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番外編
6 クラムという男 ③
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「いいよ」
「却下だ」
真っ二つに意見が割れるなか三人はフィグとやまとの元にきていた。
「ですよね~」
「何で、別にごっこだからいいじゃん~」
「却下だ」
王の顔が怖い。やはり、王がやまとさんを離すなんて事はありえないです。
一方フィグの顔を見ながら松は困っていた。
やっぱりか…クラムさんを知るには実行が一番いいんだけど。しかも、河口君なら嫌な思いさせないし。かといって俺がしたらソルトが黙ってない。こいつはメンヘラだから俺がクラムさんを嘘でも口説いたら斬りそうだし。
「俺が「嫌です」」
「まだ、話してない」
「嫌です」
「松君も駄目なのか…」
「そうなんです。クラムさんのお見合いが上手くいかない理由がなんとなくわかって、その為には一度誰かとデートをするといいと思ったんだ…」
「そっか~デートしてくれる人いるかも!聞いてみていい?」
と、やまとは誰か心辺りがあるようでその人に会いに行くことにした。
食堂へ向かうとやまとはキョロキョロして一人の男を見つけるとがしりと腕を掴みクラムの元に連れてきてくれた。
「ビタさんです。ごめん、名前全部わかんない」
「あ、だ、大丈夫です。シルキグスメイドビタです。や、やまと王妃あの、これは…」
「すみません、お付き合いできるかわかりませんがクラムさんと1日デートしてもらえませんか?」
「え、でも、私は落ちて…その、」
「はい、そうなんですが。クラムさんの方に問題がありそうなのでそれをわかってからお見合いを改めてやり直そうと思ってるんです。その為にはデートできる人が必要なんです。できれば、協力してもらえないかと。そしたらビタさんもクラムさんの性格もわかりますし、思った人と違うなら断ってもらっていいですから」
「あ、はい…私でよければ…はい」
フィグは額面ばかりみるクラムのやり方より少しは歩み寄れるかもしれないと思った。そして、顔に覚えのあったビタをやまとが連れてきたのは悪い相手ではないと思った。落とされたビタにとってもいい意味でよく相手を知れるいい機会だと感じた。
と言うわけで皆でクラムのお付き合いの仕方を見学した。
「宜しくお願いします」
「宜しくお願いします」
この方とお付き合いの様子を皆さんに見せればいいみたいですね。
まずは、私のお付き合いの仕方は…
「私の行為は時間制限つきで……」
「ちょっと!!クラムさん、何いってんの!」
「え?条件を言ってからお付き合いするのは当たり前では?後でもめたくないので」
「「「「………。」」」」
「いや、わかりますが今は二人でいる時間を楽しむんですよ!」
「わかりました」
うーん、どうやら違ったみたいです。
行動に移せばいいんですかね。
「では、私の部屋へ」
「ちょっと、フィグ!クラムさんにどういう教育してんの!ナグマの王でしょ!」
「私生活は本人に任せている」
「んな、芸能人の事務所みたいな事言って!クラムさん!いきなり部屋に連れ込んだら怪しいでしょ!!」
「そうですか?今までの方全員そうでしたから」
「「「「………。」」」」
皆は思った。
我々が思う以上にクラムがヤリ○ンだった事に。そして頭を悩ませた。
然り気無くビタの肩を触る仕草はやり手だなとフィグと松は密かに思う。
「クラムさん、愛だよ愛!頑張ってみつけるんでしょ!」
そうでした。
私の目的は「あい」が何か探して手にいれる事でした。やまとさん、目的を忘れかけていたのを教えて頂きありがとうございます。
「あの…クラム様、良かったら私のよく行く場所でお茶でもいかがですか?」
「わかりました」
ビタさんがそう仰るなら行きましょう。基本相手に合わせればいいのですね。王が歩み寄れと言ったので相手に合わせて普段と違うことをしろという事なら試してみましょう。
四人は距離をとりつつクラムとビタの後を歩いた。
ついた場所は人が少ない窓際のベンチだった。お茶を買ってくるとビタはクラムに差し出した。
「ありがとうございます」
「いいえ」
窓の外は真っ白で吹雪いている景色がながれていた。
普段から見慣れた景色ですがビタさんはここが好きなのでしょうか?人通りも少なく静かではあります。特には目新しいものは無いですが。
「ここはどんな所が見所ですか?」
「えっと、特には…ただ、静かでぼーっとできる場所が好きなので案内しました。すみません、つまらなかったですよね」
「いえいえ」
静かでぼーっとできる場所ですか。私はあまりそういう時はありませんが見てみますか。
吹雪いてますね今日も。
風速はいかほどでしょうか。
向かいの建物に雪がやたら積もってますね。もしかしたら何処か破損してるかもしれないです。早急に連絡をとって確認をしなければ。
と、立ち上がろうとして後ろを見ると皆が首を振った。
ん、まだいろということですかね?
「あ、あの。どうかされましたか?」
「いえ、向かいの建物が気になっただけです」
「どうしてですか?」
「やたら雪が積もっている箇所がありましてもしかしたら破損でもしているのかと。あそこです」
指をさしてビタに教えた。
「あ、本当ですね」
「早急に連絡をとって確認をしなければと思いましたが、今はいいです」
「あ、はい。クラム様は私が気がつかない所を気がつかれるのですね。毎日見ていて気がつきませんでした。すみません」
「いえいえ、ビタさんが案内してくださらなければわからなかった事です。こういう場所でじっと見ているのも大事ですね」
…………………
「いい感じに見えてきた」
「河口君、そう見えるだけでクラムさんは仕事の事しか考えていないよ。これじゃ楽しめない。相手をエスコートしないと」
「もしかしたら次にいく場所が凄いのかも!」
四人はお茶を片手に二人の様子を伺いながらクラムのこれが第一歩と思い見守った。
だが、次の場所へ案内してからやはり皆はクラムはクラムだと思った。
「却下だ」
真っ二つに意見が割れるなか三人はフィグとやまとの元にきていた。
「ですよね~」
「何で、別にごっこだからいいじゃん~」
「却下だ」
王の顔が怖い。やはり、王がやまとさんを離すなんて事はありえないです。
一方フィグの顔を見ながら松は困っていた。
やっぱりか…クラムさんを知るには実行が一番いいんだけど。しかも、河口君なら嫌な思いさせないし。かといって俺がしたらソルトが黙ってない。こいつはメンヘラだから俺がクラムさんを嘘でも口説いたら斬りそうだし。
「俺が「嫌です」」
「まだ、話してない」
「嫌です」
「松君も駄目なのか…」
「そうなんです。クラムさんのお見合いが上手くいかない理由がなんとなくわかって、その為には一度誰かとデートをするといいと思ったんだ…」
「そっか~デートしてくれる人いるかも!聞いてみていい?」
と、やまとは誰か心辺りがあるようでその人に会いに行くことにした。
食堂へ向かうとやまとはキョロキョロして一人の男を見つけるとがしりと腕を掴みクラムの元に連れてきてくれた。
「ビタさんです。ごめん、名前全部わかんない」
「あ、だ、大丈夫です。シルキグスメイドビタです。や、やまと王妃あの、これは…」
「すみません、お付き合いできるかわかりませんがクラムさんと1日デートしてもらえませんか?」
「え、でも、私は落ちて…その、」
「はい、そうなんですが。クラムさんの方に問題がありそうなのでそれをわかってからお見合いを改めてやり直そうと思ってるんです。その為にはデートできる人が必要なんです。できれば、協力してもらえないかと。そしたらビタさんもクラムさんの性格もわかりますし、思った人と違うなら断ってもらっていいですから」
「あ、はい…私でよければ…はい」
フィグは額面ばかりみるクラムのやり方より少しは歩み寄れるかもしれないと思った。そして、顔に覚えのあったビタをやまとが連れてきたのは悪い相手ではないと思った。落とされたビタにとってもいい意味でよく相手を知れるいい機会だと感じた。
と言うわけで皆でクラムのお付き合いの仕方を見学した。
「宜しくお願いします」
「宜しくお願いします」
この方とお付き合いの様子を皆さんに見せればいいみたいですね。
まずは、私のお付き合いの仕方は…
「私の行為は時間制限つきで……」
「ちょっと!!クラムさん、何いってんの!」
「え?条件を言ってからお付き合いするのは当たり前では?後でもめたくないので」
「「「「………。」」」」
「いや、わかりますが今は二人でいる時間を楽しむんですよ!」
「わかりました」
うーん、どうやら違ったみたいです。
行動に移せばいいんですかね。
「では、私の部屋へ」
「ちょっと、フィグ!クラムさんにどういう教育してんの!ナグマの王でしょ!」
「私生活は本人に任せている」
「んな、芸能人の事務所みたいな事言って!クラムさん!いきなり部屋に連れ込んだら怪しいでしょ!!」
「そうですか?今までの方全員そうでしたから」
「「「「………。」」」」
皆は思った。
我々が思う以上にクラムがヤリ○ンだった事に。そして頭を悩ませた。
然り気無くビタの肩を触る仕草はやり手だなとフィグと松は密かに思う。
「クラムさん、愛だよ愛!頑張ってみつけるんでしょ!」
そうでした。
私の目的は「あい」が何か探して手にいれる事でした。やまとさん、目的を忘れかけていたのを教えて頂きありがとうございます。
「あの…クラム様、良かったら私のよく行く場所でお茶でもいかがですか?」
「わかりました」
ビタさんがそう仰るなら行きましょう。基本相手に合わせればいいのですね。王が歩み寄れと言ったので相手に合わせて普段と違うことをしろという事なら試してみましょう。
四人は距離をとりつつクラムとビタの後を歩いた。
ついた場所は人が少ない窓際のベンチだった。お茶を買ってくるとビタはクラムに差し出した。
「ありがとうございます」
「いいえ」
窓の外は真っ白で吹雪いている景色がながれていた。
普段から見慣れた景色ですがビタさんはここが好きなのでしょうか?人通りも少なく静かではあります。特には目新しいものは無いですが。
「ここはどんな所が見所ですか?」
「えっと、特には…ただ、静かでぼーっとできる場所が好きなので案内しました。すみません、つまらなかったですよね」
「いえいえ」
静かでぼーっとできる場所ですか。私はあまりそういう時はありませんが見てみますか。
吹雪いてますね今日も。
風速はいかほどでしょうか。
向かいの建物に雪がやたら積もってますね。もしかしたら何処か破損してるかもしれないです。早急に連絡をとって確認をしなければ。
と、立ち上がろうとして後ろを見ると皆が首を振った。
ん、まだいろということですかね?
「あ、あの。どうかされましたか?」
「いえ、向かいの建物が気になっただけです」
「どうしてですか?」
「やたら雪が積もっている箇所がありましてもしかしたら破損でもしているのかと。あそこです」
指をさしてビタに教えた。
「あ、本当ですね」
「早急に連絡をとって確認をしなければと思いましたが、今はいいです」
「あ、はい。クラム様は私が気がつかない所を気がつかれるのですね。毎日見ていて気がつきませんでした。すみません」
「いえいえ、ビタさんが案内してくださらなければわからなかった事です。こういう場所でじっと見ているのも大事ですね」
…………………
「いい感じに見えてきた」
「河口君、そう見えるだけでクラムさんは仕事の事しか考えていないよ。これじゃ楽しめない。相手をエスコートしないと」
「もしかしたら次にいく場所が凄いのかも!」
四人はお茶を片手に二人の様子を伺いながらクラムのこれが第一歩と思い見守った。
だが、次の場所へ案内してからやはり皆はクラムはクラムだと思った。
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