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異世界人てやつは
1 松君
しおりを挟む「お疲れ様でした~」
あ~今日も仕事はしんどかったな~でもでも、明日からは年末!帰ってゆっくり寝正月しようかな。
う~寒い。早く帰ろ。
「つ君…」
ん、幻聴?
「松君…」
河口君の声?
え、まさか、死んだ?幽霊?
「松君!」
「うわあああ!お化け!」
「違います!生きてます!」
木の影からひょっこり出てきたのは異世界へ行ったはずの河口大和君。
「か、河口君。ビックリした~どうしたんですか?」
「すみません、急に。松君しか頼れる人がいなくて」
しょんぼりした河口君は寒空で俺を待ってくれてたみたいで少し震えていた。何かあったんだなとは思ったけどいつもの元気な姿じゃなくて心配になった。
「河口君、よかったらうちに来ますか?」
「ありがとう、そのつもりだったんだけどね。断られたらどうしようって思ってました」
「大丈夫ですよ、寒かったでしょ?携帯解約してるし待つしかなかったですよね」
「うん」
お金はあったみたいで袋にいっぱい何か買っていた。電車を乗り継ぎながら、河口君のいなくなった後の会社の話をしながら俺のアパートへ。
「片付けてないから汚いけど」
「うん、全然大丈夫」
河口君をアパートに入れたのは初めてかも。とりあえず着替えてお風呂とご飯かな。
「河口君、ご飯は?」
「軽くしか食べてない。でも、買ってきたから一緒に食べよ」
「いいの?」
「うん!」
お言葉に甘え河口君の買ってきた物を食べた。お風呂も入ってもらいゆっくり飲みながら話を聞く事にした。確か河口君、そんな飲めなかったけど今日は飲むのかな?いや、飲まなきゃ言えないのかも。
「河口君、何かあったんですか?」
「うん…」
「結婚したんじゃなくて?」
「まだ……」
「は?」
結婚まだなの?てっきりしてると思ったけど準備で結構延びてるらしい。まぁ、王とするからかな?ゲームとかでしか知らないけど。
河口君は意を決して異世界に行った。向こうでは魔法が無いと電気も付けれないし、お風呂も自分で入れないらしい。だから常に誰かと居るか使用人さんに頼むみたい。
そんな中、旦那さんとなる相手が最近元気がないらしく心配だと話した。何もできないからせめて旦那さんの相談に乗りたかったけどどうやら仕事が大変みたいで帰ってて良いぞと言われてしまったらしい。その気持ちを手で表してくれた。
「松君、見ててよ」
「うん」
「こうなってたのが、こうなったのよ」
まるでミカンを半分にする動作をしたけどわかりにくい。おそらく、ブロークンハートしたと言いたかったのかな?
「そっか~」
「うん。俺、そんな頼りがいないのかな…」
「そんな事はないと思いますよ」
「向こうでなにもできないから…1つぐらい相談のりたいじゃん」
河口君はいつも明るいから軽く見られやすいけど本当は人一倍気を使ってる気がするんだよな。だから、向こうでもそうやってたのかな?
「河口君、しばらくいなよ」
「松君…ありがとう」
目からちょっとだけこぼれた涙は見ない振りしてアイスを渡した。
「おいしい」
「良かった」
ほろ酔い河口君は少し愚痴った後にぐっすり寝てしまった。
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