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最果ての森編
14. 練習再開
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ふわー、よく寝た。
外はまだ明るいから、寝ていたのは二、三時間ほどだったのだろう。
僕が寝ている間に、大人?達は食事を済ませ、片付けをして雑談していたようだ。
「おはよう、ウィル君。よく眠れたかい?」
寝起きにイケメンの笑顔は眩しすぎる。
「ブハハ、まだ半目だな!」
違うんです。眩しいんです。
しばらくして目が開いたところで、練習再開となった。
「もう魔力操作のスキルはとれたから、あとは習熟度を上げていけば大丈夫だよ。より精密に動かせるようになろうね」
目指すは転移と収納チート!
「それは日々の練習で行うとして、今日はお昼前に言った、『魔力感知』スキルの習得を目指そうね」
魔力感知か。確かジルが得意なんだよな、とジルを見る。
「・・・感じろ」
そうだ。このドラゴン、感覚派だった。
「ふふふ、それじゃあ分かんないよね?」
ライ、君だけが頼りだ。
「ウィル君は、体内にある魔力はもう分かるよね?その魔力に向ける意識を、自分の体内ではなく他の人の体内に向けてみてごらん」
うむむ。難しいぞ。
「最初に私の魔力を君の手に流したから、私の魔力は感じたよね?その魔力を思い出して、私に意識を向けてごらん」
なるほど。ライの魔力は・・・暖かくて柔らかい感じだった。
ライに意識を向ける。
ぼんやりだがこれが魔力だろうか。ライの体内でゆっくり動く塊がある。
「どうやら分かったみたいだね」
動く魔力の塊を目で追っていると、ライがそう言った。
「今、魔力を集めて動かしていたんだ。目で追えてたから、大きな魔力は感知できているよ」
やった!
「それじゃあ、他の人の魔力も分かるかな?まずはジルの魔力を感知してみてごらん」
ジルの魔力はどんな感じなのだろう。
ジルに抱えられた状態で、ジルの体内に意識を向ける。触れている分、分かりやすいような気がする。
魔力···魔力···
え、身体中に魔力がある?しかも、魔力の強さがどこも同じに感じる。僕が感知できるってことは、それなりに大きな魔力ってことだから···身体中を大きな魔力で均一に満たしてるってこと?
「ふふ、分かった?」
「あうあう」
「これを感覚でやってるんだよ、ジルは。腹立つよねー、ふふふ」
ライが乾いた笑みをもらす。
分かる、分かるよライ。
僕も腹が立ったので、一発殴ってみた。
胸筋が固かった。
「ん?どうした?」
頭を撫でられた。
解せぬ。
「あ、もうとれたみたいだよ、『魔力感知』のスキル。こんなに早くとれるなんて、すごいじゃないか!」
やったね!
「ウィル君、せっかくだから、テムとファムの魔力も感知してみなよ」
そう言われたのでまずは、テムを見る。
「ふんふーん、オレも結構魔力持ってんだぜ!」
ドヤ顔のテム。
難しい。結構な速さで動き回ってるから。
何とか集中して、スキルの手助けもあってかテムの魔力が分かった。
テムも均一な魔力だ。羽まで綺麗に魔力が通っている。
「すごいだろー!」
ええすごいですとも。
その通りなので大人しく頷く。思わず半目になったのは、きっと目が疲れたせいだ。
よし、今度はファムだ。
「ぼくの魔力はそんなに多くないから恥ずかしいなあ」
多くないのか?でも僕が感知できるから···って、え?
魔力が強い部分と弱い部分が混ざりあって、複雑な模様みたいだ。しかも常時変化していて目まぐるしい。こんなこと、常にしてるのか?無意識で?
「ウィル君、ファムは特殊だからね。こんなことしようと思ったら脳が焼き切れるよ。ほんと、嫌になるよ、ふふふ」
そ、そうなのか。もう乳白色のプリティなボディには騙されないぞ。
それとライ、気を確かに。
「ふふふ、どうやらウィル君は私の仲間のようだからね、お互い頑張ろうね」
ライが伸ばした手をがしっと掴んで握手を交わす。
僕とライが固い友情で結ばれた瞬間だ。
「おい、俺も仲間だ」
ジルが入ってきた。
ジルさんや、僕とライに喧嘩を売っているのかい?
「ジルは私とは違うでしょう」
そうだそうだ!
「ん?ああ、そうか。俺は父親だな」
そ···そうだっ!
ふふん、と言いたげなジルに、僕とライは敗北した。
「ふふふ、それじゃあ、魔力感知も手に入ったことだし。あとは習熟度を上げる練習をしようね。小さな魔力や、体外に放出された魔力も感知できるようになろう。術式や物に付与された魔力なんかも感知できると便利だよ」
まだまだ先は長いな。
でも僕は一歳児だし!時間はある!
チートを目指して努力していこう。
名前:ウィル
種族:人族
年齢:1
レベル:0
スキル:成長力促進、言語理解、魔力操作、魔力感知
魔法:
耐性:
加護:リインの加護
称号:異世界からの転生者、黒龍帝の愛息子
外はまだ明るいから、寝ていたのは二、三時間ほどだったのだろう。
僕が寝ている間に、大人?達は食事を済ませ、片付けをして雑談していたようだ。
「おはよう、ウィル君。よく眠れたかい?」
寝起きにイケメンの笑顔は眩しすぎる。
「ブハハ、まだ半目だな!」
違うんです。眩しいんです。
しばらくして目が開いたところで、練習再開となった。
「もう魔力操作のスキルはとれたから、あとは習熟度を上げていけば大丈夫だよ。より精密に動かせるようになろうね」
目指すは転移と収納チート!
「それは日々の練習で行うとして、今日はお昼前に言った、『魔力感知』スキルの習得を目指そうね」
魔力感知か。確かジルが得意なんだよな、とジルを見る。
「・・・感じろ」
そうだ。このドラゴン、感覚派だった。
「ふふふ、それじゃあ分かんないよね?」
ライ、君だけが頼りだ。
「ウィル君は、体内にある魔力はもう分かるよね?その魔力に向ける意識を、自分の体内ではなく他の人の体内に向けてみてごらん」
うむむ。難しいぞ。
「最初に私の魔力を君の手に流したから、私の魔力は感じたよね?その魔力を思い出して、私に意識を向けてごらん」
なるほど。ライの魔力は・・・暖かくて柔らかい感じだった。
ライに意識を向ける。
ぼんやりだがこれが魔力だろうか。ライの体内でゆっくり動く塊がある。
「どうやら分かったみたいだね」
動く魔力の塊を目で追っていると、ライがそう言った。
「今、魔力を集めて動かしていたんだ。目で追えてたから、大きな魔力は感知できているよ」
やった!
「それじゃあ、他の人の魔力も分かるかな?まずはジルの魔力を感知してみてごらん」
ジルの魔力はどんな感じなのだろう。
ジルに抱えられた状態で、ジルの体内に意識を向ける。触れている分、分かりやすいような気がする。
魔力···魔力···
え、身体中に魔力がある?しかも、魔力の強さがどこも同じに感じる。僕が感知できるってことは、それなりに大きな魔力ってことだから···身体中を大きな魔力で均一に満たしてるってこと?
「ふふ、分かった?」
「あうあう」
「これを感覚でやってるんだよ、ジルは。腹立つよねー、ふふふ」
ライが乾いた笑みをもらす。
分かる、分かるよライ。
僕も腹が立ったので、一発殴ってみた。
胸筋が固かった。
「ん?どうした?」
頭を撫でられた。
解せぬ。
「あ、もうとれたみたいだよ、『魔力感知』のスキル。こんなに早くとれるなんて、すごいじゃないか!」
やったね!
「ウィル君、せっかくだから、テムとファムの魔力も感知してみなよ」
そう言われたのでまずは、テムを見る。
「ふんふーん、オレも結構魔力持ってんだぜ!」
ドヤ顔のテム。
難しい。結構な速さで動き回ってるから。
何とか集中して、スキルの手助けもあってかテムの魔力が分かった。
テムも均一な魔力だ。羽まで綺麗に魔力が通っている。
「すごいだろー!」
ええすごいですとも。
その通りなので大人しく頷く。思わず半目になったのは、きっと目が疲れたせいだ。
よし、今度はファムだ。
「ぼくの魔力はそんなに多くないから恥ずかしいなあ」
多くないのか?でも僕が感知できるから···って、え?
魔力が強い部分と弱い部分が混ざりあって、複雑な模様みたいだ。しかも常時変化していて目まぐるしい。こんなこと、常にしてるのか?無意識で?
「ウィル君、ファムは特殊だからね。こんなことしようと思ったら脳が焼き切れるよ。ほんと、嫌になるよ、ふふふ」
そ、そうなのか。もう乳白色のプリティなボディには騙されないぞ。
それとライ、気を確かに。
「ふふふ、どうやらウィル君は私の仲間のようだからね、お互い頑張ろうね」
ライが伸ばした手をがしっと掴んで握手を交わす。
僕とライが固い友情で結ばれた瞬間だ。
「おい、俺も仲間だ」
ジルが入ってきた。
ジルさんや、僕とライに喧嘩を売っているのかい?
「ジルは私とは違うでしょう」
そうだそうだ!
「ん?ああ、そうか。俺は父親だな」
そ···そうだっ!
ふふん、と言いたげなジルに、僕とライは敗北した。
「ふふふ、それじゃあ、魔力感知も手に入ったことだし。あとは習熟度を上げる練習をしようね。小さな魔力や、体外に放出された魔力も感知できるようになろう。術式や物に付与された魔力なんかも感知できると便利だよ」
まだまだ先は長いな。
でも僕は一歳児だし!時間はある!
チートを目指して努力していこう。
名前:ウィル
種族:人族
年齢:1
レベル:0
スキル:成長力促進、言語理解、魔力操作、魔力感知
魔法:
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加護:リインの加護
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