社会人が異世界人を拾いました

かぷか

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いつも一緒に

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 フィグと歩く。ひたすら歩く。

時折、あれは何かとアイコンタクトで訪ねられる。

「あれは飛行機、空飛べる鉄の塊。俺も何で飛べるかはわかんない」

「あれは、知らない高橋さんち。お金持ちが一軒家買って住んだり、あの高い建物に住んだりする」

 そりゃ、あれこれ気になるよね。こっちには知らないものだらけだし。城無いし、みんな住むところはバラバラだし。

 にしても皆、見事にスマホばかりみてるな。俺もそうだったのかな。
 フィグとのお揃いの品を探したいけどスマホも今は使えないし記念の品はどうしようかな~

「フィグ、お揃い何にしよう」

「特には…それより口のご奉仕を毎日でいい」

「それ、欲望!!」

 お揃いじゃないし!
 いや、フィグと二人でしたらお揃いか?

 いやいや、そうじゃない。
 その後も大変すぎたから、フィグさん止まらないから持たない。

「フィグは何か考えてたの?」

「そうだな、やまとがいいなら首にお揃いの飾りをつけたい」

「へ~いいよ」

ネックレスかな?
俺もいろいろ考えたけど思いつかない。
指輪?ピアス?時計?どれもしないんだよな。フィグは何でも喜んでくれそうだけどフィグの仕事に邪魔にならないのがいいな。

「フィグ、指輪か、ピアスとかが主流だけどどうする?仕事の邪魔にならないのがいいよね」

「あまり気にしなくてもいい」

「婚姻届けも出さないし、一個ぐらいなんかな~」

「何だそれは」

「結婚認めますって紙を書いて預かってもらうんだよ。逆に別れる時も別れますって紙を書く。でも、提出はできないから書いても意味ないけど」

「それがいい」

「へ?」

 フィグが意外な物に飛び付いたので急遽役所に行き紙をもらいにいった。まあ、記念といえばそうかも。フィグに書き方と保証人がいるのを説明した。後は………!!

「印鑑!」

「いんかん?」

そうだそれしかない!
名字や名前を刻んでお互いの印鑑を作ればいい!

「この証明には印鑑がいる!記念品は印鑑にしよう!」

「わかった」

何て名案なんだなんだと思い印鑑屋に行ったまでは良かった。

「へ?」

「だから…」

「ダーシャルマジェルダリスカルフィグル」

「外国の方かな?全部は入らないよ~うまく入れたいんだけど。ぐちゃぐちゃっとなっちゃうんだ。申し訳ない」

しまった!フィグの名前が全部入らない。
うーんうーん、折角だから作りたい!

「そしたらフィグって作れます?」

「それなら作れます。カタカナ?漢字にする?」

何!フィグに漢字にだと!

考えもしなかった。

「ちなみに、漢字だとどんな風になりますか?」

「あ~決まってないなら…富伊具とか」

全然ピントこない。
どっかのつり具屋みたい。

できればフィグっぽい漢字がいい!

怖異軍……

だめだ、しっくりし過ぎる。

浮異…浮きを離れした異世界人が……

「ぐでいい文字無いですか?」

「ん、そうだな~出会うっていう遇は?」

「浮異遇!これにします!」

何か一番しっくりくる!

てことで印鑑を作る事にした。折角なので俺も作る。もう、河口では多分ないので名前で作った。

ちなみに、この後は婚姻届け以外に印鑑が正式な用途として使われる事はなかった。
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