収納持ちのコレクターは、仲間と幸せに暮らしたい。~スキルがなくて追放された自称「か弱い女の子」の元辺境伯令嬢。実は無自覚チートで世界最強⁉~

SHEILA

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第1章 追放

マルティネス・ノーランド家

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異世界に生を受けて割と早いうちに、アリスティアナは思った。

「うん、前世でもなんとなく感じていた。私の魂は家族運というものが0どころかマイナスなんだ。」

転生したのは、アルベリア王国の辺境の地、ノーランドの辺境伯家だった。
名前はアリスティアナ・テレーザ・マルティネス・ノーランド。(長っ!)
生まれて周りのことが分かるようになって思ったことは、面倒くさそう、だった。


ノーランド辺境伯家は、男爵家だった先々代が戦争で大きな功績を残し、このノーランド地方の土地を下賜された成り上がりだった。

出世というより、隣国や魔人の国、魔の森からの魔物を退治するために、体よく地方に追い払われたと言った方が良いだろう。

マルティネス家は攻撃魔法スキルを授かり続ける家系で、その強力な攻撃魔法を恐れ、国王派貴族がマルティネス家を王都から遠ざけたのだ。

先々代である1代目は誠実な人柄で、心から王に忠誠を誓っていた。
俗に言う脳筋だった(魔法使いだけど)。
国王派貴族の思惑に気づくこともなく、単純に、広大で守りがいのある王国にとって重要な地を任せていただけた、と大喜びしていた。
強さこそすべて。
それがマルティネス家だった。

2代目は少し賢い人だった。
体のいい厄介払いをされ利用されているのではないか、と気づき始めた。

周辺諸国との戦いに明け暮れる日々。
小競り合いが落ち着いても、魔物は領地に容易に侵入してくる。
土地は決して豊かではなく、領民たちの暮らしも楽なものではなかった。

2代目も誠実な人柄だった。
領民の生活を少しでも改善する努力を続けた。
故に領民は2代目を尊敬し、過酷な生活に耐えていた。
領民と領地、国を守るため、より強い攻撃魔法を求め、より強い人材を求め、育てた。

身内に対してもそれは同じだった。
幸いにしてマルティネス・ノーランド家には、必ず攻撃魔法スキルを有する子供が生まれてきて、貴重な戦力となり、当主の助けになってきていた。
2代目の兄弟とその子供たちは、1人を除いて皆が心身ともに立派な貴族であり、攻撃魔法の使い手であった。
彼らの配偶者は、家を守り、彼らをよく支えていた。
誰が辺境伯家の次期当主になっても、この領地は守り続けられる、誰もがそう思っていた。

隣国からの攻撃と、Sランク級の魔物による攻撃が続き、2代目当主が復帰不可能な程の大怪我を負い、血縁の攻撃魔法スキル所持者の男性が死に絶えてしまうまでは……

3代目となってしまう、気位だけが高い、無能なあの男を除いて。

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