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彼女を観察中
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先ず始めに、由希が俊輝をどう思っているのかを探るのがミッションとなる。
俊輝とはバイト先のカラオケ店で知り合った。
そこから同じ大学に通っている一年先輩という事で、仲良くなったのだ。
大学で話すようになって、よく由希と一緒にいる所を目撃し俊輝の想いに気付いたのだ。
私が由希と話す事といえば、課題の話題とか?
要するに、あまり深い仲ではないので…二人の仲を応援するには役不足かも知れない。
由希が一人でいる時を狙って話掛けようと伺っていると、由希へ一人の男性が声を掛けている。
由希は知り合いの様で楽しそうに会話をしていた。
私は声を掛けそびれてしまい、離れた場所から同じ方向へ向かうことにした。
そのうちまた一人になるかもしれない。
そう思い歩いていると、由希が私に気づき声をかけてきた。
私は戸惑いながらも、今気付いたとばかりに由希に視線を合わせて近づいていく。
「由希さん、こんにちは。今、帰りですか?」
当たり障りのない挨拶だったが、特別親しい訳ではないのでこんなものだと思う。
「楓ちゃんの姿が見えたので、声を掛けちゃった」
笑顔を向けられ、吊られて微笑んでしまう。
「何かありました?」
私が尋ねると、隣にいた男性の腕を引く。
「楓ちゃんに紹介しようと思って。今、丁度一緒だったから」
そう由希が言うと、男性は丁寧なお辞儀をしてくれる。
「始めまして。由希と俊輝の高校からの友人で橘
樹杞といいます。よろしくね」
橘樹杞(タチバナイツキ)と名乗られ、慌てて私も自己紹介する。
「こちらこそ、始めまして。柚月楓です。私は俊輝先輩とバイト先が同じなんです。よろしくお願いします」
「俊輝がよく楓ちゃんの名前を出すから、樹杞が挨拶したいってうるさいのよ」
由希が樹杞を横目で見ながら、楓の様子を伺ってくる。
「大丈夫ですよ。私も、先輩達が仲が良いのは知ってますし、時々お二人の話になったりしますよ?」
「じゃあ、始めましてだけど始めましてじゃない感じかな?」
「そんな感じですかね?」
冗談混じりに話が続いたが、二人は予定があるようでそこで別れた。
由希と樹杞…この二人も仲が良さそうかな?
気になる展開となってしまった。
俊輝とはバイト先のカラオケ店で知り合った。
そこから同じ大学に通っている一年先輩という事で、仲良くなったのだ。
大学で話すようになって、よく由希と一緒にいる所を目撃し俊輝の想いに気付いたのだ。
私が由希と話す事といえば、課題の話題とか?
要するに、あまり深い仲ではないので…二人の仲を応援するには役不足かも知れない。
由希が一人でいる時を狙って話掛けようと伺っていると、由希へ一人の男性が声を掛けている。
由希は知り合いの様で楽しそうに会話をしていた。
私は声を掛けそびれてしまい、離れた場所から同じ方向へ向かうことにした。
そのうちまた一人になるかもしれない。
そう思い歩いていると、由希が私に気づき声をかけてきた。
私は戸惑いながらも、今気付いたとばかりに由希に視線を合わせて近づいていく。
「由希さん、こんにちは。今、帰りですか?」
当たり障りのない挨拶だったが、特別親しい訳ではないのでこんなものだと思う。
「楓ちゃんの姿が見えたので、声を掛けちゃった」
笑顔を向けられ、吊られて微笑んでしまう。
「何かありました?」
私が尋ねると、隣にいた男性の腕を引く。
「楓ちゃんに紹介しようと思って。今、丁度一緒だったから」
そう由希が言うと、男性は丁寧なお辞儀をしてくれる。
「始めまして。由希と俊輝の高校からの友人で橘
樹杞といいます。よろしくね」
橘樹杞(タチバナイツキ)と名乗られ、慌てて私も自己紹介する。
「こちらこそ、始めまして。柚月楓です。私は俊輝先輩とバイト先が同じなんです。よろしくお願いします」
「俊輝がよく楓ちゃんの名前を出すから、樹杞が挨拶したいってうるさいのよ」
由希が樹杞を横目で見ながら、楓の様子を伺ってくる。
「大丈夫ですよ。私も、先輩達が仲が良いのは知ってますし、時々お二人の話になったりしますよ?」
「じゃあ、始めましてだけど始めましてじゃない感じかな?」
「そんな感じですかね?」
冗談混じりに話が続いたが、二人は予定があるようでそこで別れた。
由希と樹杞…この二人も仲が良さそうかな?
気になる展開となってしまった。
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