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傍観者の暴走

四者会談

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「恐らく其奴は悪い奴ではないだろうな、キモいだけで」

碧聖鳥(へきせいちょう)が言った。続けて

「悪い奴ではない、が、この『鬼ごっこ』には何か裏があると見た方がまだ妥当だな」

「俺もそれに一理賛成」

頭に腕間を組みながら黄雷猿(こうらいえん)は呟い

高白虎(たかびゃっこ)は

「でも悪気がないと言う事を前提にするなら、何か暗示みたいなのが隠されているのかも……」

黄雷猿(こうらいえん)は

「かぁっ。白虎(びゃっこ)は良い方に捉えすぎだわ。いきなり『鬼ごっこ』を仕掛けて来る奴だぜ?まともな奴じゃねぇよ」

(全員説得力があるが、こんな時、ザシコだったらどう言うのだろうか……)

はっと目が覚め自分のほっぺをビンタした。いつのまにかザシコ頼みになっている。そのせいでこうなってしまったんだ。

「あの……誰か付いてきてくれるの??」

「はぁ、我々はザシコ様の身を守らねばならない。あいにくまだ貴様は認めてないのでな。ザシコ様が信頼してるから生かしている。ありがたく思へ。」

「ですよね~……」

「ただ、こうやって作戦会議に参加してやっているじゃねぇか。ありがたく思へよ。」

(神ってやつは口が汚く高圧的だな……)


「とにかく、体育館を指定してきたんだ。何かしらあるはず」

すると碧聖鳥(へきせいちょう)は

「あの、マコが悪気がなさそうなやつというのは信じる。でも狭い体育館で、しかも二人相手に逃げ切れるとは言い難いです」

そこで僕はピンときた

「能力……か」

「うん」

てことは………

「もう一人のヤローもなんかあんじゃない?」

ケツをぼりぼり掻きながら黄雷猿(こうらいえん)は提言した。

そうなると仙華vs僕vsもう一人の個人戦。あくまで一人脱落するように仕組んであるのか!!

黄雷猿(こうらいえん)から

「聞いたぜ、少しだけ能力開花したんだけか?」

「あれは咄嗟のことであまり覚えていないんだ」

そう言って僕は手を開いたり握ったりした。すると高白虎(たかびゃっこ)が

「1と0は違います。経験した者と経験しなかった者の差は比べものなりません。あとは練習あるのみです」

「と言っても?」

「同じ電撃系統とお聞きしました。なら黄空猿が丁度いいでしょう。速さもパワーも。」

黄雷猿(こうらいえん)はとても慌てた様子で

「ちょちょちょちょちょちょ待ってくれよ!なんでこんなかクソガキの練習に付き合わなきゃならねぇんだよ。」

そこで碧聖鳥(へきせいちょう)があるものを取り出した。

黄雷猿(こうらいえん)は顔面が真っ青になった。

「そ、それは……なぜ……」

「彼の練習に付き合ってあげたら返すわ」

「お~ぼ~え~と~け~よ~」

黄雷猿(こうらいえん)は怒りで満ちていた。

そこに高白虎(たかびゃっこ)が肩をポンと叩いて

「ザシコ様を守れる力を手に入れなければ●しますよ?」

「ああ、そのつもりだよ」

碧聖鳥(へきせいちょう)の両翼が作った青白い輪っかを抜けるとそこは草原が広がっていた。
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