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最果ての森編

3. イケメンと食事

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 さっきステータス画面を見られたかと思ったが、どうやら他人には見えていないらしい。
 消えろと念じると、画面が消えた。


 男に抱えられて入ったのは、玄関にほど近い部屋。
 ここはリビングなのだろう。テーブルと、椅子が数脚置いてある。

「ここで少し待っていろ」

 そう言って男はクッションをいくつも置いた椅子に僕を座らせる。
 体が小さいから、テーブルの高さに届くよう考えてくれたのだろう。

 僕がポスンと座ったのを確認して、男が傍を離れる。

 優しい。優しすぎる。
 心までイケメンかよ。
 
 そう悶えていると、男が皿を持って戻って来た。

「あう~」

 クリームシチューのような見た目のスープだ。めちゃめちゃ美味しそうな匂いがする。

「食えるか?」

「あう!」

 もちろん!いただきますとも!

 スプーンを持ち、···持てない。指先の感覚がなかなか掴めない。
 あわあわしていると、グラッと体が揺れた。クッションでは不安定だったようだ。
 倒れる!と思ったが、男がサッと動き、体を支えてくれた。

 イケメンかよ。

 そのまま座らせてくれると思ったが、何故か抱えられ男の膝の上に座らせられる。

「クッションでは不安定だからな」

 イケメンかよ!!

 男がスプーンでスープを掬い、僕の口元に近づけた。
 食べさせてくれるのか!
 恥ずかしいが、自力では食べられないのでありがたく口を開ける。
 しかし男は突然スプーンを持ち上げて自分の口元に。

 なんだよ!いじわるか!
 羞恥プレイの上にいじわるか!

 そう思ってキッと男を見上げると、スプーンにフーっと息を吹きかけていた。

「ほら、これで熱くないはずだ」

 なんだよ!ちくしょう!
 イケメンかよ!!!

 やけくそ気味にぱくんと食いつく。
 美味しいじゃないか···。

 もぐもぐ。

 ぱくん。

 もぐもぐ。

 ぱくん。

 スプーンを口元に近づけるタイミングが丁度いい。
 これがイケメンのスキルなのか。
 恐るべし。


 イケメンの膝の上であーんして食べさせられた、適度に冷まされたスープはめちゃめちゃ美味しかった。


 腹一杯食べたらまた眠たくなってきた。
 色々考えたいこともあるのに。
 まあ、次起きてからでいいか。
 ···そういえば、この人の名前はなんだろう。
 まあ、そのうち分かるか。

 とりとめのないことを考えながら、再び眠りに落ちていった。

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