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番外編
6 受け会 ④
しおりを挟む数週間後
約束の日がきた。松君がナグマの男は嫉妬深いから多分、各自相方がついてくるといった美容院当日。
案の定、皆がついてきた。
ぞろぞろと男5人が美容院に入ると並々ならぬ緊張と気合いを入れた店員さんがいた。美容院といってもフィグ御用達らしいので他の人は居ません。
フィグは俺の席のすぐ近くにあるソファーに座りお茶を飲む。
松君はちょっと離れた隣にいる。
いつもより短く紐を持ちながらソルトさんを自分の横にピタリとつけていた。美容師さんやりずらそう。
ビタさんは更に奥の松君の隣に。クラムさんは仕事らしく後で来るもよう。
「河口君、全部魔法で早い!」
「でしょでしょ!」
魔法でささっと濡らし泡をつけあっという間にカットです。するとここで問題が起きた。
松君の髪に触れようとした美容師さんにソルトさんが剣を向けた。
「ひっ!」
すかさず松君が紐を引っ張った。
「おい!何してんだよ!」
「とら様に触れようとしたので」
「触れなきゃ切れないだろ」
「嫌です」
「だーお前は本当にもー、いいです、触って切ってください」
「は、はい!かかか、かしこましました」
そう言うと松君は紐を引っ張りソルトさんを跪かせ肩に足を乗せた。ぐっと抑えるとそこで見てろと言い髪を切るまるで跪つかせた。大事な物を取られたような目でその光景を見ていたソルトさんは時折「うっ…とら様」という声が聞こえたがうるさいと怒られ紐を強く引っ張られていた。心なしか引っ張られた時赤ら顔に見えたのは気のせいだっただろうか?
俺は横に向かせますねと言われフィグの方向を向くと目が合ってにっこり笑った。フィグも口元を上げて微笑んでくれた。
一番に終わった俺はフィグに駆け寄る。フィグは似合ってると言ってうなじをすりすり触ってくれた。
「フィグもすれば?一緒に切ったら次一緒に来れるよ」
「切る」
フィグも一緒に切る事になるも松君はまだ半分、ビタさんは終わりかけかな?
「遅くなりましたビタさん」
「いえ、大丈夫です」
クラムさんの登場。ビタさん嬉しそうだ。ビタさんの髪はふわふわで犬みたいで可愛い。俺もあんな可愛い髪型いいなと思う。するとクラムさんが何か言ってるようだった。
「すみません、もう少しここを、はい、ここは最大限に活かして下さい。こちらも、あと少しここ切ってもらえませんか」
……こりゃ大変だな。
そんな事を思っていたらフィグが先に終わった。
「フィグ、格好いい!」
「そうか」
ビタさんも松君も終わったみたい。ソルトさん髪拾おうとして怒られてる。クラムさん、まだビタさんの髪型気になってる。でも、皆さっぱりして良い感じ。これからお茶でもしようかな~
ぞろぞろと美容院を出るとやまとはいつもの言葉を言った。
「フィグ、格好いいから惚れ直す。誰かに取られちゃったらどうしよう~なんちゃって~へへへ~好き~」
「やまと、部屋行くぞ」
「何で!?お茶しようと思っ…」
瞬く間に連れ去られたやまと。
四人はそれを見送った。
「とら様、あんな喜んで言われたら」
「フィグさんなら」
「暴走しますね」
「「「「………。」」」」
「ビタさん、可愛くなりましたから私の部屋でパズルの続きをしましょう」
「はい」
「ソルト、さっきの続きするぞ」
「はぃ!!」
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