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異世界人てやつは
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しおりを挟む仕事部屋に着いたフィグはやまと達を二人にして椅子に座り机に頬杖を付きクラムとプリン男の処分について考えていた。
「あの男…」
「はい、分かっております。極刑にすべきかと」
「うーん」
「やまとさんを縛った挙げ句まさぐったんですよ!何も無くて良かったです!」
が、
フィグはそんな事よりも先程やまとにご褒美を貰うはずだったのに、その途中で松が現れ中断になってしまったのを思い出していた。
中断したにも関わらず機嫌が良いのは言う迄もなくやまとの姿だった。必死で止める仕草や見られた事による差恥で半泣きになってフィグに抜くようにお願いしているのがたまらな過ぎて顔がニヤついていた。
「何も無かった訳ではない」
「はい…その通りです(王が笑っている、恐ろしい)」
お風呂に行っても「お嫁にいけない~」と泣いてフィグにくっついてきた。「大丈夫だ」と言っても自分の胸に顔を埋め離れないやまとに庇護欲が湧いた。
「やまとの…」
破壊力が凄すぎる。
と思わず本音が口から出そうになり口をつむる。
「はい…(わかりますとも、酷い仕打ちですから)」
「はぁ~」
早く抱きたい。
本当になんとかしないと大変な事になる。
今日は松君さんがいるから抱けない。ご褒美のやり直しもしたい。一つになりたい。口づけもしたい。やまとでやりたい事だらけだ。
「早くなんとかしたい」
「わかりました」
「あ?あぁ、そうだな」
やまとで頭がいっぱいになりかけているフィグでした。
□□□
早くなんとかしたいと言うフィグの全然違う命令によりクラムがプリン男を入れた牢屋に案内した。
「クラム」
「はい」
王が自ら罪人と会うなど、こんな事は先ずない事で今回の件が相当お怒りのご様子だとわかりました。無理もないです、妃を吊り上げまさぐり縄の跡まで着けたとなるとは。
「こいつはどうするべきだと思う」
「はい、魔物送りかと」
腕を組み男をじっと見る。
男は喋れないように口を塞がれ腕を縛られている。何か話そうと必死にもがいて抵抗していた。
なぜこいつがこんなにも異世界の物に執着心を持っていたのか疑問を持ち聞いてみる事にした。
「口枷を外せ」
護衛が牢屋へ入り王の前に跪かせ口枷を外すと同時に捲し立てた。
「異世界の食べ物をよこせ!」
「なぜそんなに欲しい」
「異世界人が持ってきた食べ物を食べると快楽を得られると聞いた!よこせ!」
「「は?」」
こいつは何を言ってるんだ?
俺の聞き間違えか?
「おい、クラム」
「はい、その様な噂どこで…。全くもって事実無根ですよ」
「嘘だ!王妃が快楽になる食べ物を持ってきたと周りが言っていた」
「周り?」
「護衛が言っていた!」
よく聞くと護衛が話してるのを聞いたらしく、すぐにその話しを知っている護衛らを呼ぶと更に護衛の上へと…行きつく先は。
「ライムとソルベ…か」
「あ?」
「俺達そんな事…」
「「言った!」」
思い出したかのように話し出す。やまとに貰ったプリンを食べた後に廊下でその話をしながら移動したと。その時にあれは快楽に似た食べ物だと言うのが湾曲して伝わったようだ。報告を受け男はがっかりした様子で項垂れた。
「クラム、お前はやまと達の所へ行って城の案内を」
「しかし、」
「後は俺がやる」
「かしこまりました」
クラムが出ていくのを見届けると本題を聞くことにした。そもそもなぜそこまでして欲しかったのか。もし、今後もやまとを狙うなら即魔物送りにしようとしていた。
「違ったが、本当なら何に使うつもりだった」
男は意気消沈で話し出した。
「最近、付き合ってる人が全然してくれなくて。しかもやっても下手くそだと言われた。このままだと別れると言われかねない…別れたくないからそれが手に入ればまた仲良くなれるかと」
「はぁ~」
そんな事でやまとは吊るされまさぐられ跡までつけられたのかと思ったら怒りが込み上げたがこらえた。何となく気持ちがわからなくないわけでもないしそれに、やれないのはツラい。
「おい、これはやまとからだ」
プリンではなかったが1つの袋にチョコのお菓子が2つ入っている。
「言ってくれればあげたと。あと、皆にも分けてあげたいから一個しかあげれないがすまないと言っていた。快楽は得られないがそいつと分けて食べろ」
「ありがとうございます!」
泣きながら受けとる。
護衛が牢屋へ戻そうとしたが止めた。不敵な笑みを浮かべ言い放つ。
「だが、お前がやまとにした仕打ちは許さん。極刑に値する」
「ひぃぃ…申し訳ございませんでした!!」
やまとを危険に晒した男を当然許せる訳もなくフィグは刑を執行するのだった。牢に入れられた他の者もそれを見ていた護衛も「いっそのこと魔物送りの方がマシだ」とその光景を見ていた。そして皆が犯罪は犯すまいと心に誓うのだった。
こうしてプリン男事件は解決された。
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