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3章 ホントの理由

私のホント

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毎日毎日、兄に甘やかされる生活が続く中、セナが家に遊びに来たい、と言い始めた

セナ曰く、私の兄が気になるらしい
恋愛的な意味で


いつもそう。
私の好きな人はセナを好きになった
だから雪愛もセナを選ぶ

そう、思った……


「あのさ、雪愛」

「ん?どうしたの?ほしいものでもある?」

「違くて、その、友達をさ、家によんでいいかな」

「あぁ、いいよ。海愛が呼びたいなら好きに呼んで」


優しく微笑んでくれる雪愛…
この人が幸せになれるなら、私の役目はおしまいだ
見守る側にいることも無くなる

そしたら私は彼氏でも作って幸せになれる

「ありがと」

「海愛…?」

不思議そうな顔をする雪愛
あれ?なんで悲しそうな顔をするの?


「海愛、なんで泣いてるの…」

そっと雪愛が目尻を拭いてくれる
あぁ、私泣いてたんだ

「ごめんなさい、なんでもないの」

「その友達が嫌いなの?」

「違うっ、違う…」

セナは親友だ、私の彼氏が好きになってしまうのも、何もかも、私じゃなくてセナに魅力があるからだ

だから今回も…

そう思った瞬間涙が溢れた


「っーー……」

「海愛、おいで」


そっと抱きしめられた
ぬくもりが懐かしくて、とても愛しくて
その日は泣きながらすがりついてしまった


神様、本音を言わせてください
私は彼が…イケ男が…


ううん



雪愛が好きです

今日限りで、諦めます、だから








今日だけは、このまま泣かせてください


私はその日、泣き疲れて眠ってしまうまでずっと彼に抱きしめられていた

夢なら覚めませんように、と願いながら……
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