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意外な展開

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ソファを勧められ、腰を降ろした。

「一緒のマンションなんて、本当に仲が良いんですね」
私が微笑ましく思っていると、樹杞の表情が緩む。
「大学も一緒なぐらいだからね。まあ、馬が合うんだろうな」


樹杞が席を外すと、直ぐにティーポットとティーセットを持って来た。
家に着いて直ぐに用意していた様子で、カップに注いでくれた紅茶は丁度いい感じに蒸らされ、美味しそうな色と香りをしていた。

「ありがとうございます。良い香りですね」
樹杞が私の直ぐ前にソーサーを置いた。
「今日話していたのじゃなくて、これはフレーバーティーだよ。僕は柑橘が好きだから、柑橘ベースなんだ」
確かにオレンジのような香りがしていた。
カップを手に取り、口へと運ぶ。
「柑橘って酸味があるイメージですけど、爽やかで美味しいです」

樹杞と話していると、紅茶やお菓子の話で盛り上がり楽しく過ごすのがいつもだった。

「楓ちゃんとカフェに行くようになって、今まで行けなかった所に行けたり…話す相手がいなかった話題も話せて、最近は充実してると思うよ」
「私も、樹杞さんとのカフェ巡り楽しんでます」
私としても、カフェでの時間は楽しいものとなっていた。

「楓ちゃんとカフェで楽しむ時間を共有して、楓ちゃんの事が好きになった…」
突然の告白に言葉を失っていると、樹杞が続ける。
「今までの関係は壊したくないけど、楓ちゃんを誰かに盗られたくない…気持ちの方が強くて、今…伝えておきたかったんだ……」


「樹杞さんの事は好きですけど、恋愛感情かと言われると…まだ分からないです。なので、少し時間を貰えないですか?」
私の返事に、樹杞の表情が変わる。
「……俊樹と何かあったんだ…この間の後から俊樹と距離置いてるでしょ…」

樹杞は、俊樹に連れ去られた後に何かあったと予想してるようだ。
「それは…別にそういうのではないです…」
そう答えるしか思いつかず口籠ってしまう。
「俊樹は由希がいるし、あの二人も僕が楓ちゃんを好きなのも知ってるよ…」
俊樹と由希の関係についてはっきり言われた上に、樹杞の想いも二人が知っていて、今までの関係があった事を知る。

あの二人の仲が決定された事より、樹杞の想いを知っていて…俊樹が容認していた事は…………私に恋愛感情がないと決定づけている為、ショックが大きかった。
俊樹に何とも想われていなかった事に…愕然とし声を失ってしまう。

「俊樹には由希がいるのに、楓ちゃんと何かあったんだと思うと…俊樹と会わせたくないんだ…」
やりきれない表情のまま、樹杞が私の腕を掴んだ。
私が樹杞から逃れようとすると、そのまま腕を引かれて樹杞の身体に倒れ込んでしまう。
立ち上がろうとすれば、今度は床に倒された。

両腕を片手で押さえつけられ、身動きが取れなくなると、樹杞に唇を奪われた。
「樹…杞さ……ん……やめ…てっ…」
なんとか止めさせようと、声にするが……返って激しく口付けされる。


舌を絡められ口腔内を支配されてしまい、足をバタつかせるだけしか抵抗出来なかった。

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