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たわわな愚痴
熱い攻防
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学校生活一ヶ月。一年生の時からいた友人もいるおかげか、とても居心地がよかった。ある意味現実逃避できる場としての学校だったのかもしれない。そんなある日、日課としての朝礼前の便所での事。三つ並んでいる個室の真ん中に入り、排泄物を捻り出そうとした時だった。
「ピロンっ」
僕から左の個室から聞こえた。
(盗撮……?いやいや、盗撮するにしてもここ男子校だし、僕の踏ん張ってる顔面とってオカズにするというのか?……笑止!!)
するとそのトイレ内に居る男子たちから
「今、シャッター音したよなぁ!?」
「俺も聞いた!!あのシャッター音、ソフ○バンクのやつだよ!!」
「マジかよ!キメー!ヤバすぎ!俺〇〇呼んでくるわ!!」
(騒ぎがでかくなってきたぞ……それにしてもあのシャッター音はソフ○バンクなのか……僕ド○モ~♪♪、はい、僕の嫌疑は晴れましたなぁ)
そう思った瞬間、隣から便器を流す音が!!出てきた奴はどんな侮辱的な言葉を投げかけられるのだろうか……歴史が変わるかもしれない………
外の反応を見ることができない。が、何かやけに静かである。すると出てきたであろう男が声を押し殺して他の人に尋ねている。
「ね、ねぇ、さっきからいる人達?僕の右からシャッター音みたいなのが聞こえたんだけど………怖かった~、怖かったわ~」
キャツのシャッター音疑惑を全て僕におっかぶせてきた。声にならない悲鳴がこだまする。
(やられたぁ~、敢えて先に出て僕ではない、ここから聞こえたと個室の隣にいる人間にしか知り得ない情報を提示してきた。シャッター音が聞こえた事は共通の情報として持ち、尚且つ新たな情報を提示する事で疑惑の目を逸らすFBIでも用いられる高等テクニック!やるなぁ。ブラザー)
そして周りからの
「お前不運だったな」
「全くだよ~」
とのふざけたやりとりを幾つか交わし、彼の気配は消えた。
残るは二室。どちらかというと、こちら(僕を含めて)二名は被害者なのである。紛れもなく被害者。ただ用を足すだけだったはずの二人、なんの因果なのか、このまま出ていけば僕らのどちらかはこれから学校で「盗撮ホ○野郎」などと不名誉な渾名をつけられる事必死である。どうする、どのタイミングで出ればいい……そして出て隣の人にシャッター音疑惑を被せてしまうのか……どうすれ……
「ザァー、ガチャ、えっ、まだ出てきてない感じなの?え?マジで?ヤッヴァっ!」
僕はこの瞬間にある事実に気がついた。
例えば◉●○の3つが並んでいたとする。
今回の場合、
○「僕じゃないよ。左から音がしたよ」
この時点で○は疑惑から抜け出すと同時に「左から聞こえた」との情報提供をしたのだ。
私(●)が「左から聞こえたよ」と言ったら、もちろん彼(◉)は「いや、右から聞こえた」と言うだろう。どちらの言い分が正しいか分からない。しかし、彼(◉)が先に出て「まだ出てきてないの?」と敢えて被害者ぶり、『疑われることが怖かった~アピール』することで疑惑を払拭させる。これまたCIAでも用いられる高等テクニック。
………まずい
「おい、おい、テメーのチ○コ撮ってどうするつもりでぇすかぁ?ヒャアハハハハハハ!」
「なんも言わねーから写真だけ見せろや!」
……ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい
もう、学校には来れない……涙をこぼしながらトイレットペーパーを引いていると
「オラオラ、トイレで何やってんだい!掃除の邪魔だよ!ほら、チャイム鳴ってるじゃない!走った走った!」
「なんだよぉ」
おばちゃんの一言でトイレから悪玉菌が一掃された。ノックする音が聞こえる。
「まだ入ってんのかい?」
僕は必要最低限のトレペーを巻き取りケツを拭き、内側からノックをし、こう返した。
「いつも綺麗にトイレ掃除をしてくださるおかげで、ここが僕のベストプレイスになるところでした。今から出ます」
ジャー、ガチャ
未知なる世界への扉を開いて、第一トイレ人を発見し、髪の毛をサラサラさせながらそのお方にこう言った
「グッモーニング、エスカンタルデ!!」
「ピロンっ」
僕から左の個室から聞こえた。
(盗撮……?いやいや、盗撮するにしてもここ男子校だし、僕の踏ん張ってる顔面とってオカズにするというのか?……笑止!!)
するとそのトイレ内に居る男子たちから
「今、シャッター音したよなぁ!?」
「俺も聞いた!!あのシャッター音、ソフ○バンクのやつだよ!!」
「マジかよ!キメー!ヤバすぎ!俺〇〇呼んでくるわ!!」
(騒ぎがでかくなってきたぞ……それにしてもあのシャッター音はソフ○バンクなのか……僕ド○モ~♪♪、はい、僕の嫌疑は晴れましたなぁ)
そう思った瞬間、隣から便器を流す音が!!出てきた奴はどんな侮辱的な言葉を投げかけられるのだろうか……歴史が変わるかもしれない………
外の反応を見ることができない。が、何かやけに静かである。すると出てきたであろう男が声を押し殺して他の人に尋ねている。
「ね、ねぇ、さっきからいる人達?僕の右からシャッター音みたいなのが聞こえたんだけど………怖かった~、怖かったわ~」
キャツのシャッター音疑惑を全て僕におっかぶせてきた。声にならない悲鳴がこだまする。
(やられたぁ~、敢えて先に出て僕ではない、ここから聞こえたと個室の隣にいる人間にしか知り得ない情報を提示してきた。シャッター音が聞こえた事は共通の情報として持ち、尚且つ新たな情報を提示する事で疑惑の目を逸らすFBIでも用いられる高等テクニック!やるなぁ。ブラザー)
そして周りからの
「お前不運だったな」
「全くだよ~」
とのふざけたやりとりを幾つか交わし、彼の気配は消えた。
残るは二室。どちらかというと、こちら(僕を含めて)二名は被害者なのである。紛れもなく被害者。ただ用を足すだけだったはずの二人、なんの因果なのか、このまま出ていけば僕らのどちらかはこれから学校で「盗撮ホ○野郎」などと不名誉な渾名をつけられる事必死である。どうする、どのタイミングで出ればいい……そして出て隣の人にシャッター音疑惑を被せてしまうのか……どうすれ……
「ザァー、ガチャ、えっ、まだ出てきてない感じなの?え?マジで?ヤッヴァっ!」
僕はこの瞬間にある事実に気がついた。
例えば◉●○の3つが並んでいたとする。
今回の場合、
○「僕じゃないよ。左から音がしたよ」
この時点で○は疑惑から抜け出すと同時に「左から聞こえた」との情報提供をしたのだ。
私(●)が「左から聞こえたよ」と言ったら、もちろん彼(◉)は「いや、右から聞こえた」と言うだろう。どちらの言い分が正しいか分からない。しかし、彼(◉)が先に出て「まだ出てきてないの?」と敢えて被害者ぶり、『疑われることが怖かった~アピール』することで疑惑を払拭させる。これまたCIAでも用いられる高等テクニック。
………まずい
「おい、おい、テメーのチ○コ撮ってどうするつもりでぇすかぁ?ヒャアハハハハハハ!」
「なんも言わねーから写真だけ見せろや!」
……ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい
もう、学校には来れない……涙をこぼしながらトイレットペーパーを引いていると
「オラオラ、トイレで何やってんだい!掃除の邪魔だよ!ほら、チャイム鳴ってるじゃない!走った走った!」
「なんだよぉ」
おばちゃんの一言でトイレから悪玉菌が一掃された。ノックする音が聞こえる。
「まだ入ってんのかい?」
僕は必要最低限のトレペーを巻き取りケツを拭き、内側からノックをし、こう返した。
「いつも綺麗にトイレ掃除をしてくださるおかげで、ここが僕のベストプレイスになるところでした。今から出ます」
ジャー、ガチャ
未知なる世界への扉を開いて、第一トイレ人を発見し、髪の毛をサラサラさせながらそのお方にこう言った
「グッモーニング、エスカンタルデ!!」
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