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第1章 追放
風魔法
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生後3ヶ月。
だいぶ目が見えるようになってきた。
異世界事情なのか転生者特典なのか。
地球の赤ちゃんだったら、まだこんなにはっきり見えないと思う。
大福の風魔法は、空中に展開した魔法陣に打ち込んでもらっている。
大福は『ウィンドボール』とか『ウィンドカッター』とか『ウィンドランス』とか言いながら風魔法を放っているんだけど、如何せん風魔法は目に見えないから、見ていても面白くない。
ものを入れてもらっていた時と違うのは、空中に展開する魔法陣の大きさや形を変えたり、複数の魔法陣を展開したりと、魔法陣の自由度を上げる練習も兼ねていることだ。
魔法陣って、きらきらしていて綺麗なんだよなぁ。
綺麗、なんだけど・・
(ねぇ大福。大福は私が展開する魔法陣、見えてるよね?)
『見えているぞ。見えなかったら何も入れられないだろう。なんだ、我に見えるように、態と可視化しているのではないのか?』
(ううん。ねぇ、魔法陣って誰にでも見えるものなの?大福は妖精だから見えるんじゃないの?)
『そんなわけあるか。この魔法陣は誰でも見ることができるぞ。』
(誰にでも見えるってことは、見られたら、私が【神の恵み】を持っているってバレるってこと?)
『うむ。収納の魔道具はあるが、スキルを持っているのは転生者か転移者だけだからな。とは言え、収納するたびに魔法陣を展開するなど、我は聞いたことがない。其方が初めてだ。この魔法陣だけ見るのであれば、収納とは結び付かないが、出し入れを見られると・・・バレるだろうな。』
(・・・これは、なんとかした方がいいかも。このきらきら、絶対目立つよね。)
収納した風魔法は、リストには風魔法としか記載されなかったけれど、感覚で収納されている魔法の量と強さが分かる気がした。
試しに、収納した風魔法を、威力を抑えて小さな魔法陣から射出してみた。
(あ、涼しい。今は暖かい季節みたいだけど、暑い季節には、扇風機代わりになるんじゃない?もっと強く射出したら、もっと涼しくなるのかな?)
風圧を調整してみたけれど、気温が下がることはなかった。
まんま扇風機だ。
エアコンのように使うには、どうすればいいんだろう?
温度を下げるアイデアは浮かばなかったけれど、圧縮はできる気がした。
でも、部屋の中で射出したら大惨事になりそうだったので、試していない。
私は魔法は使えないけれど、収納から工夫次第で大福が打ち込んでくれた風魔法とは違う風魔法が出せたことで、魔法について、基礎からきちんと勉強したいと思った。
そうすれば、スキルが1つもない私でも、魔法使いに擬態できるかもしれない。
自分とベッドの間に風魔法を射出して、体を浮かせることにも成功した。
試行錯誤はあったけれど。
家の外に出られるようになったら、空を飛ぶ練習もしてみたい。
風魔法は、きっと大福が無限に提供してくれる。
早く大きくなりたい。
せめて、自分の足で立って歩いて、行きたいところに行けるようになりたい。
だいぶ目が見えるようになってきた。
異世界事情なのか転生者特典なのか。
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魔法陣って、きらきらしていて綺麗なんだよなぁ。
綺麗、なんだけど・・
(ねぇ大福。大福は私が展開する魔法陣、見えてるよね?)
『見えているぞ。見えなかったら何も入れられないだろう。なんだ、我に見えるように、態と可視化しているのではないのか?』
(ううん。ねぇ、魔法陣って誰にでも見えるものなの?大福は妖精だから見えるんじゃないの?)
『そんなわけあるか。この魔法陣は誰でも見ることができるぞ。』
(誰にでも見えるってことは、見られたら、私が【神の恵み】を持っているってバレるってこと?)
『うむ。収納の魔道具はあるが、スキルを持っているのは転生者か転移者だけだからな。とは言え、収納するたびに魔法陣を展開するなど、我は聞いたことがない。其方が初めてだ。この魔法陣だけ見るのであれば、収納とは結び付かないが、出し入れを見られると・・・バレるだろうな。』
(・・・これは、なんとかした方がいいかも。このきらきら、絶対目立つよね。)
収納した風魔法は、リストには風魔法としか記載されなかったけれど、感覚で収納されている魔法の量と強さが分かる気がした。
試しに、収納した風魔法を、威力を抑えて小さな魔法陣から射出してみた。
(あ、涼しい。今は暖かい季節みたいだけど、暑い季節には、扇風機代わりになるんじゃない?もっと強く射出したら、もっと涼しくなるのかな?)
風圧を調整してみたけれど、気温が下がることはなかった。
まんま扇風機だ。
エアコンのように使うには、どうすればいいんだろう?
温度を下げるアイデアは浮かばなかったけれど、圧縮はできる気がした。
でも、部屋の中で射出したら大惨事になりそうだったので、試していない。
私は魔法は使えないけれど、収納から工夫次第で大福が打ち込んでくれた風魔法とは違う風魔法が出せたことで、魔法について、基礎からきちんと勉強したいと思った。
そうすれば、スキルが1つもない私でも、魔法使いに擬態できるかもしれない。
自分とベッドの間に風魔法を射出して、体を浮かせることにも成功した。
試行錯誤はあったけれど。
家の外に出られるようになったら、空を飛ぶ練習もしてみたい。
風魔法は、きっと大福が無限に提供してくれる。
早く大きくなりたい。
せめて、自分の足で立って歩いて、行きたいところに行けるようになりたい。
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