社会人が異世界人を拾いました

かぷか

文字の大きさ
40 / 148
異世界人てやつは 

3

しおりを挟む
 王が部屋から出てこない。拗ねているを通り越して「無」になってるに違いない。ノックをしても声をかけても返事はない。鍵もかけてしまっている。食事も食べない。どうしたらいいものか…。

やはり、やまとさんが戻るまで待つしかないのか。今頃、どこで何をしているんだろうか…。

いや、もう帰ってこないかもしれないな。


□□□

「半チャーハンとラーメン」

俺は今、自分の食べたい物を食べている。

「松君ありがと!これこれ~ずっと食べたかったんだよね!」

「向こうには無い?」

「無い、あんまり料理ピンとこないやつばかり」

「それはストレスかも」

昨日、松君に泊めてもらい今はお昼ごはんを食べる。久しぶりに外に出た感じがする~楽しいな。こっちは年末か~

「松君いいの?予定とかあるんじゃない?」

「実家に帰るか悩んだけど混むし、お金かかるしね。寝正月する予定だった」

「そっか」

 何か周りが忙しく見えるのは年末だからか、仕事を辞めてしまったからなのかわからないな。

「河口君、何かしたいことある?」

「うーん、特にはないけど。もう、したいこと終わっちゃったしな~」

「じゃあ、遊びに行こう」

松君は俺をゲームセンターや買い物、近くの観光に連れて行ってくれた。

「楽しかった~」

「じゃあ、帰ろっか」

一瞬、どこに?って思ったけど松君のアパートに戻った。

「お世話になります」

「いいよ、河口君といるの別に嫌じゃないし」

「お礼に晩ごはん作るね」

「ありがとー」

これぐらいしないとね。そういえばフィグにもこうやってご飯作ってあげたな~。キッチンを借りて一人考える。このままじゃダメだよな、松君に迷惑がかかっちゃう。ビジホでも行こうかな~

「お待たせ~オムライスでごめん」

「ありがとう。美味しいよ」

「良かった~」

松君はいつも優しいな。

「河口君、もし居るとこ無いならいてもいいよ」

「え、」

松君……。

「ありがと…」

顔にでてたかな?でも、そう言ってくれてありがたかったかな。年明け迄あと少しか…。

次の日に松君と買い出しに行くが流石年末。人が多いな~

「そう言えば、前に河口君が住んでた近くに公園あったじゃん。あそこから更に先に行くと神社あるみたいだけど寄ってみない?」

「うーん」

「やだったら無理には」

「ううん、大丈夫」

フィグの事を思い出しちゃうな。
ため息の悩みは解決したかな?

神社へ着く。

「へ~ここ、伊可神社って言うんだ」

「ね、並んでるね~お参りしておみくじして帰らない?」

「うん!」 

伊可神社か~知らなかったな。鳥居の奥へ進むと大きなイカを型どったイカ男君人形が飾られていた。

「河口君、それ擦ってもご利益ないよ。それゆるキャラだから」

「あ、そうなんだ」

「こっち、こっち」

松君についていき本堂へ。
イカの神様が神々しく祀られていた。
参拝を終えおみくじ広場へ。

よし、フィグの為におみくじ引いてあげようかな!もしかしたら良いこと起こるとかアドバイス書いてあるかも!

イカの足をモチーフにしたおみくじ棒を1本選び書いてある数字をイカ巫女さんに見せて紙を貰った。

「俺、大吉~大体そうだよね。河口君は何だった?」

「吉凶未分末大吉」

「何それ。みたこと無い」

「俺も~読みかたもわかんない」

流石、河口君。

神をも見方につけるとは。書いてある内容もよくわからない。おそらく、結果オーライみたいな内容だ。

「珍しいから良かったね」

「普通が良かったな。よくわからないから」

「でも、大吉だからきっと良いことあるよ」

「うん!」

今の俺には普通が一番落ち着くんだけど、おみくじですら見放されちゃったのかな?ちょっとガッカリ。すっかり辺りは真っ暗になりイカ公園を通り抜けながら帰る。

後、数時間で年が明ける。

「松君、今年もお世話になりました~!」

「うん!こちらこそ!帰ってカウントダウンしよ!」

「うん!」

と思った数秒後に低い声がした。

「やまと」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

ハンターがマッサージ?で堕とされちゃう話

あずき
BL
【登場人物】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ハンター ライト(17) ???? アル(20) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 後半のキャラ崩壊は許してください;;

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

同居人の距離感がなんかおかしい

さくら優
BL
ひょんなことから会社の同期の家に居候することになった昂輝。でも待って!こいつなんか、距離感がおかしい!

処理中です...