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「お前、誰?」
目の前に立つ茶髪の男子生徒
彼は私の一つ上の先輩に当たる
彼の学校と私の学校は別。
だから放課後に校門前で待っていた
「えっと……」
それは何十回も繰り返された言葉
「誰かの知り合い?」
彼の周りの友人たちは首を横に振る
そう、私はあなたに会いに来たんだから……
彼の名前は四ノ宮和紀。私の憧れの人
「私、一ノ瀬葉月って言います」
何度目になるかわからないはじめましての挨拶
私は彼のことをよく知っている
でも、彼は私のことをもう……知らない
「ふーん?で、何の用??」
「あの、四ノ宮先輩」
「……なに?」
めんどくさそうな声を出し、気だるげに私を見た彼
私は緊張からか、震える声で声をかける
「私、先輩が……四ノ宮先輩のことが好きです!」
「は…?」
私の突然の告白に、四ノ宮先輩は間の抜けた声を漏らす
このやり取りももう、何回目だろうか
彼の友人たちもあの人変わらず、彼のことをからかう
「あー……まぁ、その、ありがと」
照れたように言う彼に、もう一声かける
「付き合って、くださいっ」
何度言っても緊張してしまう。
今日も声が震えてしまった
この後の彼の返事は決まっている
「いーよ。彼女いないし」
「ありがとうございます、四ノ宮先輩」
嬉しくて笑みが溢れる
でも、この後の言葉はいつでも私の心を刺す
「俺、多分君のこと忘れるけどいい?」
真剣な目をして私を見てから続けた
「俺、記憶がもたないんだよね。ある程度は残るんだけど……特に恋愛になると記憶は無くなりやすいんだよね。まぁ、事故にあってからだから、そのせいなのかもしれないけどね」
ため息を漏らす先輩に私は笑顔で返事をする
「どんとこいです!!四ノ宮先輩が忘れても何度でも何回でもこうやって告白します!」
私の返事に先輩は驚いたような顔してから吹き出した
「ははっ、じゃあ、俺が忘れるまでの間、よろしくな?」
「はい!!」
そしてまた、私と彼の約2週間の契約が始まったのだった…
目の前に立つ茶髪の男子生徒
彼は私の一つ上の先輩に当たる
彼の学校と私の学校は別。
だから放課後に校門前で待っていた
「えっと……」
それは何十回も繰り返された言葉
「誰かの知り合い?」
彼の周りの友人たちは首を横に振る
そう、私はあなたに会いに来たんだから……
彼の名前は四ノ宮和紀。私の憧れの人
「私、一ノ瀬葉月って言います」
何度目になるかわからないはじめましての挨拶
私は彼のことをよく知っている
でも、彼は私のことをもう……知らない
「ふーん?で、何の用??」
「あの、四ノ宮先輩」
「……なに?」
めんどくさそうな声を出し、気だるげに私を見た彼
私は緊張からか、震える声で声をかける
「私、先輩が……四ノ宮先輩のことが好きです!」
「は…?」
私の突然の告白に、四ノ宮先輩は間の抜けた声を漏らす
このやり取りももう、何回目だろうか
彼の友人たちもあの人変わらず、彼のことをからかう
「あー……まぁ、その、ありがと」
照れたように言う彼に、もう一声かける
「付き合って、くださいっ」
何度言っても緊張してしまう。
今日も声が震えてしまった
この後の彼の返事は決まっている
「いーよ。彼女いないし」
「ありがとうございます、四ノ宮先輩」
嬉しくて笑みが溢れる
でも、この後の言葉はいつでも私の心を刺す
「俺、多分君のこと忘れるけどいい?」
真剣な目をして私を見てから続けた
「俺、記憶がもたないんだよね。ある程度は残るんだけど……特に恋愛になると記憶は無くなりやすいんだよね。まぁ、事故にあってからだから、そのせいなのかもしれないけどね」
ため息を漏らす先輩に私は笑顔で返事をする
「どんとこいです!!四ノ宮先輩が忘れても何度でも何回でもこうやって告白します!」
私の返事に先輩は驚いたような顔してから吹き出した
「ははっ、じゃあ、俺が忘れるまでの間、よろしくな?」
「はい!!」
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