聖女を隷属させてこき使う国は捨てちゃいます!

SHEILA

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神殿を訪れた後

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神殿でララは、神官サミュエルの指示により、いくつかの魔法を披露した。
サミュエルが自身の腕をナイフで切り裂いたのには驚かされたが、直ぐに怪我は治すことができた。
他には穢れの浄化をしたり、結界を張って見せりした。

ハロルドとブルネッタは朝以上に上機嫌だった。
その場でサミュエルから、自分が王室と話をつけるので、登城までにそれなりの準備をするように言われた。
ララを着飾るための準備がメインだ。

神殿から帰宅してすぐ、仕立て屋が呼ばれた。
それから宝石を扱う商会やドレスに合う服飾品を扱う商会が呼ばれた。

これにバーバラが激怒した。
今までララには粗末な物しか与えられていなかった。
綺麗なもの、素敵なものはすべて自分のものだった。
癇癪を起して使用人に暴力を振るい、物を壊し続けるバーバラは、自室に軟禁された。
ララにドレス1着作るだけでこの暴れようでは、ララが「聖女」候補だと知れたらどうなるか。
魔法が使えなくて泣いていたバーバラが可哀そうで、ララが魔法が使えるということを、ハロルドとブルネッタはバーバラに伝えられなかった。
心を鬼にして、ララが「聖女」認定されて家を出ていくまで、バーバラを軟禁することにした。

着々と準備が進む中…どころか、すぐにサミュエルから連絡が来た。

「3日後、謁見と鑑定が叶うことになった。3日後の朝、神殿に男爵家の馬車で参られよ。」

ドレスがそんなに早く出来上がるはずがない。
ハロルドは仕立て屋に、見た目だけそれなりに見えればいいから、超特急でドレスを仕上げるようにと、依頼した脅した



ララは戸惑っていた。

今までずっと避けられていたのに、自分が母バーバラの怪我を治してから、初めて両親と馬車でお出かけをした。
だから自分が魔法が使えるようになったことを、両親は喜んでくれていると思っていた。
やっと自分を見てくれるようになるのだと思っていた。
確かに両親は上機嫌になったが、ララに対する態度は変わらなかった。
そう、ここ数日暴力は振るわれなくなったが、2人ともララに話しかけることも、触れることも、なかったのだ。
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