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サクヤより今朝
しおりを挟む「昨日、俺の部屋で一緒に過ごしたいって言ったのに、眠いって言ってあっちの部屋で寝たのは莉乃だよね」
莉乃は申し訳無さそうに頷く。
「莉乃ちゃんが寝ちゃってから、遅くに裕志が終電なくなったからと泊まりに来た時、断れば良かったけど……。莉乃ちゃんにも聞きたいことがいっぱいだね」
俺が溜息をつくと、莉乃は申し訳無さそうに身体を小さくする。
「昨日、俺の部屋以外だと何時メンバーが入って来るか分からないから…施錠するように話したよね?」
静かに頷く莉乃。
「後……。なんで、水着で寝てたのか……」
そう!莉乃を起こしに部屋に入った時、凄く驚いたんだ。一瞬、下着姿かと思ったけど水着だった。と言っても、露出量は大差ない訳で。大分、俺的には、有り難かったけど。裕志とその姿で一晩過ごしていた事には、嫉妬しかない。
「いつも家では下着で寝てて…、もしトイレに起きたりと言うことを考えた結果、水着ならお互い大丈夫かなと…」
そんな言い訳も可愛いから直ぐに絆されてしまいそうになるのをグッと堪える。
「今回は裕志が大分酔っていたから、何もなかったかも知れないけど、何か起こったらどうする気だったんだよ」
「……」
ちょっとキツめに言ってしまったが、今後も無いとは限らない。黙り込んでしまった莉乃も、可愛いな。待てよ……。何で何も言わない?
「何で、黙って…。もしかして何かあった?」
ビクッとする莉乃の態度で、反射的に俺は部屋を出て行こうとする。
莉乃が急いで俺の腕を掴んできた。
「何もないです!………ちょっと胸を……」
急いで話す莉乃。
「胸……どうしたのか話して」
怯えさせてしまったことに気付いた俺は、極力優しくと莉乃に向き合うように姿勢を正す。
「触られただけなので……」
「いつ?」
「目が覚めた時、裕志さんの手が胸に…。まだ寝ていた様なので本人は気づいてないかも………」
莉乃の話の途中でおれは莉乃を胸に抱きしめる。
被害を被ったのは莉乃なのに、庇うような発言はマジで天使かと思う程に、胸が熱くなった。
「触られただけでも…それが俺以外の人であれば嫌なんだ」
腕にギュっと力を込める。莉乃もさっきより力が入っているから、俺は嬉しくなる。
そんな俺の想いに、気づいたのか
「ごめんなさい」
莉乃が言葉にしていた。
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