62 / 129
四葉のクローバー
星空の下の会話1
しおりを挟む
次の日、前日に菖蒲さんにこんなメールを送っておいたことを思い出した。
「夕方に、家の前の公園でお話しできませんか??」
すると菖蒲さんは
「良いっすよ!二木君の介護が終わった後が、タイミング的に時間とか気にしなくて良いと思うから、二十時、二十一時頃は如何?」
とお気遣いのメールが来た。さすがは菖蒲さんだ。
「お言葉に甘えて、その時間にお願いしようかな?笑」
何故、このタイミングで菖蒲さんと会おうと思ったのか。それは正直自分の直感というしかないであろう。菖蒲さんだったら何かいいヒントをもらえる気がする。そして川名のバイクでの件も引っかかる事があるし。
一通りの介護を親父にこれでもかというくらいアピールしまくった僕は、親父に一時間くらいなら話してきて良いよとの許可を頂いた。
「ワシも連れて行け!」
としつこいのでザシコも連れて行くことにした。
(まあ、見えないだろうし、無問題かな)
公園に着くとすでに菖蒲さんが待っていた。彼の美学はとにかく人を待たせない事……らしい。
「すいません、夜に呼び出してしまって」
「いえいえいえ、こちらこそ早くきてしまって!」
(ああ、なんで謙虚だ。世界が菖蒲さんだけなら戦争は起きないだろうな)
「とにかくブランコに座りながら話しません?」
「了解です!」
二人はブランコに座り、ゆらゆらしながら会話を始めた。
少しの沈黙の後菖蒲さんが言った。
「ザシコちゃん、二木君と上手くやってる??」
僕は顔がダイヤモンド並みに硬くなった。
「だ、っだっ誰のことをおっしゃられているのかしら?」
「えっ?ほら二木君にチョコンと座っている『座敷童子』だよ!ね~ザシコちゃん!」
「おう菖蒲、久方ぶりじゃな」
菖蒲さんは僕の顔を見て
「ねっ!お互い知ってるでしょ?」
とニコニコしていた。簡単な事柄なのではあるが、頭の中が良く分からなくなってきた。まず「なんで菖蒲さんはザシコを見ることができるのか?」「何でザシコと親しげなのか?」
僕は少しブランコを漕いで気持ちを落ち着かせた。そのあと質問をした。
「何でザシコが視えるの??それといつから?」
「なんで視えるかは秘密ですね(笑)」
すると横からザシコが
「んなもん、『菖蒲家の血筋』を引いとるからじゃて」
菖蒲さんは慌てて
「まま、そういう感じさ。いつからってのは二木くんと会った時からかな。何か小さい子がバッグから外眺めてるな~って」
僕は良く分からないけど一応了解した。そしてふと頭の中に「川名の件」での発言について問いただした。
「ああ、それは単純に二木君が落ち込んでる感じだったから、強制的でも明るくなればなと考えてたら川名君が来て教えてあげたって感じ。そこで『あんまり気を張らないようにね』って伝えてもらうように頼んだんだ!」
なるほど、さすが菖蒲さんだ。タイミングもバッチリ。最も神に近い存在なのかもしれないな。
関心にふけていると、菖蒲さんは
「で、何か僕に聞きたいことがあるんじゃなかったっけ?」
ハッと気づいて僕は、菖蒲さんに偽りのない疑問をぶつけてみた。
「夕方に、家の前の公園でお話しできませんか??」
すると菖蒲さんは
「良いっすよ!二木君の介護が終わった後が、タイミング的に時間とか気にしなくて良いと思うから、二十時、二十一時頃は如何?」
とお気遣いのメールが来た。さすがは菖蒲さんだ。
「お言葉に甘えて、その時間にお願いしようかな?笑」
何故、このタイミングで菖蒲さんと会おうと思ったのか。それは正直自分の直感というしかないであろう。菖蒲さんだったら何かいいヒントをもらえる気がする。そして川名のバイクでの件も引っかかる事があるし。
一通りの介護を親父にこれでもかというくらいアピールしまくった僕は、親父に一時間くらいなら話してきて良いよとの許可を頂いた。
「ワシも連れて行け!」
としつこいのでザシコも連れて行くことにした。
(まあ、見えないだろうし、無問題かな)
公園に着くとすでに菖蒲さんが待っていた。彼の美学はとにかく人を待たせない事……らしい。
「すいません、夜に呼び出してしまって」
「いえいえいえ、こちらこそ早くきてしまって!」
(ああ、なんで謙虚だ。世界が菖蒲さんだけなら戦争は起きないだろうな)
「とにかくブランコに座りながら話しません?」
「了解です!」
二人はブランコに座り、ゆらゆらしながら会話を始めた。
少しの沈黙の後菖蒲さんが言った。
「ザシコちゃん、二木君と上手くやってる??」
僕は顔がダイヤモンド並みに硬くなった。
「だ、っだっ誰のことをおっしゃられているのかしら?」
「えっ?ほら二木君にチョコンと座っている『座敷童子』だよ!ね~ザシコちゃん!」
「おう菖蒲、久方ぶりじゃな」
菖蒲さんは僕の顔を見て
「ねっ!お互い知ってるでしょ?」
とニコニコしていた。簡単な事柄なのではあるが、頭の中が良く分からなくなってきた。まず「なんで菖蒲さんはザシコを見ることができるのか?」「何でザシコと親しげなのか?」
僕は少しブランコを漕いで気持ちを落ち着かせた。そのあと質問をした。
「何でザシコが視えるの??それといつから?」
「なんで視えるかは秘密ですね(笑)」
すると横からザシコが
「んなもん、『菖蒲家の血筋』を引いとるからじゃて」
菖蒲さんは慌てて
「まま、そういう感じさ。いつからってのは二木くんと会った時からかな。何か小さい子がバッグから外眺めてるな~って」
僕は良く分からないけど一応了解した。そしてふと頭の中に「川名の件」での発言について問いただした。
「ああ、それは単純に二木君が落ち込んでる感じだったから、強制的でも明るくなればなと考えてたら川名君が来て教えてあげたって感じ。そこで『あんまり気を張らないようにね』って伝えてもらうように頼んだんだ!」
なるほど、さすが菖蒲さんだ。タイミングもバッチリ。最も神に近い存在なのかもしれないな。
関心にふけていると、菖蒲さんは
「で、何か僕に聞きたいことがあるんじゃなかったっけ?」
ハッと気づいて僕は、菖蒲さんに偽りのない疑問をぶつけてみた。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる