あの日の後悔と懺悔とそれと

ばってんがー森

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《一方的な婚約者》

決断

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菊酒丸の幹部、孝之助が現れてから三日、特にこれといった出来事がなかった。そう、なかっただけで。


五日目、あまり母は気分が優れないのか、朝食を食べなかった。昼食を食べないことは度々あったが、朝食を食べないのはかなり久しぶりのことであった。

「今日は熱っぽいのかも」

と僕が親父に言うと、もうすでに体温計で測ってあり、「37.8分」と表示されていた。

昨日は普通だった。体温も「36.4分」で普通だった。この時、僕は何かが全身を舐められているかのような、ゾッとした感覚を覚えた。




(いつ、母がこのような状態になってもおかしくない、何平和ボケをしていたんだ僕はっ!!!!)

止まらない汗を拭いつつ二階に急いで行った。

現実的でないことが続きすぎた反動が、現実をよりリアル感を覚えさせた。ぶわっと焦りが津波のように押し寄せる。僕は自分の部屋に籠りザシコ達の声さえ虚ろに聞こえる状況で布団に蹲った。

しばらくして、僕は窓際から外を眺めていた黄雷猿に、

「一つ聞きたい。ザシコの結婚式と母の体調変化は……」

と質問をしている最中、その質問を遮るようにザシコが

「よし、あのアンポンタンどもをつぶしにいくぞ!」

と未だかつてないほど髪の毛が逆立って近寄りがたい姿になっていた。

となると挑発通り行くしかないのか……僕が生まれた熊本へ!!!!
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