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想いの行方

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私はノンアルコールで食事を楽しみつつ、俊樹の話を聞く事に徹していた。


アルコールを飲んでいた俊樹は、いつもより色々話してくれる。

そこまで自分の話しをするタイプではないので、ここぞとばかりに恋愛の話題を振ろうと、取り敢えず自分の話から始めてみる。

「私…気になる人がいるんですけど、その人には好きな人がいるみたいなんですよね」

「楓にも好きな人いるんだな」
今の言葉で、俊樹に好きな人がいる事が分かり私は内心ショックを受けながらも表情に出さないよう…話を続ける。
「私にもって事は、俊樹先輩も好きな人がいるんですね」
「いるよ。でも、一緒にいる時間はまあまあ…あるんだけど、相手が俺に恋愛感情があるかは分からないんだよな」
話の内容から、由希の事を言っているのだろう。
やっぱり由希が想い人なんだ。
「じゃあ、俊樹先輩の好きな人が先輩の事をどう想っているか気になるところですね。私の方は、見込みが無いようなんですけどね」
少し落ち込んだ風にしてみる。

「そう、なんだな…。俺じゃない奴が好きなのかもな。どう想っているかは気になるな…やっぱり」

誰だって好きな相手が誰を想っているかを知りたいはずで、俊樹の想い人が分かってしまった今では応援に転じようと考えている。

「俊樹先輩の想いが伝わると良いですね。一緒の時間が持てるなら、チャンスはありますよ」
「そうだといいんだけどな」

俊樹はそう言うと、残り少なかったグラスの中を空にした。



その後は、バイトの事や大学の話で盛り上がった。


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