あの日の後悔と懺悔とそれと

ばってんがー森

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傍観者の暴走

あえての

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本来二手に分かれた方が得策だが、蜂鳥君には色々聞いておきたいことが山ほどあった。だから蜂鳥君に付いていくことにした。先輩は肩慣らしなんだろうか、壁を殴りては独り言をぶつぶつ言っている。

「なっ、なんでついてくるん??」

「いや、蜂鳥いや、飛竜院扇貴君」 

「・・・!?」

「少し調べたんだよ(ザシコがだけども)。ある派閥に秘密を握られて言われるがままになっている御三家のうちの一人が『飛竜院家』。その身内から一人行方不明の男の子がいると……それが君だね?」


蜂鳥君は何も答えなかった。しかし、僕は

「そんなゴタゴタが嫌で家を出たと?でも誇り高き「飛竜院」の名はどうする?「飛竜院」の名から自由になれたのも事実だとしても、未練はあるんじゃない?」

「誇り高いなんて……おだてんなや、はずかしくなるやないか。」

と顔を赤くして僕の肩を扇子でパシッと叩いて照れ隠しをした。

(あれ?意外とチョロい??)

そう思った時、低い怒声が体育館に響き渡った。



「仙華ダイナマイッ」

それは突然のことで、誰も反射できなかった………特殊な僕を除いて。


ばごぉぉぉぉぉぉぉぉぶぉぉぉぉぉぉぉ!!!

半端じゃない瓦礫と爆風が二人を襲ったはずだった。しかし、瓦礫以外にそれらしき姿はなく、後ろには二人の後輩。

二木(このモードは尻上がりな所があるなぁ……それが命取りになるかも……(´-ω-`))

蜂鳥(驚いた……今の仙華ダイナマイトは少なくとも手加減はしておった……とはいえ、今、僕達は無傷で彼の背後を取っておる………)

僕は不満タラタラで文句を言った。

「鬼ごっこなんですからもう少しマイルドにしてくださいよ」

すると蜂鳥君も続いて文句を言った。

「そうっすよ!いくら鬼ごっこと言えども、礼儀がなっておらんですよ!」

(えっ?そこ?)


「あああああああああああああああああああああっはははははははははははは。君たちは勘違いしている。俺を楽しませる。それが目的の鬼ごっこ………よく分かっていなかったのなら、こちらのミスだ、申し訳ない」

仙華先輩が頭を下げるに連れて、僕たちも(いえいえ)とペコリした。

そして仙華先輩は天井を見上げこう語り出した。

「世の中ルール、ルール、ルール。君たちはどう思う?」

まず僕が答えた。

「ルールとは、如何に世の中で生きていき易くするために、様々な出来事を踏まえて作った決まり事や倫理みたいな物じゃないでしょうか?法律をもっと噛み砕いて分かりやすくしたような。すみません、そんな感じです。あとルールというやつを破る人は漏れなく世間から爪弾きにされますよね」


蜂鳥君は「家柄のこともあって、自分のしてることはルール範囲外なんやろなって思います。それでも、そのことでトラブルが起きたわけちゃいます。ルールに守られている人もいるので、それはそれでええのでは?とは思いますね。以上です」



仙華は服を脱ぎ捨て指を鳴らした。

「くそおぼっちゃまと非力な人間。鬼ごっこはやめだぁ!!!これより先、俺は命をかけてお前らを殺す」

(空気が変わった。蜂鳥君との戦闘とは比べ物にならないなこりゃ……)


上から声がした

菖蒲さん『安心してぶつけてこいや!あとはなんとかしちゃる』

僕は親指を立てて仙華先輩の方を向いた。まさか鬼ごっこからここまでになるとは………


仙華先輩が合図を出す  「さぁん!!!」

身体中のエネルギーを電気にゆっくり変化させた。

「はぁ、しゃーない。飛竜院の名に戻しちゃる」

蜂鳥君は「蜂鳥」の名を捨て「飛竜院」に変え、その事で使用できる武器もグレードアップするそうだ。何より顔つきが違う、まるでどこかの当主だ。雰囲気が凍てつくのが感覚で分かる。


「にぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」


館内は静まり返る。



「いちぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃい!!!」


それぞれの体の動きに服の擦り、ここまで集中したことあったかというくらいの圧。


そしてゴングが鳴らされた。



「ぜぇいいろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおぉぉぉ!」
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