あの日の後悔と懺悔とそれと

ばってんがー森

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一葉のクローバー

これが普通なのか……

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お母さんを除いて男3人、車で帰宅。家に着くとすぐに兄貴も親父も床に寝てしまった。僕はベッドに座り途方に暮れていた。

「なかなか酸っぱくてうまいのぉ」

明らかに頭上から声がした。捕まえてみるとおかっぱ頭にクリっとしたつぶらな瞳で、色白で可憐な着物姿のお人形さんの様な女の子だった。そしてそのお人形さんは僕の大好きな「うめねり」を口いっぱいに入れて、人差し指をビシッと立てて

「73点」

と私に言い放った。

(な、何なんだこの子は……。まぁ、このご時世、誘拐やら何やら頻発しているんだ。こんな理不尽な事に巻き込まれるのはごめんだ!ただでさえ頭がこんがらがってるのに。その前になんだこのサイズは!!ちょっと待てよ……その前にいつから居たんだ!??)

すると台所からカランカランと音がする。コップを退かすと、寝っ転がっている太々しい妖怪が現れた。

「安心せい、そやつは座敷童子と言ってな、幸せな家庭に住み着く妖怪だ。ん?俺か?俺は気にするな!」

(なんなんだよもう……疲れからくるあれってやつなのか、僕は電波ちゃんになっちゃったのか??段々自分というものが分からなくなってくる……)

「小僧!気にするな!元々お前が正しいというのが間違ってるんだ!このたわけが!」

何故か着物の女の子に怒られたので、

「え~、気にするでしょうよ……てか親父の酒飲んでるし………てかこいつら何やってんだ……。いや、人の家に勝手に上がって酒飲んでるし、それに誰だ?ん?俺が間違っているのかな?そうなのか。!この数年で一番ダメな時期に色々と重なってこうなったんだ。そうに決まってる。そうしよう!」


これは僕が本当に疲れているから視えた妖怪なのか、それとも今まで視えていなかっただけだったのか。これまでの疲労も合わさり理論的な思考を放棄し、とにかく出た結論は「寝る」。ということで僕は深い眠りについた。
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