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魔獣 1
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甘やかされて育ったバーバラは、気性が激しく、忍耐力が皆無で、自己顕示欲が強かった。
母ブルネッタの教育もあり、齢6歳にして、格上の貴族家の嫡男を婚約者にするんだと息巻いていた。
そのため、マナーも碌に身についていないにも拘らず、伝手を駆使してお茶会や夜会の招待状を手に入れ、押しかけるように参加していた。
バーバラにマナーが身についていないことを分かっている、父ハロルドと母ブルネッタが付き添いで参加できるものに限られていたが。
バーバラの性格とマナーの悪さは貴族間では有名で、招待していないのに参加されて、会をめちゃくちゃにされた家は少なくなかった。
ある子爵令嬢の誕生日に、ガーデンパーティーが開かれた。
一方的に子爵令嬢にライバル心を燃やすバーバラは、彼女の愛らしい容姿も、彼女に頬を染めて見惚れる子息たちも何もかもが気に入らなかった。
子爵令嬢には貴族令嬢らしからぬ、”テイマー”のスキルが発現した。
子爵家は芸術に秀でた一家だった。
楽団をいくつも所有し、全国を回って公演を開いていて、公演に合わせて臨時の飲食店を開いたり、催し物を催したりしていた。
この子爵令嬢のテイマースキルを活かして、今度はサーカスでも、と考えていた。
彼女のスキルのお披露目のため、子爵令嬢がテイムした魔獣たちもパーティーに参加していた。
しっかりと躾をされ、可愛がられている魔獣たちは、すぐにパーティーに参加した老若男女すべての心を惹き付け、人気者になった。
バーバラを除いて。
いや、バーバラも魔獣に釘付けになった。
但し、自分がそれらを所有して目立ちたいという、自己顕示欲を満たす道具としてだった。
「テイマーなんて、貴族らしくない下品なスキルね!!」
バーバラは大声で言い放った。
「私にはそんな下品なスキルなんかなくても、そこにいるちんけな魔獣より立派な魔獣が従ってくれるわ!!」
娘のスキルが下品だと言われ、激怒する子爵夫妻。
自分の愛する魔獣たちをちんけだと貶められ、悲しむ子爵令嬢。
せっかくの孫の誕生日パーティーを台無しにされ、憤る侯爵家の祖父母。
バーバラは両手を腰に当て、胸を張り、大声で笑い続けていた。
流石に侯爵家を怒らせたのは不味いと、母ブルネッタの顔色は、紙のように白くなった。
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