77 / 129
四葉のクローバー
収穫の報告
しおりを挟む
自宅に着くとシャワーを浴びて汗を流し、ザシコを部屋から呼んで、一緒に夕食をとった。
「ほう、今日のおむすびは色とりどりじゃの。ええ事でもあったんか?」
「一応ね。この前のお地蔵様のところに行ってきたんだ」
「病院へ行ったんじゃなかったのか?」
「行ったよ。でも兄貴が来て部屋が狭くなるから先帰っとけってお金もらってさ」
「父上は流石じゃの!」
「あぁ、流石というか何というか。いつもの親父って感じが凄いよ」
「……色々とお前さんに気を遣ってくれてるんじゃな」
「うん。そのおかげで収穫があったから、とてもありがたいよ。収穫がなくてもありがたいけどね(笑)」
ザシコはおむすびを食べてる最中に気が付いた。
「お主、これはなんじゃ……」
「ふふふふ。それはね……肉味噌!」
「肉味噌とな!?ほう……素晴らしい組み合わせじゃ!美味い!」
「瓶詰めのやつだけど美味いんだ。他もあるみたいだから今度選んで作ってみるよ!」
「楽しみにしとるぞ!」
ザシコはニコニコして他のおむすびをたいらげ、お茶をズズズッと飲んだ後、「ふぅ」と一息吐いて僕の顔を見た。
「さて、それでは『収穫』とやらを話してもらおうかの」
僕はポケットから菜央さんの祖父母から預からせてもらった『ある物』を取り出した。
「これは……。何か役に立つんじゃろうな?」
ザシコは「ある物」を手に取り、じっと見つめながら言った。その言い方は、僕を信用しているが、何のためなのか意図が読めなく、疑いの念が少しあるような感じだった。
「あぁ、菜央さんの仏壇に備えられていたんだ。『それ』を見た時、ピンときたんだ。雪見を動かすにはこれしか無いって」
僕は「それ」を指差して、ザシコの目の奥を見るように目を合わせた。僕には確かな根拠はないけど本気度が伝わったのか、ザシコは
「うむ、よかろう。どうして「それ」なのかはあえて聞かん。マコ、「それ」を玉手箱にするんじゃぞ?」
ザシコはニヤリとした。どうやらこちらの思惑は大体読めたらしい。流石日頃から一緒にいるだけはある。
「よし、『恐山への行き方と帰り方』、『雪見の心を救う方法の大部分』は揃ったとして、『高部から天邪鬼を出す方法』と『倒し方』。どうしたものか……」
僕的にはそこが一番悩みどころだったが、そのような悩みを解決してくれる頼もしい「座敷童子様」がいる。
「ワシに任せろ」
お茶を飲み干して、ダンッと湯呑みを置き、ザシコはそう言った。
「ほう、今日のおむすびは色とりどりじゃの。ええ事でもあったんか?」
「一応ね。この前のお地蔵様のところに行ってきたんだ」
「病院へ行ったんじゃなかったのか?」
「行ったよ。でも兄貴が来て部屋が狭くなるから先帰っとけってお金もらってさ」
「父上は流石じゃの!」
「あぁ、流石というか何というか。いつもの親父って感じが凄いよ」
「……色々とお前さんに気を遣ってくれてるんじゃな」
「うん。そのおかげで収穫があったから、とてもありがたいよ。収穫がなくてもありがたいけどね(笑)」
ザシコはおむすびを食べてる最中に気が付いた。
「お主、これはなんじゃ……」
「ふふふふ。それはね……肉味噌!」
「肉味噌とな!?ほう……素晴らしい組み合わせじゃ!美味い!」
「瓶詰めのやつだけど美味いんだ。他もあるみたいだから今度選んで作ってみるよ!」
「楽しみにしとるぞ!」
ザシコはニコニコして他のおむすびをたいらげ、お茶をズズズッと飲んだ後、「ふぅ」と一息吐いて僕の顔を見た。
「さて、それでは『収穫』とやらを話してもらおうかの」
僕はポケットから菜央さんの祖父母から預からせてもらった『ある物』を取り出した。
「これは……。何か役に立つんじゃろうな?」
ザシコは「ある物」を手に取り、じっと見つめながら言った。その言い方は、僕を信用しているが、何のためなのか意図が読めなく、疑いの念が少しあるような感じだった。
「あぁ、菜央さんの仏壇に備えられていたんだ。『それ』を見た時、ピンときたんだ。雪見を動かすにはこれしか無いって」
僕は「それ」を指差して、ザシコの目の奥を見るように目を合わせた。僕には確かな根拠はないけど本気度が伝わったのか、ザシコは
「うむ、よかろう。どうして「それ」なのかはあえて聞かん。マコ、「それ」を玉手箱にするんじゃぞ?」
ザシコはニヤリとした。どうやらこちらの思惑は大体読めたらしい。流石日頃から一緒にいるだけはある。
「よし、『恐山への行き方と帰り方』、『雪見の心を救う方法の大部分』は揃ったとして、『高部から天邪鬼を出す方法』と『倒し方』。どうしたものか……」
僕的にはそこが一番悩みどころだったが、そのような悩みを解決してくれる頼もしい「座敷童子様」がいる。
「ワシに任せろ」
お茶を飲み干して、ダンッと湯呑みを置き、ザシコはそう言った。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる