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坂田れいな。

それが私の名前だった


そう、私の名前だった


よくある不幸話にはなるかもしれないけれど
私は両親に嫌われていた。家では空気扱い
学校では親友にはめられ、いじめに

それで引きこもっていた私は両親に…………




そんなことは置いておいて、私は転生というものをしたらしい
赤ちゃんの頃から前世の記憶があったわけではない

現在6歳のなのだが……押されて転んでしまい、膝を擦りむいた所でいろんな事を思い出したのだ

呆然としている私を見て近くに居たメイドが慌てて駆け寄ってきた


「レモン様!!大丈夫ですか!?」


そう、私の新しい名前はレモン…
レモン・ネーディア

前世…れいなだった時にこの名前はよく見ていた
そう、よく見ていた……


「レモン様…?」


メイドの心配している大きな声に、私はハッとする


「大丈夫です。心配かけてごめんなさい」

「歩け、ますか?」

「大丈夫よ、ほら」


そうやって私が立ち上がって飛び跳ねるとメイドは慌てて私を止めた

私はバリバリ元気なのに…
まぁ、確かに少し痛いけど…

そう思ってると膝から更に血が溢れた


メイドが更に顔を青ざめさせた
彼女が心配する理由もわかるから、わがままは言えない

私は大人しく彼女に従うことにした

ふと思い出し、私は振り返って呆気にとられている、私と同い年の少年……【アカシ・クラーメ】にお辞儀をした


「怪我をしてしまいましたので、お先に失礼します。また後日にでも改めさせてくださいませ」


それだけ言い捨てると部屋へを連れて行かれた











✗✗✗




部屋につくと私の専属メイドのアンに怒られた

めちゃくちゃに怒られている

そんなに怒らなくてもいいじゃないか……


「レモン様、聞いていますか!あれだけ起きをつけてと」

「ごめんなさい」

「反省しているのならいいのですが…」


まだぶつぶつと何か言っているが、私は思いきって声をかける


「あの、アン……少しの間でいいの。一人にしてほしいんだけれど…」

私の様子にアンは何かを察したのか、はい、と一言だけ告げ、部屋を出ていった


一人になった部屋を見回す


前世では何度も背景やスチルで見た部屋に、私は居た

そう、ここは多分……いや絶対、前世で私のやっていた乙女ゲーム……【フラワーラブ~花言葉はきみのために~】略して【フララブ】の世界だろう……

前世で好きだったゲームに来れたのはすごく嬉しい…けれど少し不安があるのだ……


私は鏡の前に立ち、自分の姿をみて、ため息を漏らした

私の不安要素、これさえなければ…いや、それ以外にも不安要素はいくつかあるのだった……
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