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四葉のクローバー
じゃあねの勘
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大声を上げた事にザシコはビックリしたようだった。
「どうしたのじゃ!!」
僕の服を引っ張りながら鬼気迫る顔で聞いてきた。なので、スピーカー機能を使って雪見と電話した。
「ど、どうしたの真人君……ビックリしちゃったよ!!」
「今、何しようとしてた?怒鳴った事はごめん。何しようとしてた?怒らんから」
すると受話器から泣き声が聴こえる。それも僕が上げた怒鳴り声よりも大きい声で。
「雪見。落ち着いて、落ち着いてから話そう。ね?それまで電話は切らないでおくから」
それから約10分位、泣き声が聞こえた。そんな中でも僕は冷静だった。
(電話料金ヤバいなぁ……)
待っている間はザシコとコソコソと、どういう状況なのか、どうしようか話した。
「ま、真人君?いる?」
「いるよ!少しは落ち着いた?」
「うん」
その声はかなり掠れていた。その頷きの直後、雪見から質問があった。
「何で、私が自殺しようとしてるって思ったの?」
「ん~、何でだろうなぁ。雪見の『じゃあね』が全然『じゃあね』じゃなかったからかな」
「ちょっとよく分かんないよ(笑)」
「ん~とね~。また会うからこその『じゃあね』なのに、雪見のは『サヨウナラ』って感じた。ん~そういう感じとしか言いようがないな(笑)」
ザシコはお茶を飲みながら
「此奴のこういう所は理解できないが、それがまた良いんじゃけどの」
とホッホッホッと笑っていた。
「じゃあ今、私がいる場所ってどこだかわかる?」
「どこだろう?あんだけわんわん泣いてたら、誰かしら声かけてくるだろうし……家じゃないかな?」
「正解!凄いね!じゃあもう一個いい?」
「いいけど……(電話料金が……)」
「どうして駅だと思わなかったの?」
「どうしてか……今思い返せば何でだろうね?思わなかったからかな、ごめん」
「ふふふっ、真人君らしい答えね」
「とにかく今度会う時、『解決』しよう。これは約束!」
「『解決』って?何かあるの?」
「とにかく約束して欲しい。もう、悪夢は終わりにしたいんだ」
「よくわからないけど……約束するわ。お願い、一緒に『解決』して!」
「約束してくれてありがとう、じゃあ、『三日後』ね!」
僕は語気を強くして言った。
「うん、じゃあ……『三日後』ね!」
電話を切った後、フーッと息を吐きながらベッドに横たわるとザシコが顔を覗き込んだ。全身の力が抜け、顔もフニャッとなりつつも
「な、なんとか繋げたよ」
とザシコに報告した。
「聞こえておったよ。ようやった。最後の『どうして駅と思っておらんかったのか?』の答え……本当は分かっとったろ?」
「……まぁ、自殺するなら、雪見なら菜央さんと同じ場所で自殺すると思う。でも、受話器から電車関連の雑音が聞こえてこなかったし、『あの駅』へは電車で行かないと無理だしさ。それと電車の中で電話するほど雪見はマナー違反する人じゃないしね。あとはさっき雪見に言った通りだよ。『勘』さ『勘』」
「仮にマコから電話がなかったら、あの娘は自殺したと思うか?」
「いーや、しなかったと思う。だって電話した時に出るのがものすごく早かったもん。恐らくだけど、『誰か』にメールか電話しようと携帯を手に持ってたんじゃないかな?」
一通り僕の推察を聞いたザシコは、僕の両頬を摘みこう言った。
「全くマコはそこまで慌てふためくか!という時もあれば、冷静すぎるというほど達観している時もある。どーいうことじゃ!」
「ひはゃ、ほふにいはれへも(いや、僕に言われても)」
ザシコは僕の頬を離した後、おでこをくっつけてこう問うた。
「終わらせる覚悟は?」
僕はおでこをグイッと押し返してこう答えた。
「あるよ、もちろん!」
「どうしたのじゃ!!」
僕の服を引っ張りながら鬼気迫る顔で聞いてきた。なので、スピーカー機能を使って雪見と電話した。
「ど、どうしたの真人君……ビックリしちゃったよ!!」
「今、何しようとしてた?怒鳴った事はごめん。何しようとしてた?怒らんから」
すると受話器から泣き声が聴こえる。それも僕が上げた怒鳴り声よりも大きい声で。
「雪見。落ち着いて、落ち着いてから話そう。ね?それまで電話は切らないでおくから」
それから約10分位、泣き声が聞こえた。そんな中でも僕は冷静だった。
(電話料金ヤバいなぁ……)
待っている間はザシコとコソコソと、どういう状況なのか、どうしようか話した。
「ま、真人君?いる?」
「いるよ!少しは落ち着いた?」
「うん」
その声はかなり掠れていた。その頷きの直後、雪見から質問があった。
「何で、私が自殺しようとしてるって思ったの?」
「ん~、何でだろうなぁ。雪見の『じゃあね』が全然『じゃあね』じゃなかったからかな」
「ちょっとよく分かんないよ(笑)」
「ん~とね~。また会うからこその『じゃあね』なのに、雪見のは『サヨウナラ』って感じた。ん~そういう感じとしか言いようがないな(笑)」
ザシコはお茶を飲みながら
「此奴のこういう所は理解できないが、それがまた良いんじゃけどの」
とホッホッホッと笑っていた。
「じゃあ今、私がいる場所ってどこだかわかる?」
「どこだろう?あんだけわんわん泣いてたら、誰かしら声かけてくるだろうし……家じゃないかな?」
「正解!凄いね!じゃあもう一個いい?」
「いいけど……(電話料金が……)」
「どうして駅だと思わなかったの?」
「どうしてか……今思い返せば何でだろうね?思わなかったからかな、ごめん」
「ふふふっ、真人君らしい答えね」
「とにかく今度会う時、『解決』しよう。これは約束!」
「『解決』って?何かあるの?」
「とにかく約束して欲しい。もう、悪夢は終わりにしたいんだ」
「よくわからないけど……約束するわ。お願い、一緒に『解決』して!」
「約束してくれてありがとう、じゃあ、『三日後』ね!」
僕は語気を強くして言った。
「うん、じゃあ……『三日後』ね!」
電話を切った後、フーッと息を吐きながらベッドに横たわるとザシコが顔を覗き込んだ。全身の力が抜け、顔もフニャッとなりつつも
「な、なんとか繋げたよ」
とザシコに報告した。
「聞こえておったよ。ようやった。最後の『どうして駅と思っておらんかったのか?』の答え……本当は分かっとったろ?」
「……まぁ、自殺するなら、雪見なら菜央さんと同じ場所で自殺すると思う。でも、受話器から電車関連の雑音が聞こえてこなかったし、『あの駅』へは電車で行かないと無理だしさ。それと電車の中で電話するほど雪見はマナー違反する人じゃないしね。あとはさっき雪見に言った通りだよ。『勘』さ『勘』」
「仮にマコから電話がなかったら、あの娘は自殺したと思うか?」
「いーや、しなかったと思う。だって電話した時に出るのがものすごく早かったもん。恐らくだけど、『誰か』にメールか電話しようと携帯を手に持ってたんじゃないかな?」
一通り僕の推察を聞いたザシコは、僕の両頬を摘みこう言った。
「全くマコはそこまで慌てふためくか!という時もあれば、冷静すぎるというほど達観している時もある。どーいうことじゃ!」
「ひはゃ、ほふにいはれへも(いや、僕に言われても)」
ザシコは僕の頬を離した後、おでこをくっつけてこう問うた。
「終わらせる覚悟は?」
僕はおでこをグイッと押し返してこう答えた。
「あるよ、もちろん!」
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