104 / 129
無慈悲なゴング
傍観者の引退
しおりを挟む
(革派の羅豪?聞いた事がない名前だ。でも菖蒲さんが問い詰めるくらいだから余程の大物だろう。それに酒菊丸って……)
豪場はニヤッと笑い
「教えるかよバーカ」
と血を菖蒲さんに吹きかけた。が、いつの間にか菖蒲さんは彼の後ろにいた。
「ダメだよ~、ただでさえ血がドバドバ出てんのに。まぁ、その反応からするに僕の考えはビンゴだったわけだ。じゃ、最後の質問、楽に逝く?苦しんで逝く?」
まさに究極の二択が菖蒲さんの口から発せられようとは!普段の温厚な彼を知ってる分、ショックは大きかった。
豪場は最後の捨て台詞をここぞとばかりに吐いた。
「俺は死なない。何故ならたくさん命を奪ってきたからだ。殺した分だけストックが貯まる。まさしく最強の宗教!クジャ鳳教は偉大だ!お前も入るといい。助けてやらせるなら紹介しよう、なあブラザー。」
「くだらねぇ」
「あっ?」
僕は思わず口ずさんでしまった。
「テメェ、もっぺん言ってみろ!!」
「何回も言いたいのは山々だが、アンタはもうすぐ死ぬみたいだし。二度言うのも面倒。どうやらアンタは人間ではないみたいだけど、僕から見ると『命』はある。なのに『命』の大切さに気づけないアンタが堪らなく可哀想だ。誰にとってもにとって『命』ってのは尊く脆い物なんだ。不慮の事故で亡くなる方もいれば、病気で亡くなる方もいる。そうならないために日々いろんな事に気をつけて生きている。常に『命』を自分で守りながら日々を過ごす、それが『人生』なんじゃないのか!!老若男女関係ねぇ、人間舐めんなよ畜生!!!」
「だとよ、どうよ豪場」
菖蒲さんがヘラヘラしながら聞いた。
「悪いな、俺は……クジャ鳳教だ!今すぐにでもお前の心臓を突き刺してやりたいねぇ。そうすれば『命』のストックができる」
豪場はニヤけながら言った。
「まっ、と言うわけだ二木君。宗教というものは生きがいにもなっている。だから世の中争いが終わらんのよね。さてと、君はこいつの結末を見る覚悟はあるかい?」
僕は大きく頷いたが、ザシコは
「見てはならぬ!!マコ!目を閉じろ!!マコォォォォォォォ!!」
ザシコの咆哮も虚しく、菖蒲さんは豪場の首をもぎ取った。僕は一つの動作も忘れないように目に焼き付けた。
もう傍観者は嫌なんだ。その思いだけで、うつ向いた顔を上げてその光景を見ていた。
数日後、帰宅する電車の中で菖蒲さんに質問をぶつけた。
「ザシコはさ、あの場で豪場に勝ったけど、その前はボロボロだったんだ。何でだと思います?」
僕の素直な疑問だった。
『ザシコに神三体。余裕で勝てる気がするのが普通だと思う。それなのにまるで圧倒的に負けたかの様にボロボロになって帰ってきた』
その質問に対して菖蒲さんは
「『条件下』が関係してたのかもね。豪場って案外足が速くてさ。一度逃すと二木君達の元に来て危害を加える可能性がある。それを考慮して敢えてその場でやられたフリをしてたのかも。現に二木君の家を知ってたわけだし」
なるほどと思った。トンネルに入ると窓に菖蒲さんのニコッとした顔が映っていた。僕は敢えて窓に映る菖蒲さんに笑顔で応えた。
豪場はニヤッと笑い
「教えるかよバーカ」
と血を菖蒲さんに吹きかけた。が、いつの間にか菖蒲さんは彼の後ろにいた。
「ダメだよ~、ただでさえ血がドバドバ出てんのに。まぁ、その反応からするに僕の考えはビンゴだったわけだ。じゃ、最後の質問、楽に逝く?苦しんで逝く?」
まさに究極の二択が菖蒲さんの口から発せられようとは!普段の温厚な彼を知ってる分、ショックは大きかった。
豪場は最後の捨て台詞をここぞとばかりに吐いた。
「俺は死なない。何故ならたくさん命を奪ってきたからだ。殺した分だけストックが貯まる。まさしく最強の宗教!クジャ鳳教は偉大だ!お前も入るといい。助けてやらせるなら紹介しよう、なあブラザー。」
「くだらねぇ」
「あっ?」
僕は思わず口ずさんでしまった。
「テメェ、もっぺん言ってみろ!!」
「何回も言いたいのは山々だが、アンタはもうすぐ死ぬみたいだし。二度言うのも面倒。どうやらアンタは人間ではないみたいだけど、僕から見ると『命』はある。なのに『命』の大切さに気づけないアンタが堪らなく可哀想だ。誰にとってもにとって『命』ってのは尊く脆い物なんだ。不慮の事故で亡くなる方もいれば、病気で亡くなる方もいる。そうならないために日々いろんな事に気をつけて生きている。常に『命』を自分で守りながら日々を過ごす、それが『人生』なんじゃないのか!!老若男女関係ねぇ、人間舐めんなよ畜生!!!」
「だとよ、どうよ豪場」
菖蒲さんがヘラヘラしながら聞いた。
「悪いな、俺は……クジャ鳳教だ!今すぐにでもお前の心臓を突き刺してやりたいねぇ。そうすれば『命』のストックができる」
豪場はニヤけながら言った。
「まっ、と言うわけだ二木君。宗教というものは生きがいにもなっている。だから世の中争いが終わらんのよね。さてと、君はこいつの結末を見る覚悟はあるかい?」
僕は大きく頷いたが、ザシコは
「見てはならぬ!!マコ!目を閉じろ!!マコォォォォォォォ!!」
ザシコの咆哮も虚しく、菖蒲さんは豪場の首をもぎ取った。僕は一つの動作も忘れないように目に焼き付けた。
もう傍観者は嫌なんだ。その思いだけで、うつ向いた顔を上げてその光景を見ていた。
数日後、帰宅する電車の中で菖蒲さんに質問をぶつけた。
「ザシコはさ、あの場で豪場に勝ったけど、その前はボロボロだったんだ。何でだと思います?」
僕の素直な疑問だった。
『ザシコに神三体。余裕で勝てる気がするのが普通だと思う。それなのにまるで圧倒的に負けたかの様にボロボロになって帰ってきた』
その質問に対して菖蒲さんは
「『条件下』が関係してたのかもね。豪場って案外足が速くてさ。一度逃すと二木君達の元に来て危害を加える可能性がある。それを考慮して敢えてその場でやられたフリをしてたのかも。現に二木君の家を知ってたわけだし」
なるほどと思った。トンネルに入ると窓に菖蒲さんのニコッとした顔が映っていた。僕は敢えて窓に映る菖蒲さんに笑顔で応えた。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた
楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。
この作品はハーメルン様でも掲載しています。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
女豹の恩讐『死闘!兄と妹。禁断のシュートマッチ』
コバひろ
大衆娯楽
前作 “雌蛇の罠『異性異種格闘技戦』男と女、宿命のシュートマッチ”
(全20話)の続編。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/329235482/129667563/episode/6150211
男子キックボクサーを倒したNOZOMIのその後は?
そんな女子格闘家NOZOMIに敗れ命まで落とした父の仇を討つべく、兄と娘の青春、家族愛。
格闘技を通して、ジェンダーフリー、ジェンダーレスとは?を描きたいと思います。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる