17 / 19
意外な展開
しおりを挟む
ソファを勧められ、腰を降ろした。
「一緒のマンションなんて、本当に仲が良いんですね」
私が微笑ましく思っていると、樹杞の表情が緩む。
「大学も一緒なぐらいだからね。まあ、馬が合うんだろうな」
樹杞が席を外すと、直ぐにティーポットとティーセットを持って来た。
家に着いて直ぐに用意していた様子で、カップに注いでくれた紅茶は丁度いい感じに蒸らされ、美味しそうな色と香りをしていた。
「ありがとうございます。良い香りですね」
樹杞が私の直ぐ前にソーサーを置いた。
「今日話していたのじゃなくて、これはフレーバーティーだよ。僕は柑橘が好きだから、柑橘ベースなんだ」
確かにオレンジのような香りがしていた。
カップを手に取り、口へと運ぶ。
「柑橘って酸味があるイメージですけど、爽やかで美味しいです」
樹杞と話していると、紅茶やお菓子の話で盛り上がり楽しく過ごすのがいつもだった。
「楓ちゃんとカフェに行くようになって、今まで行けなかった所に行けたり…話す相手がいなかった話題も話せて、最近は充実してると思うよ」
「私も、樹杞さんとのカフェ巡り楽しんでます」
私としても、カフェでの時間は楽しいものとなっていた。
「楓ちゃんとカフェで楽しむ時間を共有して、楓ちゃんの事が好きになった…」
突然の告白に言葉を失っていると、樹杞が続ける。
「今までの関係は壊したくないけど、楓ちゃんを誰かに盗られたくない…気持ちの方が強くて、今…伝えておきたかったんだ……」
「樹杞さんの事は好きですけど、恋愛感情かと言われると…まだ分からないです。なので、少し時間を貰えないですか?」
私の返事に、樹杞の表情が変わる。
「……俊樹と何かあったんだ…この間の後から俊樹と距離置いてるでしょ…」
樹杞は、俊樹に連れ去られた後に何かあったと予想してるようだ。
「それは…別にそういうのではないです…」
そう答えるしか思いつかず口籠ってしまう。
「俊樹は由希がいるし、あの二人も僕が楓ちゃんを好きなのも知ってるよ…」
俊樹と由希の関係についてはっきり言われた上に、樹杞の想いも二人が知っていて、今までの関係があった事を知る。
あの二人の仲が決定された事より、樹杞の想いを知っていて…俊樹が容認していた事は…………私に恋愛感情がないと決定づけている為、ショックが大きかった。
俊樹に何とも想われていなかった事に…愕然とし声を失ってしまう。
「俊樹には由希がいるのに、楓ちゃんと何かあったんだと思うと…俊樹と会わせたくないんだ…」
やりきれない表情のまま、樹杞が私の腕を掴んだ。
私が樹杞から逃れようとすると、そのまま腕を引かれて樹杞の身体に倒れ込んでしまう。
立ち上がろうとすれば、今度は床に倒された。
両腕を片手で押さえつけられ、身動きが取れなくなると、樹杞に唇を奪われた。
「樹…杞さ……ん……やめ…てっ…」
なんとか止めさせようと、声にするが……返って激しく口付けされる。
舌を絡められ口腔内を支配されてしまい、足をバタつかせるだけしか抵抗出来なかった。
「一緒のマンションなんて、本当に仲が良いんですね」
私が微笑ましく思っていると、樹杞の表情が緩む。
「大学も一緒なぐらいだからね。まあ、馬が合うんだろうな」
樹杞が席を外すと、直ぐにティーポットとティーセットを持って来た。
家に着いて直ぐに用意していた様子で、カップに注いでくれた紅茶は丁度いい感じに蒸らされ、美味しそうな色と香りをしていた。
「ありがとうございます。良い香りですね」
樹杞が私の直ぐ前にソーサーを置いた。
「今日話していたのじゃなくて、これはフレーバーティーだよ。僕は柑橘が好きだから、柑橘ベースなんだ」
確かにオレンジのような香りがしていた。
カップを手に取り、口へと運ぶ。
「柑橘って酸味があるイメージですけど、爽やかで美味しいです」
樹杞と話していると、紅茶やお菓子の話で盛り上がり楽しく過ごすのがいつもだった。
「楓ちゃんとカフェに行くようになって、今まで行けなかった所に行けたり…話す相手がいなかった話題も話せて、最近は充実してると思うよ」
「私も、樹杞さんとのカフェ巡り楽しんでます」
私としても、カフェでの時間は楽しいものとなっていた。
「楓ちゃんとカフェで楽しむ時間を共有して、楓ちゃんの事が好きになった…」
突然の告白に言葉を失っていると、樹杞が続ける。
「今までの関係は壊したくないけど、楓ちゃんを誰かに盗られたくない…気持ちの方が強くて、今…伝えておきたかったんだ……」
「樹杞さんの事は好きですけど、恋愛感情かと言われると…まだ分からないです。なので、少し時間を貰えないですか?」
私の返事に、樹杞の表情が変わる。
「……俊樹と何かあったんだ…この間の後から俊樹と距離置いてるでしょ…」
樹杞は、俊樹に連れ去られた後に何かあったと予想してるようだ。
「それは…別にそういうのではないです…」
そう答えるしか思いつかず口籠ってしまう。
「俊樹は由希がいるし、あの二人も僕が楓ちゃんを好きなのも知ってるよ…」
俊樹と由希の関係についてはっきり言われた上に、樹杞の想いも二人が知っていて、今までの関係があった事を知る。
あの二人の仲が決定された事より、樹杞の想いを知っていて…俊樹が容認していた事は…………私に恋愛感情がないと決定づけている為、ショックが大きかった。
俊樹に何とも想われていなかった事に…愕然とし声を失ってしまう。
「俊樹には由希がいるのに、楓ちゃんと何かあったんだと思うと…俊樹と会わせたくないんだ…」
やりきれない表情のまま、樹杞が私の腕を掴んだ。
私が樹杞から逃れようとすると、そのまま腕を引かれて樹杞の身体に倒れ込んでしまう。
立ち上がろうとすれば、今度は床に倒された。
両腕を片手で押さえつけられ、身動きが取れなくなると、樹杞に唇を奪われた。
「樹…杞さ……ん……やめ…てっ…」
なんとか止めさせようと、声にするが……返って激しく口付けされる。
舌を絡められ口腔内を支配されてしまい、足をバタつかせるだけしか抵抗出来なかった。
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
粗暴で優しい幼馴染彼氏はおっとり系彼女を好きすぎる
春音優月
恋愛
おっとりふわふわ大学生の一色のどかは、中学生の時から付き合っている幼馴染彼氏の黒瀬逸希と同棲中。態度や口は荒っぽい逸希だけど、のどかへの愛は大きすぎるほど。
幸せいっぱいなはずなのに、逸希から一度も「好き」と言われてないことに気がついてしまって……?
幼馴染大学生の糖度高めなショートストーリー。
2024.03.06
イラスト:雪緒さま
マッサージ
えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。
背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。
僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。
10 sweet wedding
国樹田 樹
恋愛
『十年後もお互い独身だったら、結婚しよう』 そんな、どこかのドラマで見た様な約束をした私達。 けれど十年後の今日、私は彼の妻になった。 ……そんな二人の、式後のお話。
【完結】お飾りの妻からの挑戦状
おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。
「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」
しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ……
◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています
◇全18話で完結予定
拝啓 お顔もお名前も存じ上げない婚約者様
オケラ
恋愛
15歳のユアは上流貴族のお嬢様。自然とたわむれるのが大好きな女の子で、毎日山で植物を愛でている。しかし、こうして自由に過ごせるのもあと半年だけ。16歳になると正式に結婚することが決まっている。彼女には生まれた時から婚約者がいるが、まだ一度も会ったことがない。名前も知らないのは幼き日の彼女のわがままが原因で……。半年後に結婚を控える中、彼女は山の中でとある殿方と出会い……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる