42 / 129
三つ葉クローバー
勘
しおりを挟む
ザシコは話を聞きながら分析をしてくれてたらしい。
「まず、バイク小僧の話と娘の話は確実に繋がっている。そして、身投げした娘と関係がある。」
「うん……」
それは最初の『鎌倉』発言でなんとなく分かっていた。が、それ以降上手く聞き出せたものなのか……。自信なさげにそう答えると
「バカタレ、『腕時計』はどうした!」
そういえば、彼女は腕時計をしており、その腕時計の秒針は止まっていた。そして川名が話してくれた件にも『腕時計』の話がでていた。確かに『腕時計』は『共通点』だ。僕は些細な事でも問題解決に繋がるのであればと一生懸命思い出しながら考察した。そして、いくつかのワードを拾い上げて推測した。彼女は『高校では楽しく過ごしているよ』と言っていた。そうなると、問題があったのは『小学生』の時か『中学生』の時ではないか。更に、川名の『話』では『中学生』の時。そうなると『中学生』の時に何かあったと考えるのが最も可能性が高い。その考察をザシコに伝えた。するとザシコは
「流石我がおと……マコじゃ。今日だけは冴えとるのぅ」
褒められてるのか馬鹿にされているのか分からないが、的外れではなさそうだ。しかし、問題はここからだ。ザシコは
「この後、あの娘に会うたびに尋問みたいな形で問い詰めても話し辛いじゃろう。そこでじゃ、バイク小僧からもう少し話を引き出すのはどうかのぅ」
「いや、でもさ。もう聞くことはなくない?あれ以上に聞く内容はないよ。それに思い出すだけでも辛いだろうし」
「あの時は奴から一方的に話してたじゃろ。今度はこちらから質問を投げかけるのじゃ!何でも良いから」
「え~、いやだって……川名と彼女が会話して、別れて……で、飛び込み自殺した……。それ以外に情報がなくない?」
「バカタレ、あやつが言うておったじゃろ。『嬉しいことが二つから三つに増えた』と。その時の『会話』に何かヒントがあるかもしれん。この『二つから三つ』の『二つ』……。気になるのぅ。何故かと言われると答え辛いが、そこは『女の勘』じゃ!!」
腕を組みながら鼻息を荒くした。
『女の勘』
こればかりは男の僕には分からない。でも、ザシコが言うんだ。嘘とは思えない。少しずつパズルは埋まっていくのに、この焦燥感はなんだろうか。僕は車窓から見える雲を見た。珍しく風があまり吹いてないのか、雲は動いていなかった。
「まず、バイク小僧の話と娘の話は確実に繋がっている。そして、身投げした娘と関係がある。」
「うん……」
それは最初の『鎌倉』発言でなんとなく分かっていた。が、それ以降上手く聞き出せたものなのか……。自信なさげにそう答えると
「バカタレ、『腕時計』はどうした!」
そういえば、彼女は腕時計をしており、その腕時計の秒針は止まっていた。そして川名が話してくれた件にも『腕時計』の話がでていた。確かに『腕時計』は『共通点』だ。僕は些細な事でも問題解決に繋がるのであればと一生懸命思い出しながら考察した。そして、いくつかのワードを拾い上げて推測した。彼女は『高校では楽しく過ごしているよ』と言っていた。そうなると、問題があったのは『小学生』の時か『中学生』の時ではないか。更に、川名の『話』では『中学生』の時。そうなると『中学生』の時に何かあったと考えるのが最も可能性が高い。その考察をザシコに伝えた。するとザシコは
「流石我がおと……マコじゃ。今日だけは冴えとるのぅ」
褒められてるのか馬鹿にされているのか分からないが、的外れではなさそうだ。しかし、問題はここからだ。ザシコは
「この後、あの娘に会うたびに尋問みたいな形で問い詰めても話し辛いじゃろう。そこでじゃ、バイク小僧からもう少し話を引き出すのはどうかのぅ」
「いや、でもさ。もう聞くことはなくない?あれ以上に聞く内容はないよ。それに思い出すだけでも辛いだろうし」
「あの時は奴から一方的に話してたじゃろ。今度はこちらから質問を投げかけるのじゃ!何でも良いから」
「え~、いやだって……川名と彼女が会話して、別れて……で、飛び込み自殺した……。それ以外に情報がなくない?」
「バカタレ、あやつが言うておったじゃろ。『嬉しいことが二つから三つに増えた』と。その時の『会話』に何かヒントがあるかもしれん。この『二つから三つ』の『二つ』……。気になるのぅ。何故かと言われると答え辛いが、そこは『女の勘』じゃ!!」
腕を組みながら鼻息を荒くした。
『女の勘』
こればかりは男の僕には分からない。でも、ザシコが言うんだ。嘘とは思えない。少しずつパズルは埋まっていくのに、この焦燥感はなんだろうか。僕は車窓から見える雲を見た。珍しく風があまり吹いてないのか、雲は動いていなかった。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる