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私はリアの言葉が気になっていた


『君のメイドさん……アンさんなら詳しいかもね。魔法の知識は彼女はすごいから』

アンは魔法の存在がわかる国の出身なのだろうか

もんもんと悩んでいるのも性に合わず、アンを呼びに行こうとしていると、扉が開きアンが紅茶を持ってきてくれていた


「あ」

「お嬢様、どうぞ」


私の前にテキパキと紅茶を置く
アンは本当に良くできているメイドさんだと思う


「あの、アン。お話があるの」

「何でしょう?」

「と、とりあえず座ってもらっていいかな」


私の言葉に小さく頷き、私の前の席に座ってくれる


「あのね、アン……」

「この前のリナリア様の件ですね」


心の中を見透かされたかのような言葉にドキッと胸が跳ねる


「リアからね、魔法について聞いたの」

「はい」

「それでね、アンが……魔法について詳しいってきいたのだけれど、そうなの?」


アンはすっと目を伏せてから、小さく頷いた


「私の家系は魔法使いが生まれる家系でした」


予想外の言葉に、私は息を呑む


「…私の母も、兄も魔法を使えました。けれど魔法のせいで私の従姉妹…その家族はぐちゃぐちゃになりました」

「そんな……」

「……お嬢様の様子がこの前からおかしい事に気づいていました」

「え、えっと」


とっさのことに何も言えずに俯いてしまう
そんな私に気を使ってなのかアンは続けた


「お嬢様は、もしかしたら転生…生まれ変わり…何かしらを知っているのではないか、と」

「っ……」

「この前、リナリア様との会話を立ち聞きしてしまいました。本当に申し訳ありません」



アンは知っていたのだ
私が転生者だろうということも、何者かにはめられていることも


「……お嬢様、私は今は魔法を使うことはできません。色々な事情があって、ですが」

「そんな、気にしないで。魔法を使ってほしいわけじゃないの」

「はい、わかっています」

「……魔法について教えてほしいの。もしかしたら私の知らない誰かが……魔法を使っていたりするのかもしれないって…」


私の言葉にアンは微笑み、わかりました、とだけ答えてくれた


「魔法は国によって発現のための行動、準備が違います」

「行動…?」

「はい、基本は魔法を使っているのがわかるのは目、です」


そう言ってアンは自分の目を指差した


「目…?」

「はい、瞳の色が魔法を使っている間変わったりします。私の家系は赤くなります」


そう言ってアンは小さく何かを呟くと同時に瞳がうっすら赤みを帯びていた


「えっ…」

「今は使えませんので、発動の条件だけを整えてみました。こんな感じです。」

「なるほど……」

「他にも……」


そうしてアンは沢山のことを教えてくれた

曲や歌で精霊の力を借りる魔法
精霊の祝福を受けて使えるようになる魔法
精霊を使役して使える魔法
魔法道具を使って使う魔法
花の魔法と呼ばれる魔法を使う人々や
血筋で天性の才能の場合もあることも

その場合でも基本は瞳が輝くらしい


アンは暫くの間、魔法についての事と他の国のことについて教えてくれるらしい
明日からの勉強に若干憂鬱になるがこれもこの世界を生きるため、と自分に言い聞かせて私は勉強を乗り切るのだった
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