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一夫多妻制なんてありえない⑥
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「素敵なカフェテラスがあって、ヘアサロンはもちろんでしょーネイルサロンとかもあるといいわね」
「ジムでしょー、温泉でしょー、サウナもいいわね、あとアテレコスタジオ」
「IMAXとドルビーアトモスの両方を備えた視聴覚教室、それと対面型の対戦台が並ぶ格ゲー専用ルーム、あと、ネカフェ」
「お前らなぁ、勉強する気ないだろ」
お蕎麦を完食し「理想のキャンパス」について語りだす3人の女子に、デザートの抹茶アイスとお茶を振る舞うハレオ。
(なんなんだ、この気の利くイケメン男子は!)と、3人の女子の頭の中はシンクロしていた。
「ハレオくん、なんで急にキャンパスの事を?」
「そうだよ、1年くらいの間、登校しないんだからいいじゃん」
「「えっ、登校しないってどういうこと」」
何気なく返したトウカの言葉に反応するスミレとボタン。
「ああ、言ってなかったな、俺とトウカはしばらくオンライン授業専になるよ」
「なんで?もしかして金田先輩になんか言われたの?」
「まぁちょっとな」
「えーーーなによそれ、最悪なんだけど。なんて言われたの?わたし明日抗議してくるから」
「いいんだよスミレ、あんまり事を荒立てたくない」
怒りを顕わにするスミレを宥めるハレオ。だが、その顔は少し寂しそうで、スミレの怒りは収まらない。
「金田って人、親が地主らしいからねぇ、うちのキャンパスは、その地主から借りてるみたいだし、なんか嫌な感じだよね」
ボタンは、金田の人脈、金遣いの荒さ、悪い噂を聞き及んでいたが、敢えて言わなかった。それが、スミレの怒りに火を注ぐと知っていたから。
「そんな、せっかく一緒に学校通えるのに、トウカちゃんだって、凄く喜んでたよ」
「いいんだよスミレさん、もう決めたことだから」
興奮するスミレに、トウカは静かに言った。
「ハレオっ、こんなのダメに決まってるだろ、バカかっ、よく考えろよ、地主だか何だかわからないけど、そんな奴に振り回されて不登校なんて、しかもトウカちゃんまで巻き込んで、見損なったぞ」
抹茶アイスを美味しくなさそうに俯いて食べているトウカの顔が、スミレを加熱させた。トウカが少し抹茶を苦手としていることを知らずに。
「そんなことは分かってるよ、スミレもボタンも大事な友達だ、俺の親父が付けた汚名に巻き込むわけにはいかないことも、自分の意思で行動して環境を変えようと頑張っているトウカのことも、全部分かっているつもりだ。だから、しばらく……ほんの少しだけ待ってくれ」
「しばらくって、1年間も待たせたら可哀想だよ」
「それは絶対にしないと約束する、トウカを1年も待たせたりしない、近いうちに必ずなんとかしてみせる、信じて待っててくれ」
「なにか考えがあるなら少し待ってあげようよスミレちゃん、この話の流れだと、私たち2人の行動にも原因があるみたいだし。私は別に一夫多妻制だのハーレムだの言われても構わないけどさ、それがトウカちゃんにまで飛び火するのは避けなきゃ」
「それは……そうだけど」
頭を下げるハレオと、諭すボタンに、スミレは少し落ち着いて続けた。
「なにか考えがあるなら力になるわよ」
「う~ん、トウカは知ってるんだけどさ、なんかいやらしい話になるから、ゴメンちょっと今は言えない」
スミレの助け舟を、手を合わせて拒否するハレオ。
それを聞いたトウカは頭に疑問符を浮かべる。
(私が知っている?なに?宝くじ?500万ぽっちでなんかする気?もしかして金田に金を渡して解決しようとしてるの?そりゃ言えないわ、というか私も許さないんだけど)と。
「ちょっと、お兄ちゃん、わたし1年くらい我慢できるよ。いいじゃない、こうやって皆で楽しくできるんなら、授業だって家で受けれるし、別に不登校扱いにもならな訳だし、余計なこと考えないでね」
おバカな考えを改めさせようと、トウカは必至になり、抹茶アイスを一気に流し込み、苦い顔をした。
「トウカちゃん、こんなに苦しんでるんだからね、約束破ったら承知しないから、ダメだった時はすぐに報告してね」
「ああ、分かったよ、ありがとうスミレ、心強いよ。さぁじゃあ、今度は本当に解散だ、遅くなったら家族が心配するだろ、2人とも送ってくよ」
「私は別に泊ってってもいいけど」
ボタンの言葉に、スミレは目を丸くする。
「ダメだろ、怒られるぞ」
「えーいいじゃん、こんなに部屋があるなら平気でしょ」
「そういう問題じゃない」
ただえさえハーレム的な噂を流されそうなのに、一つ屋根の下でなんて知れたら、もう取り返しがつかなくなる、それだけは絶対に避けたいハレオだった。
「ジムでしょー、温泉でしょー、サウナもいいわね、あとアテレコスタジオ」
「IMAXとドルビーアトモスの両方を備えた視聴覚教室、それと対面型の対戦台が並ぶ格ゲー専用ルーム、あと、ネカフェ」
「お前らなぁ、勉強する気ないだろ」
お蕎麦を完食し「理想のキャンパス」について語りだす3人の女子に、デザートの抹茶アイスとお茶を振る舞うハレオ。
(なんなんだ、この気の利くイケメン男子は!)と、3人の女子の頭の中はシンクロしていた。
「ハレオくん、なんで急にキャンパスの事を?」
「そうだよ、1年くらいの間、登校しないんだからいいじゃん」
「「えっ、登校しないってどういうこと」」
何気なく返したトウカの言葉に反応するスミレとボタン。
「ああ、言ってなかったな、俺とトウカはしばらくオンライン授業専になるよ」
「なんで?もしかして金田先輩になんか言われたの?」
「まぁちょっとな」
「えーーーなによそれ、最悪なんだけど。なんて言われたの?わたし明日抗議してくるから」
「いいんだよスミレ、あんまり事を荒立てたくない」
怒りを顕わにするスミレを宥めるハレオ。だが、その顔は少し寂しそうで、スミレの怒りは収まらない。
「金田って人、親が地主らしいからねぇ、うちのキャンパスは、その地主から借りてるみたいだし、なんか嫌な感じだよね」
ボタンは、金田の人脈、金遣いの荒さ、悪い噂を聞き及んでいたが、敢えて言わなかった。それが、スミレの怒りに火を注ぐと知っていたから。
「そんな、せっかく一緒に学校通えるのに、トウカちゃんだって、凄く喜んでたよ」
「いいんだよスミレさん、もう決めたことだから」
興奮するスミレに、トウカは静かに言った。
「ハレオっ、こんなのダメに決まってるだろ、バカかっ、よく考えろよ、地主だか何だかわからないけど、そんな奴に振り回されて不登校なんて、しかもトウカちゃんまで巻き込んで、見損なったぞ」
抹茶アイスを美味しくなさそうに俯いて食べているトウカの顔が、スミレを加熱させた。トウカが少し抹茶を苦手としていることを知らずに。
「そんなことは分かってるよ、スミレもボタンも大事な友達だ、俺の親父が付けた汚名に巻き込むわけにはいかないことも、自分の意思で行動して環境を変えようと頑張っているトウカのことも、全部分かっているつもりだ。だから、しばらく……ほんの少しだけ待ってくれ」
「しばらくって、1年間も待たせたら可哀想だよ」
「それは絶対にしないと約束する、トウカを1年も待たせたりしない、近いうちに必ずなんとかしてみせる、信じて待っててくれ」
「なにか考えがあるなら少し待ってあげようよスミレちゃん、この話の流れだと、私たち2人の行動にも原因があるみたいだし。私は別に一夫多妻制だのハーレムだの言われても構わないけどさ、それがトウカちゃんにまで飛び火するのは避けなきゃ」
「それは……そうだけど」
頭を下げるハレオと、諭すボタンに、スミレは少し落ち着いて続けた。
「なにか考えがあるなら力になるわよ」
「う~ん、トウカは知ってるんだけどさ、なんかいやらしい話になるから、ゴメンちょっと今は言えない」
スミレの助け舟を、手を合わせて拒否するハレオ。
それを聞いたトウカは頭に疑問符を浮かべる。
(私が知っている?なに?宝くじ?500万ぽっちでなんかする気?もしかして金田に金を渡して解決しようとしてるの?そりゃ言えないわ、というか私も許さないんだけど)と。
「ちょっと、お兄ちゃん、わたし1年くらい我慢できるよ。いいじゃない、こうやって皆で楽しくできるんなら、授業だって家で受けれるし、別に不登校扱いにもならな訳だし、余計なこと考えないでね」
おバカな考えを改めさせようと、トウカは必至になり、抹茶アイスを一気に流し込み、苦い顔をした。
「トウカちゃん、こんなに苦しんでるんだからね、約束破ったら承知しないから、ダメだった時はすぐに報告してね」
「ああ、分かったよ、ありがとうスミレ、心強いよ。さぁじゃあ、今度は本当に解散だ、遅くなったら家族が心配するだろ、2人とも送ってくよ」
「私は別に泊ってってもいいけど」
ボタンの言葉に、スミレは目を丸くする。
「ダメだろ、怒られるぞ」
「えーいいじゃん、こんなに部屋があるなら平気でしょ」
「そういう問題じゃない」
ただえさえハーレム的な噂を流されそうなのに、一つ屋根の下でなんて知れたら、もう取り返しがつかなくなる、それだけは絶対に避けたいハレオだった。
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