120 / 129
《一方的な婚約者》
伝令
しおりを挟む
いつもの朝、朝食を取り歯を磨き、居候たちへと飯を運ぶ。なんとも平和だ。灯蛾の一件以来、ザシコは目を覚まし、殺人事件も解決。現実と乖離し過ぎてたからだろうか、とても平和だ。そう思いつつ自室のドアを開けると如何にもショタコンが喜びそうな子がチョコンと正座で座っていた。
「あの………誰?」
「あっ、拙者『孝之助』と申します!勝手にお邪魔してすみません。窓が開いていたものですから入らせて頂きました!!」
(いや、丁寧に説明してるけど物凄いこと言ってるぞこの子……)
「まぁいいではないか、窓でもドアでも一緒じゃ」
(何故主導権がザシコに……)
「はぁ。で、え~っと、孝之助君。君は何しにここへ?」
「そうでした!ザシコ様に御伝令を!」
「ザシコに?」
「はい!え~ザシコ様、この度は急な伝令申し訳ない。結納の儀の日時についてお知らせしようと思いまして。日時は三週間後ですぅ」
「三週間後ですって!?」
高白虎は血相を変えて毛が逆立ち、今にも家の中をめちゃくちゃにしそうな顔をしていた。
ここで黄雷猿が意外な言葉を発した。
「俺もザシコ様があのクソと婚姻するのは反対だぜ。前まではどっちでも良かったけどよ。今のザシコ様を見てると幸せそうに見えるからよ。俺様的にはもう少し見てみたいんだ」
「黄雷猿……お前……」
「言っとくがお前はどうでもいい」
「はいはい」
少し照れてる黄雷猿が少し可愛く見えた。
「碧聖鳥はどうなんだ?」
「私ですか?そうですねぇ……酒菊丸を殺すというのは?一気に解決しますよ!」
その瞬間、孝之助の殺気が部屋を覆い尽くした。
「勝てるわけがねぇと分かってても聞き捨てならねぇ台詞だ。取り消せ」
孝之助の瞳は瞬きをせず碧聖鳥をじっと見つめていた。碧聖鳥は翼を一度大きく広げ、臨戦体制に入ろうとした。その時、ザシコが間に入った。
「こちらが悪い。今の失言、碧聖鳥に代わり詫びよう」
この言葉で一気に場の緊張感が和らいだ。
「助かりますぅ、危うく皆殺ししてしまうところでした笑」
孝之助はケラケラ笑うが目が笑っていない。仮に酒菊丸様というボスの側近だ。侮れない。
「今回はこれで。準備しておいてくださいねぇ」
そう言うと孝之助は蜃気楼のようにゆらゆらと消えた。
その時珍しく全員が揃って言った。
「くたばれこのクソがっ!!」
「あの………誰?」
「あっ、拙者『孝之助』と申します!勝手にお邪魔してすみません。窓が開いていたものですから入らせて頂きました!!」
(いや、丁寧に説明してるけど物凄いこと言ってるぞこの子……)
「まぁいいではないか、窓でもドアでも一緒じゃ」
(何故主導権がザシコに……)
「はぁ。で、え~っと、孝之助君。君は何しにここへ?」
「そうでした!ザシコ様に御伝令を!」
「ザシコに?」
「はい!え~ザシコ様、この度は急な伝令申し訳ない。結納の儀の日時についてお知らせしようと思いまして。日時は三週間後ですぅ」
「三週間後ですって!?」
高白虎は血相を変えて毛が逆立ち、今にも家の中をめちゃくちゃにしそうな顔をしていた。
ここで黄雷猿が意外な言葉を発した。
「俺もザシコ様があのクソと婚姻するのは反対だぜ。前まではどっちでも良かったけどよ。今のザシコ様を見てると幸せそうに見えるからよ。俺様的にはもう少し見てみたいんだ」
「黄雷猿……お前……」
「言っとくがお前はどうでもいい」
「はいはい」
少し照れてる黄雷猿が少し可愛く見えた。
「碧聖鳥はどうなんだ?」
「私ですか?そうですねぇ……酒菊丸を殺すというのは?一気に解決しますよ!」
その瞬間、孝之助の殺気が部屋を覆い尽くした。
「勝てるわけがねぇと分かってても聞き捨てならねぇ台詞だ。取り消せ」
孝之助の瞳は瞬きをせず碧聖鳥をじっと見つめていた。碧聖鳥は翼を一度大きく広げ、臨戦体制に入ろうとした。その時、ザシコが間に入った。
「こちらが悪い。今の失言、碧聖鳥に代わり詫びよう」
この言葉で一気に場の緊張感が和らいだ。
「助かりますぅ、危うく皆殺ししてしまうところでした笑」
孝之助はケラケラ笑うが目が笑っていない。仮に酒菊丸様というボスの側近だ。侮れない。
「今回はこれで。準備しておいてくださいねぇ」
そう言うと孝之助は蜃気楼のようにゆらゆらと消えた。
その時珍しく全員が揃って言った。
「くたばれこのクソがっ!!」
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる