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私が何をしたのだろう
今日ほど絶望した日は無いかもしれない
もちろん前世は除くけども
あれから数日後、二人のご令嬢と挨拶をすることになり出会えたのだが……
案の定、というか
なんというか……
「まただよぉ……また敵対されてるよぉ……」
ため息を漏らしながら泣き言を叫ぶ
一人っきりの部屋で、机の前に座りノートを取り出し書きなぐる
5人目【キスイセン・ネート】彼女はライバル令嬢の一人
金髪のゆるふわカールの長い髪に黄緑色の綺麗な瞳
とても整って可愛らしい顔立ちをしている
ゲームではレモンに対して厳しく指導するくらいで悪役、ではなくライバルと言う言葉がぴったりな性格だった
出会ったときから冷めた目で見られていたし、話の返事もそっけなかった
なぜここまでみんなに冷たくされるのだろうか
悲しくなりながらももう一人の名前も書き込む
6人目【フクシア・シーネ】
彼女もライバル令嬢の一人だ。
桃色の短めの髪に、瞳も桃色の女性。案外ファンが多いキャラだったと思う
リンドウを慕っており、リンドウと仲のいいレモンに嫉妬していじめに加担するキャラだった
実際、リンドウとは仲良くもないのにこんなに序盤から嫌われるとは……
もちろん、2人の令嬢はゲーム開始…つまり学園に入ってから出会うはずだった
どうせなら二人とも仲良くなりたかった……
そう考えてた
目尻が熱くなる
泣きそうになりながら二人の名前の下にバツをつけた
「このままで大丈夫なのかな」
ポツリと泣き言が漏れる
「何が?」
背後からの声に私はびっくりして振り返る
目にうつった黒髪を見て、私は安心して息を漏らす
「レモンから返事が無くてさ。心配で」
「返事がないからってレディの部屋に窓から入るのもどうかと思うわ」
「悪い悪い」
私の背後にいたのは唯一の友人、リアだった
リアの背後でカーテンが揺れていたから、窓から入ってきたのだろう
彼はたまに窓から入ってきては私を驚かせてくるのだった
「で……それ悩んでるってこと?」
「そうなの。リアにしかまだ話してないし、他の人は信じてくれないと思ったから…内緒だからね?」
私は隠しきれないと思い、リアに全部を話した
私が転生者、だと言うこと
そしてここが前世ではゲームになっていたということを
全て
「レモンが……ね」
悩むような声に、私は悲しくなる
やっぱり信じてもらえなかったのだろうか
そう思い。私は俯く
唯一の友人もこれで失くしてしまったかもしれない……
「そんな不安そうな顔すんなよ」
「え……?」
「俺はレモンのことを信じるし、内緒にするよ」
「え、ぁ……本当に?」
「あぁ、もちろん」
リアの笑顔に、私は泣きじゃくってしまうのだった
前世を含めて、初めて人にしがみついて泣いたかもしれない……
そう考えながら、私は泣き続けるのだった
今日ほど絶望した日は無いかもしれない
もちろん前世は除くけども
あれから数日後、二人のご令嬢と挨拶をすることになり出会えたのだが……
案の定、というか
なんというか……
「まただよぉ……また敵対されてるよぉ……」
ため息を漏らしながら泣き言を叫ぶ
一人っきりの部屋で、机の前に座りノートを取り出し書きなぐる
5人目【キスイセン・ネート】彼女はライバル令嬢の一人
金髪のゆるふわカールの長い髪に黄緑色の綺麗な瞳
とても整って可愛らしい顔立ちをしている
ゲームではレモンに対して厳しく指導するくらいで悪役、ではなくライバルと言う言葉がぴったりな性格だった
出会ったときから冷めた目で見られていたし、話の返事もそっけなかった
なぜここまでみんなに冷たくされるのだろうか
悲しくなりながらももう一人の名前も書き込む
6人目【フクシア・シーネ】
彼女もライバル令嬢の一人だ。
桃色の短めの髪に、瞳も桃色の女性。案外ファンが多いキャラだったと思う
リンドウを慕っており、リンドウと仲のいいレモンに嫉妬していじめに加担するキャラだった
実際、リンドウとは仲良くもないのにこんなに序盤から嫌われるとは……
もちろん、2人の令嬢はゲーム開始…つまり学園に入ってから出会うはずだった
どうせなら二人とも仲良くなりたかった……
そう考えてた
目尻が熱くなる
泣きそうになりながら二人の名前の下にバツをつけた
「このままで大丈夫なのかな」
ポツリと泣き言が漏れる
「何が?」
背後からの声に私はびっくりして振り返る
目にうつった黒髪を見て、私は安心して息を漏らす
「レモンから返事が無くてさ。心配で」
「返事がないからってレディの部屋に窓から入るのもどうかと思うわ」
「悪い悪い」
私の背後にいたのは唯一の友人、リアだった
リアの背後でカーテンが揺れていたから、窓から入ってきたのだろう
彼はたまに窓から入ってきては私を驚かせてくるのだった
「で……それ悩んでるってこと?」
「そうなの。リアにしかまだ話してないし、他の人は信じてくれないと思ったから…内緒だからね?」
私は隠しきれないと思い、リアに全部を話した
私が転生者、だと言うこと
そしてここが前世ではゲームになっていたということを
全て
「レモンが……ね」
悩むような声に、私は悲しくなる
やっぱり信じてもらえなかったのだろうか
そう思い。私は俯く
唯一の友人もこれで失くしてしまったかもしれない……
「そんな不安そうな顔すんなよ」
「え……?」
「俺はレモンのことを信じるし、内緒にするよ」
「え、ぁ……本当に?」
「あぁ、もちろん」
リアの笑顔に、私は泣きじゃくってしまうのだった
前世を含めて、初めて人にしがみついて泣いたかもしれない……
そう考えながら、私は泣き続けるのだった
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