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1章 大嫌いな義兄

最悪の日

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慌てて家に帰れば、そこには母と二人の男性の姿が…

嫌な予感はコレだ

あぁ…昔から…いや、前世から私の感はよく当たる

あ、私これを活かして占い師になろうかな

なーんて現実逃避をしていたら、母さんが私を見て嬉しそうに駆け寄ってきた

「海愛~!おかえりなさい」

たっぷり愛情のこもったハグをされ、一瞬意識が飛ぶかと思った、いや、飛んだ

この母は子供を殺す気か!?

「君が、海愛ちゃんだね」

優しそうなおじ様が私に笑いかける。
よく言う、ダンディー?なおじ様だ
仮にダン男と呼ぼう

センス?そんなものは昔から持っていない!
なんなら前世でも散々言われた気がする!

「あ、は、はい。海愛です」

弥宵母さんからよく聞いているよ、私は森野 悠もりの かなた、よろしくね」

「は、はぁ」

ニコニコと優しそうなダン男さんですことで…
母さんは嬉しそうに私を見つめ
どう?どう?気に入った?どう?
と言うかの如く後ろに見える尻尾幻覚を振っている

「えっと…海愛ちゃん、すぐに返事をとは言わないけれど、良ければ弥宵さんと結婚をしたいと思っているんだ」

ダン男さんは私の目線に合わせて屈んでくれた

なるほど、母さんのタイプだ。
母さんが幸せになれるのなら私は構わない、構わないのだが!!

「あ、あの、ダン…森野さん、そちらの方は…」

あっぶない。もう少しでダン男さんと呼ぶところでした…

「あぁ、彼は私の息子だよ。ほら、雪愛ゆきあ、挨拶なさい」

ダン男さん、もとい森野さんの言葉に振り返った雪愛くん…

その顔を見た途端、私は目の前が真っ暗になった

遠くから母さんが叫ぶ声がする
森野さんも慌ててるみたい…

あぁ、嘘だと言って…

「ちょ、父さん!これ、大丈夫なの!?」

声も見た目も…変わらない

私の好きな落ち着いた声





間違いない



彼は……前世の恋人だ…

そう、思考がまとまったところで完全に意識が飛んだ…

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