社会人が異世界人を拾いました

かぷか

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いつも一緒に

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 二人はお風呂上がりのプリンを食べていた。

 ようやく落ち着いたと思ったらまたドアをノックされた。

やまとが出ようとしたがフィグが静止して声をかける。

「誰だ」

「「俺達」」

「帰れ」

「ライムさんとソルベさん!」

「やまと入れて~」

「どうぞ~」

 その声に嫌な予感しかしなかったがやまとが嬉しそうにしたのでしぶしぶ部屋に入れた。

「やまと~儀式、頑張ったな!」
「皆、やまとの事誉めてたよ。てか、あのドア何」

「ありがとうございます!」

「何の用だ」

 この部屋に入るにはクラムかフィグの許可がないと規則で入れないようになっている。二人が来たという事はクラムの許可が下りた事になる。

「クラムが忙しくてこっちの対応ができないから直接相談に来た」

「で、なんだ」

「お前が御披露目後の挨拶断るから余計妃を近くで見たいってなってる。晩餐会は出て欲しい」

「断る」

 王という自分の立場から儀式は仕方なく受けたがその為に口づけも禁止、夜這いも禁止。更には儀式の準備でやまととの時間は削られ思うようにできなかった。

 やっと昨日やまとと一つになれたが待たされた分あの一回では到底満足できなかった。

 儀式中もしたくて堪らないゲージが一秒一秒経つごとに増していた。やっと続きができると部屋に帰るがストップがかかる。

 ソルトは来るし、松はそのせいで帰ってしまうし挙げ句の果てに晩餐会。

フィグのイライラはどんどん膨らんでいった。

「やまとを見せるつもりはない」

「「お前な~」」


「今日が終わればほとんど会わないから一回だけだ」
「やまとをちゃんと紹介しろ、それも王としての役目だ。心配ならお前が守れば問題無いだろ」

「……。」

「話す人はお前が選べばいいし」
「な?やまともいいよね?」

「俺は全然いいですよ~」

「「ほら~」」

「……。」

「わかった、これで最後だ」

「「やった~!!って事でこれ着てね」」

二人はやまとに服を渡した。

 本当はこれが二人の目的だったのではないかとやまとは思った。

□□□

 フィグとやまとが再び会場に入ると一斉に拍手と歓声が聞こえた。先程より人は減ってはいるがそれでも大勢の人がいた。

「何かあったらすぐ俺を呼べ」

「わ、わかった」

奥の豪華な席に座わる。
二人の王もやまとの近くに座る。

クラムは王の横に来て来賓のチェックを行う。名前を呼ばれるのを今か今かと人々は待った。

注意事項をクラムが空に書き出す。

「では、これより王から妃への拝謁はいえつ許可が下りましたので呼ばれたものは速やかに前に来て挨拶をしてもらいます」

「では…」

そう言うと何人か名前を呼ばれやまとの前に頭を下げて祝辞と挨拶をする。

しかし、やまとは自分がそう言う立場になるのはしっくりこなくて椅子から立ち上がると来賓の顔と体をあげてもらった。

フィグ以外は驚いてやまとを止めたがやまとは二人の王に挨拶をしたようにバグをした。そして、

「何もできませんが宜しくお願いします!」

と言った。

「王!やまとさんを止めて下さい!」

「いい、やまとの好きに」

そして、でかでかと文字を空に書いた。

『やまとと挨拶ができた者は我が国最大の誉れと思え』

と。一気に緊張が高まるがやまとの親しみを込めた挨拶に選ばれた者一同は嬉しく思ったのだった。

 何十人かと挨拶をした。

 途中から何でこいつらはやまととハグができるんだと自分が認めた事なのにイライラするも我慢した。

 挨拶が終わるとフィグの元へ帰ったやまと。

「皆、お祝いしてくれた」

「そうか」

 これで終わりかと思い席を立とうとしたら食事が運ばれてきた。ギロりとクラムを睨む。

「王、晩餐会です…お食事を…お願いします」

「フィグせっかくだし食べよう」
「…わかった」

 それぞれが楽しく談笑しながら晩餐会を楽しむ。今思えばあっという間だった気もするやまととの出会いはフィグの生活を明るく変えた。

 初めて異世界に行き出会ったやまととこうして一緒になるのは不思議感覚だがやまとだからそこそれができたと実感するのだった。そしてやまとがいることが当たり前になるフィグだった。

 食事が終わり今度こそ帰れると思ったその時またも声をかけられた。

「私も妃様に挨拶を」

その声に聞き覚えがあった。

「クラム!!」

 思わず、フィグが叫ぶがクラムは横を向いた。二人の王もささっと居なくなる。やまとは不思議そうにその光景をみていた。 

「フィグル~!」

 目の前にはニコニコした二人の男がやまとに近づきお祝いの言葉をのべ手を握った。

「「婚姻おめでとうございます~!」」

「ありがとうございます!」

 やまとはクラムに誰か聞こうと目で合図をした。するとクラムがハッキリと答えた。

「王のお父上とそのお付き様です」

「え!」
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