あの日の後悔と懺悔とそれと

ばってんがー森

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四葉のクローバー

星空の下の会議

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菖蒲さんと別れてから色々考えた。雪見と川名の鎖は同時に切れるようなシチュエーションの方が良いのか。はたまた、個別で対応していくべきなのか。悩みに悩んだ。するとザシコからの横蹴りが入った。

「な~にを悩んでおろうかバカチン。さっき菖蒲との会話はどうした!それにおまえさん、器用じゃないのじゃから一つ一つ解決せい!まずは『雪見』じゃろうがぁぁぁぁぁぁ!!」

あまりの迫真さに僕は

「はい」

としか言えなかった。確かに、雪見には悪いけど『鎖』の総本山は雪見だと考える。というわけで雪見の件を解決すれば、僕も山名の鎖も切れる、確証はないけど、確率は高い。となると『雪見』攻略が最優先。雪見の気持ちをこの前鎌倉で聞いてから、鎖が二、三本切れた。だが、まだ絡み付いている。その奥がある。僕は確信した。

「お~い」

ザシコが僕の顔の前でずっと手を振っていた。

「お~~~い。お~~~い」

「あっ、ごめん、ぼーっとしたった(笑)」

「しっかりするのじゃ!雪見攻略するんじゃろ?」

「あんまり攻略って使いたくないなぁ」

「と・も・か・く!なるべく短期間で勝負をつけようぞ!」

短期間……後何回夏休み中に会えるのであろうか、そして、解決できるチャンスは何回あるのだろうか。失敗イコール『死』。慎重に、かつ積極的に行けるところはいく。人生をかけた勝負だ。とはいえ、雪見が抱えているものを吐露させれば良いと考えていた僕は、それ以上のことが思いつかない。やはり、亡くなられた方にまつわることが『Key』だと思う。そこをどう雪見から聞き出せるか。勝負どころだ。

寝る前に珍しくザシコが僕の布団の中に入ってきた。

「寝返りの時潰しちゃうよ?(笑)」

「大丈夫じゃ!マコはそんなことせん」

「なんの根拠やら」

「時にお主よ、ワシが考えたんだが聞く気はあるか?」

「聞こうかな」

二人は天井を眺めながら話し出した。

「おそらく理想としては自殺した中学生と雪見を合わせることが一番だと思う」

「それは現実的ではないけど、僕も考えたよ」

「どうも前から引っかかっていた自殺する前の『嬉しかったことが二つから三つになった』という言葉じゃ」

「1つ目が雪見、二つ目がわからん。三つ目がバイク小僧」

「となると『二つ目』は何か、ということか」

「じゃな」

「バイク小僧ほどかはわからないが、其奴も惚れていたんだ」

しばらくの沈黙の後、ザシコと僕はハモッて言った。

「高部弘康」

こいつがどうなっているのか、雪見の性格なら気にするはずだろうな

雪見に急いでメールした


「こんばんは、遅くにごめんね!この前デートで色々行ったけど、今回は海辺でのんびりしない?」



とすると二分もしないうちに

「二日後だったら良いよ(^ω^)」

と返信がきた。

(可愛いなぁ……じゃあねぇ!!このことをザシコに伝えないと……でも眠気が……
明日でいいや。むにゃむにゃ)

まあ、夜だし、仕方ない。とにかく明日、良いアイディアが出ますようにと願いながら深い眠りについた。
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