58 / 115
旅行編
56. 出発
しおりを挟む
朝、眠りから覚めてぱちりと目を開ける。寝起きはぼーっとすることも多いのだが、今日は一瞬で覚醒する。だって今日は、旅行の日だからね!
ウズウズする気持ちをなんとか抑え、発音練習などの日課をこなす。最後にシールドを出していると、ジルが来てくれた。
「おはよう」
「じる、おあおー!」
元気に挨拶すると、ジルが頭を撫でてくれた。
今日の朝ごはんは、炊き込みご飯とかぼちゃの煮物、それから卵のすまし汁だった。和食っぽいメニューで、なんだかほっとする朝ごはんだ。
炊き込みご飯からはだしの香りがふんわりと漂い、食欲をそそる。かぼちゃには、挽き肉があんかけのようにかけられている。かぼちゃの甘味とお肉の旨味って合うよね、ともぐもぐ食べる。すまし汁は優しい味で、卵がふわふわだ。
今日も、どれも美味しかった。
朝ごはんを終えたらいつもはしばらくのんびりするのだが、今日はどうしてもソワソワしてしまう。
「皆もうすぐ来るだろうから、少し待っていてくれ」
食器などを片付けていたジルが僕の様子を見て優しく言う。
「あう」
何もしていないと余計に待ち遠しく感じる。本を読んで待とうかなと思いライの本を広げるが、あまり集中は出来なかった。しばらくページをめくっていると、ライがやって来た。
「ウィル君、ジル、おはよう!」
いつも通りの爽やかな笑顔だ。
「りゃい、おあおう!」
挨拶を返すと、ライが目を細めて頭を撫でてくれた。
「テムとファムはまだみたいだね?」
「ああ、もう少ししたら来るだろう」
三人でお喋りをしていると、程なくしてテムとファムが来た。
「みんなおはよー!」
「よ!待たせたな!」
「あのね、テムがね、昨日楽しみ過ぎてなかなか寝付けなかったんだってー!」
「し、仕方ないだろ!久しぶりだし、ウィルも行くんだぜ!」
ファムが早速暴露してテムをいじっている。テムも楽しみにしてくれて嬉しい。僕もジルが部屋に来てくれなかったらあの後もしばらく起きていたに違いない。
「ふふ、私達も楽しみにしていたよ。ね、ジル?」
「ああ。テム、転移を頼んで悪いな。よろしく頼む」
「おう!オレに任せとけ!」
テムが胸を張ってニカッと笑う。
「でもこの人数だと、一回でソルツァンテに行くのはさすがのオレでも厳しいぜ。何回かに分けて、魔力を回復させながらだったら大丈夫だけどよ」
「ああ、十分だ。···それで頼みがあるのだが、ソルツァンテに行く前にファージュルム王国に寄ってもらえるか?」
「南にある国だな!オレは大丈夫だぜ!」
「美味しい食べ物がいっぱいあるところだよねー」
「ふふ、リーナさんへのお土産かな?いいと思うよ」
「ああ、確かあの国の果物が好きだったからな」
おお!ジルはちゃんとリーナさんの好きな食べ物を把握しているのか。これだけでは脈ありとは言い辛いが、無関心という訳ではなさそうだ。リーナさん、喜ぶだろうな。
「ウィルも、それでいいか?リーナへの土産を買うためだから、長居はしないと思うが」
「あう!」
もちろんだよ!ファージュルム王国にも行きたいと思っていたんだ。今回は買い物だけしてソルツァンテに行くようだから、いつかゆっくり観光してみたい。
「おし!そんじゃ、森の南端まで行くとすっか!」
「ああ、よろしく頼む」
そう言うとジルが僕を抱え、ライがファムを抱える。そしてテムがジルとライの肩に触れる。
「ひとっ飛びだぜ!『転移』!」
テムの言葉とともに視界がブレ、次の瞬間には、僕達は森の出口にいた。ジルと僕の家の周りのように木が密集しておらず、目の前には所々に草の生えた平地が広がっている。
「ふふ、テムの魔法は相変わらずとんでもないね」
「楽ちんだねー!」
「助かる」
「ブハハ!これくらい、楽勝だぜ!」
ゴブリン狩りで上空から見たときは森の終わりが見えなかったのに、テムの魔法であっという間に森を出てしまった。まさにチート魔法だ。
「しばらく進んだところに大きな街があるから、そこまでは転移に頼らず行けるかな」
「そうだな」
今度は自力で進むようだ。
「ぼくはこのままでもいいー?」
「ふふ、もちろんだよ」
「ありがとー!」
ライの腕にいるファムが嬉しそうにぽよぽよしている。このままライが抱えて行くということは、歩く訳ではなさそうだ。ジルとテムが飛べるのは知っているが、ライはどうするのだろうか。
「それじゃあ、行こうか」
ライの言葉で、ジルとテムがふわりと飛び立つ。ライはというと、軽やかに走っていた。一歩一歩がとても大きい。魔力感知してみると、どうやら脚に何かの魔法を纏わせているようだ。
「ふふ、これも風属性の魔法なんだよ。いつかウィル君にも教えるからね」
ジルと並走しながらライが言う。速く移動出来るようになれば、行動範囲が広がりそうだ。
「あいあと!」
そんな会話を交わしながら、移動を続ける。しばらくすると、遠くに壁が見えてきた。
「ふふ、見えてきたね。あれはファーティスという街だよ。ファージュルム王国の中で、最も最果ての森に近い街なんだ」
あれが街か!この世界に来て、初めての街だ!思わず身を乗り出しそうになるのを我慢する。
「この街に来るのは久しぶりだから、私も楽しみなんだ。ふふ、もうすぐだね」
ライがウズウズを隠しきれない僕の様子を見てくすっと笑う。
さらに近づいて行くと、壁がはっきりと見えてきた。そして壁の一か所に門があって、そこに人が並んでいるのが分かった。
「そろそろ歩こうか」
ライがそう言い、ジルとテムが飛ぶのを止めて歩き出す。あ、いや、テムは飛んでいた。
「ライ、ありがとー!」
ファムがライの腕から飛び出しぽんぽん跳ねる。
「ふふ、どういたしまして。でも、私からあまり離れないでね」
「はーい!」
みんなで人の列に近づいて行く。
うわあ、どうしよう。ドキドキする。
「うっ、ドキドキするぜ···」
テムの声が聞こえた。振り向いたが、誰もいない。あれ、気のせいだったかなと思って首を傾げると、ファムが笑い出した。
「あはは!テム、隠密スキル使ってるよー!」
「あっ!つ、つい!わざとではなくてだな!」
なるほど、スキルだったのか。ファムに指摘されて無意識に使っていたスキルを切ったのだろう。テムが急に現れた。そういえば、テムは恥ずかしがり屋さんだったな。
「ふふ、門を通るまで我慢できるかい?」
「お、おう!もちろんだぜ!」
そう言いながらライの肩にしがみついているテム、可愛い。
そうこうしてるうちに、列の最後尾に着いた。ここを通れば、街に入ることができるんだな。楽しみ過ぎて、ニヤニヤしてしまう。そんな僕を見て、ジルが頭を撫でる。こうやって待つ時間も、楽しいよね。
ウズウズする気持ちをなんとか抑え、発音練習などの日課をこなす。最後にシールドを出していると、ジルが来てくれた。
「おはよう」
「じる、おあおー!」
元気に挨拶すると、ジルが頭を撫でてくれた。
今日の朝ごはんは、炊き込みご飯とかぼちゃの煮物、それから卵のすまし汁だった。和食っぽいメニューで、なんだかほっとする朝ごはんだ。
炊き込みご飯からはだしの香りがふんわりと漂い、食欲をそそる。かぼちゃには、挽き肉があんかけのようにかけられている。かぼちゃの甘味とお肉の旨味って合うよね、ともぐもぐ食べる。すまし汁は優しい味で、卵がふわふわだ。
今日も、どれも美味しかった。
朝ごはんを終えたらいつもはしばらくのんびりするのだが、今日はどうしてもソワソワしてしまう。
「皆もうすぐ来るだろうから、少し待っていてくれ」
食器などを片付けていたジルが僕の様子を見て優しく言う。
「あう」
何もしていないと余計に待ち遠しく感じる。本を読んで待とうかなと思いライの本を広げるが、あまり集中は出来なかった。しばらくページをめくっていると、ライがやって来た。
「ウィル君、ジル、おはよう!」
いつも通りの爽やかな笑顔だ。
「りゃい、おあおう!」
挨拶を返すと、ライが目を細めて頭を撫でてくれた。
「テムとファムはまだみたいだね?」
「ああ、もう少ししたら来るだろう」
三人でお喋りをしていると、程なくしてテムとファムが来た。
「みんなおはよー!」
「よ!待たせたな!」
「あのね、テムがね、昨日楽しみ過ぎてなかなか寝付けなかったんだってー!」
「し、仕方ないだろ!久しぶりだし、ウィルも行くんだぜ!」
ファムが早速暴露してテムをいじっている。テムも楽しみにしてくれて嬉しい。僕もジルが部屋に来てくれなかったらあの後もしばらく起きていたに違いない。
「ふふ、私達も楽しみにしていたよ。ね、ジル?」
「ああ。テム、転移を頼んで悪いな。よろしく頼む」
「おう!オレに任せとけ!」
テムが胸を張ってニカッと笑う。
「でもこの人数だと、一回でソルツァンテに行くのはさすがのオレでも厳しいぜ。何回かに分けて、魔力を回復させながらだったら大丈夫だけどよ」
「ああ、十分だ。···それで頼みがあるのだが、ソルツァンテに行く前にファージュルム王国に寄ってもらえるか?」
「南にある国だな!オレは大丈夫だぜ!」
「美味しい食べ物がいっぱいあるところだよねー」
「ふふ、リーナさんへのお土産かな?いいと思うよ」
「ああ、確かあの国の果物が好きだったからな」
おお!ジルはちゃんとリーナさんの好きな食べ物を把握しているのか。これだけでは脈ありとは言い辛いが、無関心という訳ではなさそうだ。リーナさん、喜ぶだろうな。
「ウィルも、それでいいか?リーナへの土産を買うためだから、長居はしないと思うが」
「あう!」
もちろんだよ!ファージュルム王国にも行きたいと思っていたんだ。今回は買い物だけしてソルツァンテに行くようだから、いつかゆっくり観光してみたい。
「おし!そんじゃ、森の南端まで行くとすっか!」
「ああ、よろしく頼む」
そう言うとジルが僕を抱え、ライがファムを抱える。そしてテムがジルとライの肩に触れる。
「ひとっ飛びだぜ!『転移』!」
テムの言葉とともに視界がブレ、次の瞬間には、僕達は森の出口にいた。ジルと僕の家の周りのように木が密集しておらず、目の前には所々に草の生えた平地が広がっている。
「ふふ、テムの魔法は相変わらずとんでもないね」
「楽ちんだねー!」
「助かる」
「ブハハ!これくらい、楽勝だぜ!」
ゴブリン狩りで上空から見たときは森の終わりが見えなかったのに、テムの魔法であっという間に森を出てしまった。まさにチート魔法だ。
「しばらく進んだところに大きな街があるから、そこまでは転移に頼らず行けるかな」
「そうだな」
今度は自力で進むようだ。
「ぼくはこのままでもいいー?」
「ふふ、もちろんだよ」
「ありがとー!」
ライの腕にいるファムが嬉しそうにぽよぽよしている。このままライが抱えて行くということは、歩く訳ではなさそうだ。ジルとテムが飛べるのは知っているが、ライはどうするのだろうか。
「それじゃあ、行こうか」
ライの言葉で、ジルとテムがふわりと飛び立つ。ライはというと、軽やかに走っていた。一歩一歩がとても大きい。魔力感知してみると、どうやら脚に何かの魔法を纏わせているようだ。
「ふふ、これも風属性の魔法なんだよ。いつかウィル君にも教えるからね」
ジルと並走しながらライが言う。速く移動出来るようになれば、行動範囲が広がりそうだ。
「あいあと!」
そんな会話を交わしながら、移動を続ける。しばらくすると、遠くに壁が見えてきた。
「ふふ、見えてきたね。あれはファーティスという街だよ。ファージュルム王国の中で、最も最果ての森に近い街なんだ」
あれが街か!この世界に来て、初めての街だ!思わず身を乗り出しそうになるのを我慢する。
「この街に来るのは久しぶりだから、私も楽しみなんだ。ふふ、もうすぐだね」
ライがウズウズを隠しきれない僕の様子を見てくすっと笑う。
さらに近づいて行くと、壁がはっきりと見えてきた。そして壁の一か所に門があって、そこに人が並んでいるのが分かった。
「そろそろ歩こうか」
ライがそう言い、ジルとテムが飛ぶのを止めて歩き出す。あ、いや、テムは飛んでいた。
「ライ、ありがとー!」
ファムがライの腕から飛び出しぽんぽん跳ねる。
「ふふ、どういたしまして。でも、私からあまり離れないでね」
「はーい!」
みんなで人の列に近づいて行く。
うわあ、どうしよう。ドキドキする。
「うっ、ドキドキするぜ···」
テムの声が聞こえた。振り向いたが、誰もいない。あれ、気のせいだったかなと思って首を傾げると、ファムが笑い出した。
「あはは!テム、隠密スキル使ってるよー!」
「あっ!つ、つい!わざとではなくてだな!」
なるほど、スキルだったのか。ファムに指摘されて無意識に使っていたスキルを切ったのだろう。テムが急に現れた。そういえば、テムは恥ずかしがり屋さんだったな。
「ふふ、門を通るまで我慢できるかい?」
「お、おう!もちろんだぜ!」
そう言いながらライの肩にしがみついているテム、可愛い。
そうこうしてるうちに、列の最後尾に着いた。ここを通れば、街に入ることができるんだな。楽しみ過ぎて、ニヤニヤしてしまう。そんな僕を見て、ジルが頭を撫でる。こうやって待つ時間も、楽しいよね。
51
お気に入りに追加
5,835
あなたにおすすめの小説
『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!
IXA
ファンタジー
30年ほど前、地球に突如として現れたダンジョン。
無限に湧く資源、そしてレベルアップの圧倒的な恩恵に目をつけた人類は、日々ダンジョンの研究へ傾倒していた。
一方特にそれは関係なく、生きる金に困った私、結城フォリアはバイトをするため、最低限の体力を手に入れようとダンジョンへ乗り込んだ。
甘い考えで潜ったダンジョン、しかし笑顔で寄ってきた者達による裏切り、体のいい使い捨てが私を待っていた。
しかし深い絶望の果てに、私は最強のユニークスキルである《スキル累乗》を獲得する--
これは金も境遇も、何もかもが最底辺だった少女が泥臭く苦しみながらダンジョンを探索し、知恵とスキルを駆使し、地べたを這いずり回って頂点へと登り、世界の真実を紐解く話
複数箇所での保存のため、カクヨム様とハーメルン様でも投稿しています
令和日本では五十代、異世界では十代、この二つの人生を生きていきます。
越路遼介
ファンタジー
篠永俊樹、五十四歳は三十年以上務めた消防士を早期退職し、日本一周の旅に出た。失敗の人生を振り返っていた彼は東尋坊で不思議な老爺と出会い、歳の離れた友人となる。老爺はその後に他界するも、俊樹に手紙を残してあった。老爺は言った。『儂はセイラシアという世界で魔王で、勇者に討たれたあと魔王の記憶を持ったまま日本に転生した』と。信じがたい思いを秘めつつ俊樹は手紙にあった通り、老爺の自宅物置の扉に合言葉と同時に開けると、そこには見たこともない大草原が広がっていた。
転生してテイマーになった僕の異世界冒険譚
ノデミチ
ファンタジー
田中六朗、18歳。
原因不明の発熱が続き、ほぼ寝たきりの生活。結果死亡。
気が付けば異世界。10歳の少年に!
女神が現れ話を聞くと、六朗は本来、この異世界ルーセリアに生まれるはずが、間違えて地球に生まれてしまったとの事。莫大な魔力を持ったが為に、地球では使う事が出来ず魔力過多で燃え尽きてしまったらしい。
お詫びの転生ということで、病気にならないチートな身体と莫大な魔力を授かり、「この世界では思う存分人生を楽しんでください」と。
寝たきりだった六朗は、ライトノベルやゲームが大好き。今、自分がその世界にいる!
勇者? 王様? 何になる? ライトノベルで好きだった「魔物使い=モンスターテイマー」をやってみよう!
六朗=ロックと名乗り、チートな身体と莫大な魔力で異世界を自由に生きる!
カクヨムでも公開しました。
スキルポイントが無限で全振りしても余るため、他に使ってみます
銀狐
ファンタジー
病気で17歳という若さで亡くなってしまった橘 勇輝。
死んだ際に3つの能力を手に入れ、別の世界に行けることになった。
そこで手に入れた能力でスキルポイントを無限にできる。
そのため、いろいろなスキルをカンストさせてみようと思いました。
※10万文字が超えそうなので、長編にしました。
異世界でスキルを奪います ~技能奪取は最強のチート~
星天
ファンタジー
幼馴染を庇って死んでしまった翔。でも、それは神様のミスだった!
創造神という女の子から交渉を受ける。そして、二つの【特殊技能】を貰って、異世界に飛び立つ。
『創り出す力』と『奪う力』を持って、異世界で技能を奪って、どんどん強くなっていく
はたして、翔は異世界でうまくやっていけるのだろうか!!!
イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で最強に・・・(旧:学園最強に・・・)
こたろう文庫
ファンタジー
カクヨムにて日間・週間共に総合ランキング1位!
死神が間違えたせいで俺は死んだらしい。俺にそう説明する神は何かと俺をイラつかせる。異世界に転生させるからスキルを選ぶように言われたので、神にイラついていた俺は1回しか使えない強奪スキルを神相手に使ってやった。
閑散とした村に子供として転生した為、強奪したスキルのチート度合いがわからず、学校に入学後も無自覚のまま周りを振り回す僕の話
2作目になります。
まだ読まれてない方はこちらもよろしくおねがいします。
「クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される」
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる