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三つ葉クローバー
華麗なる作戦会議前
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新しい帯をつけて大はしゃぎをしているザシコを横目に、僕は一人悩んでいた。
(雪見の問題も川名の問題もまだなのに、ばーちゃん達が来る!?ばーちゃん達が来ている間、ヘルパーさんの訪問も回数が減るよう親父が調整したみたいだし……。少しだけ抜け出すなんてできないよなぁ。ばーちゃん達はあくまで『お見舞い』だ。『お手伝い』をしに来たんじゃない!兄貴は仕事場に行って、二、三日経ったら帰るみたいな事を言っていたし……どうする……非常にマズい)
冷や汗が止まらない。さっきまでの幸せな時間を返してほしい。しかもなんだよ、兄貴もザシコ視えてたのかよ!!だったら言えよ!!帯で買収しやがって……でも、女の扱いが上手いのは竜之助なんだよなぁ……。
そうこう思いっていると目の前にはザシコが
「どうじゃ?綺麗で可愛かろうて!エヘへ」
「全く、ザシコしか似合わんよ、その着物と帯は」
「エヘヘヘヘヘ、そ、そうからかうでない!」
本当に綺麗だった。どうしてこんなカワイイ子が座敷童子になったのだろうか?聞こうと思ったが、この幸せな空間が壊れてしまう様な気がしたので止めた。
「ところでマコ、お前さん」
「ん?何?」
「さっき思い詰めておったろ。言うてみ!」
ザシコは機嫌が良い。それもそうか。
「いやね、これからばーちゃん達が来るって言ったじゃない?だからわざわざ熊本から来てくれるんだ。疲れてるだろうし、色々気を使わなきゃならない」
「ふむ、なるほどな」
「だから、雪見や川名の件に構ってられないんだよ……」
「……ダメじゃ!」
「えぇぇぇぇぇぇ!!今話聞いてた!?」
「聞いておったよ。じゃが、お爺様もお婆様も何日間この家におるのかまでは聞いとらんじゃろ。その間を無駄にはできん!まだここに来るまでに数日あるじゃろうが。川名を一回、呼び寄せるくらいはできようが」
(確かに、あいつならバイクがあるからすぐ来れそうな気がしないでもない)
「分かった。今すぐ川名にメール送ってみる」
「うむ」
僕は端的にメールを書いた。送信すると五分もかからないうちに返信が来た
『OK!明日の昼な!ぶっちぎるぜ!』
この返信をザシコと見て、ザシコはお煎餅を片手に
「作戦会議じゃ!!」
と高らかに宣言した。
(雪見の問題も川名の問題もまだなのに、ばーちゃん達が来る!?ばーちゃん達が来ている間、ヘルパーさんの訪問も回数が減るよう親父が調整したみたいだし……。少しだけ抜け出すなんてできないよなぁ。ばーちゃん達はあくまで『お見舞い』だ。『お手伝い』をしに来たんじゃない!兄貴は仕事場に行って、二、三日経ったら帰るみたいな事を言っていたし……どうする……非常にマズい)
冷や汗が止まらない。さっきまでの幸せな時間を返してほしい。しかもなんだよ、兄貴もザシコ視えてたのかよ!!だったら言えよ!!帯で買収しやがって……でも、女の扱いが上手いのは竜之助なんだよなぁ……。
そうこう思いっていると目の前にはザシコが
「どうじゃ?綺麗で可愛かろうて!エヘへ」
「全く、ザシコしか似合わんよ、その着物と帯は」
「エヘヘヘヘヘ、そ、そうからかうでない!」
本当に綺麗だった。どうしてこんなカワイイ子が座敷童子になったのだろうか?聞こうと思ったが、この幸せな空間が壊れてしまう様な気がしたので止めた。
「ところでマコ、お前さん」
「ん?何?」
「さっき思い詰めておったろ。言うてみ!」
ザシコは機嫌が良い。それもそうか。
「いやね、これからばーちゃん達が来るって言ったじゃない?だからわざわざ熊本から来てくれるんだ。疲れてるだろうし、色々気を使わなきゃならない」
「ふむ、なるほどな」
「だから、雪見や川名の件に構ってられないんだよ……」
「……ダメじゃ!」
「えぇぇぇぇぇぇ!!今話聞いてた!?」
「聞いておったよ。じゃが、お爺様もお婆様も何日間この家におるのかまでは聞いとらんじゃろ。その間を無駄にはできん!まだここに来るまでに数日あるじゃろうが。川名を一回、呼び寄せるくらいはできようが」
(確かに、あいつならバイクがあるからすぐ来れそうな気がしないでもない)
「分かった。今すぐ川名にメール送ってみる」
「うむ」
僕は端的にメールを書いた。送信すると五分もかからないうちに返信が来た
『OK!明日の昼な!ぶっちぎるぜ!』
この返信をザシコと見て、ザシコはお煎餅を片手に
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