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91章 ドワーフ山脈の道・アンドゥイ国側

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91章 ドワーフ山脈の道・アンドゥイ国側



 アンドゥイ国側。


 遠くの方で黒雷魔法が放たれたのを皮切りに、飛翔系の虫が一斉にスピードを増し、山脈の間の道に押し寄せてきた。
 飛翔系といえども5000メルク級の高い山を越えるのは厳しいようだ。 そのため、道を目指して飛んでくる。

 竜生神はグリフォンに乗り、ハーピーと共に山の頂上辺りに陣取り、上から虫の動きを確認している。

 黒い雲のように、大きな生き物のように、うねりながらグロテスクな生き物が山脈の道に押しよせてきた。




 先ほど、黒雷魔法が放たれる直前に半分ほどの巨大昆虫が一瞬にして消えた。 爆発も攻撃も何もなかったようなのに、突然消えたのだ。

 シークとレイが何かとんでもないことをしたのだろう。 それを見ていた竜生神たちは一斉に歓声を上げた。




「さすがは彼らじゃ。 次は、わしらじゃな。 では始めるとするか」

 ガドルとルーア、ネビルとエクスの白魔法保持者が構える。

「「光魔法!!」」

 道を目指して飛んでくる虫たちに向かって、まばゆい光が放たれ、それが数千の矢となり「分散追跡魔法」で飛翔する虫の体を次々と貫いていった。

 2人と2頭の攻撃で、一瞬にして数万の虫が倒されていく。 その攻撃を立て続けに放った。



「次は我々が」

 ヒューイとキュレル、マリナとディグが手をあげ、振り下ろす。

「炎魔法!」「水魔法!」

 ヒューイが放った炎魔法の中にマリナが霧のような水を放り込むことで、更なる爆発が起き、数百メルク四方の虫が炎に巻き込まれて燃えていく。

 アッシュとアルは地と炎と水を持っているので、アッシュの放つ炎にアルが霧のような水を放ち、虫たちを吹き飛ばしていく。



 魔力を多く消費する究極魔法より、通常魔法で確実に数を減らしていく方が、結果的には多く虫を倒せることが分かっている。 何度も訓練で検証済みだ。




 初めにシークたちがかなりの数を減らしてくれたおかげで、飛翔系の虫は思った以上に少なくなっては来たが、もう少し減らしておく必要がある。 

 ガドルとルーア、ネビルとエクスは道に押し寄せる虫に向かって次々に光魔法を放って数を減らしていった。


 ◇◇◇◇


 そろそろ魔力が減ってきた。
 ガドル、ネビル、マリナが先に魔力を回復するためにアニエッタの所に急ぐ。



 魔力を残していたアッシュとたちヒューイたちが道の上空に待機するが、残りの飛翔系の虫たちが押し寄せてきた。 グリフォンとハーピーが応戦するが、減ったと言ってもまだ数が多い。

 グリフォンはくちばしと爪で次々に虫を引き裂いていき、ハーピーは三人一組で、素早く飛びながら剣と槍で虫を落としていく。 

 ハーピーはなかなか動きが素早く、3人のコンビネーションも素晴らしい。 それに加え、巨大昆虫は巨大化した分、思ったよりも動きが遅いのでどうにか対応できるようだ。



「もう直ぐ虫が道に到達する!! あと少し耐えてくれ!!」

 アッシュはグリフォンとハーピーたちを鼓舞する。

 次の作戦に移るには、虫たちが狭くなっている道まで来る必要があるのだ。




 森の動きが波打つように一点に向かって近づいてくる。
 そして地を這う虫たちが道に押しよせてきた。

「今だ!!」「「雪崩!!」」

 アッシュとアル、ヒューイとキュレルは、道の左右の崖を魔法で崩して雪崩を起こし、炎魔法も同時に放つ。

 ズドドドド~~ン! ドドーーン!!

 多くの虫たちが雪崩に巻き込まれて岩の下敷きになり、爆発に巻き込まれて燃えていく。

 その後も何度か雪崩と炎で、道に向かってくる虫たちを倒していく。

 しかし当然と言えば当然だが、仲間が燃えていようが岩に押しつぶされていようがお構いなしに、生き残った虫たちは仲間を乗り越えて一心不乱にこちらに向かってくる。



「後は頼む!!」

 アッシュたちとヒューイたちは残りの魔力を使ってできる限り虫を退けてから、急いで三連山のアニエッタの所に、魔力回復に向かった。

 しかし、雪崩の上の仲間が燃えている炎を越えて、虫たちが押し寄せる。


 飛翔系にはエルフが弓で落としていき、ゴブリンキングのゴーレム部隊とトロールたちが、向かってくる虫たちを次々に倒していく。



 それらを抜けてきた虫をオーガが切りつけ、ホブゴブリンが向かっていった。





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