間あったし自由だったし楽しかったかな」
「見たかったです。その時代のとら様」
「あー酷い生活してたから見たら幻滅する」
「女性にモテてて適当に遊んでいたとりく様が」
「あ~そ。否定はしない」
「それでも見たかったです」
「俺は今が楽しいから戻りたくない」
「はぃ」
「嬉しそうにすんな、首輪ない」
「はぃ!」
龍空が手を振りながら戻ってくると後ろから誰かがついてきていた。急にソルトが立ち上がり俺の前に庇うような仕草をした。
「とら様、危険です」
「は?」
「先日、りく様に別れる理由になった出来事に謝罪を求めてきた者です。一度納得したのに関わらずりく様と一緒にいるなんて。あの謝罪では足らず報復する隙を伺っているのでは。斬ります」
「斬るな!!ちょ、お前何持ってきてんだよ!!」
「短剣です。背中に隠しておいて良かったです。とら様、別れたのにまた一緒にいるなど考えられません!なにか脅されたりもしくは」
「ない!!」
「ですが、私が彼を暗殺しようとしたのを見抜かれました!!」
「しまえ!!斬るな!!お前、ここで何をしようとしてたんだよ!」
「虎、そうた~お待たせ。何、喧嘩?」
「違います、重大な決断を」
「はぁ~いい。何でもない」
龍空の隣にいる学生が軽くペコリと挨拶をした。
「さっきそこで会って」
【アイコンタクト】
【とら様!会釈するなんて!罠です!】
無視。
「あ~そうなんだ。俺ら帰るけどお前は?」
「う~ん、どうしようかな」
【とら様!りく様と二人にさせたら危険です!】
無視。
「どっちでもいい。決めろ」
「じゃあ、せっかく友達と会ったから今日はここで。そうた、楽しかったまたね!」
【とら様!りく様が殺られてしまいます!とら様!】
「だ~うるせ!大丈夫だつってんだろ!こいつらどうせやるんだよ!」
「ちょっ、ちょっと虎!?なな、何いってんの急に!?」
あ、マズイ。
「いや、えーっと違います。勉強やる気があるなって…」
駄目だ。言い訳にもらなん。
「はぁ…龍空、次はちゃんとしろよ。隣の友達、こいつまたバカな事したら見捨てていいから。それじゃ俺ら帰るわ」
「りくさん、もし何かありましたら拳で顎もしくは首の下辺りを思い切り攻撃してください」
「おい、そうた。急所教えんな。行くぞ」
「あ、とら待って下さい!怒らないでください!私は心配で」
「うるさい!お前のせいで帰りに量販店寄れないだろ」
「なぜですか?」
「背中のそれだよ!ひっかかんだよ!!んとに、お前は…」
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「あぁ~変な恋人同士」
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