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第一章

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「今日は一段と体調が良さそうですね。」

朝飯のスープを平らげ、庭に出た。 
 
今日は曇っていたので、昨日より辛くなかった。

いつもより気分がいいがジネウラがいないと心細くて探してしまう。

「動けそうなら手伝ってください。」

ジネウラの隣で座って洗濯物を広げて、渡す。

「水浴びになりますが、少し体を洗いましょうか?」

昨日、臭いと言われたのを思い出して頼んだ。

側の小さな川原でジネウラが石鹸をたっぷり泡立てて頭に塗る。

「石鹸があるのか。」

多少高価だ。

誰でも買うわけではない。

昔、医師だったと聞いたが、森の奥にひっそりと暮らす老人宅にあるのが意外だった。

「ばぁばが作れるので。近くの町に売ってるんです。気分はどうですか?」

「悪くない。」

「きつくなる前にすぐ部屋で休みましょう。歩く体力を残してくださいね。」

「わかった。」

年寄り二人とジネウラでは俺を運べない。

「痩せましたね。」

「そうか?」

そう言われて自分の手を見ると、むちむちしていた指や手首の関節にはくびれが出来て腕は筋肉と欠陥が浮いている。

「…そうだな。」

醜い姿を見たくなくて普段から鏡を見ていなかった。

「体に栄養が多かったからまだ大丈夫だったんです。」

「無駄な肉が役に立ったか。」

川原に頭を出して、ジネウラが水をかけて流してくれる。

「頭は終わりました。背中も洗いますか?」
 
「頼む。気持ちいい。」

水が冷たくて震えたが、垢が落ちる感覚が気持ちよかった。

それにジネウラの指が気持ちよかった。

荒っぽいのに、触る時は優しい。

1週間ほど続いた看病のせいで、目の下に隈が出来ている。

殺すはずならこんなことしない。

「ジネウラじゃなかったんだな、毒。あだっ!」

指をでこぴんの構えにし、俺の額をまた狙う。

「もう言わない、すまない。」

「旦那様が毒殺されたら我が家の咎になります。本当に、無駄な肉に感謝です。あっ、ちょっ、と。」

俺の向かいに屈んだ拍子に服の隙間から胸元の谷間が見えた。

頭が鈍ってるのに、触りたいと思い付いたまま行動した。

さっと手を出して服を引っ張ると簡単にぽろんとこぼれた。

「わわ!出たっ。この服、緩くないか?」

「自分でしといて驚くんですか。ばぁばの、昔のを借りてるんです。わ!手ぇ、つめたっ!」

逃げられないように下ろした胸元の服をがっしり掴んで、隠そうとする腕より早く柔らかい丸みを掴む。
 
「ちょっと、この。…スケベ。離して。」

じろっと睨まれたが、やめたくない。

「夫婦だから、いいと言った。胸くらいって。さ、触りたい。いや、もう触るっ。」

体力が落ちたと言っても男と女だ。

強く引き寄せたら、簡単によろけて俺の前に倒れてきた。

胸に顔を寄せて片手で揉むと、ジネウラが両手で俺の顔を押し返す。

おかげで丸い膨らみが。

曇っているとは言え明るい昼間の光の下に晒された。

丸くて白くて大きい。

白い山のてっぺんにポツリとピンク色の突起が立っている。

「バカですか、外は嫌ですよ。しかもこんな石だらけのところ。痛いじゃないですか。本当にいや。」

「わかった。こっち。」

大判のタオルを柔らかい草むらに投げるように広げ、無理やり引きずって寝かせる。

「いや、だから外が嫌だってば。」

「触りたい。いやだ。」

腕を無理やり下に向けさせる。

上からのしかかり、ジネウラの胴と腕をまとめてに膝に挟んでしまえば何も抵抗出来ない。

「うぅっ。お、もい。やめ、てよ。」

「ごめん。でも、我慢できない。なんでかわからない。」

「ほんと、ばか。いやだ、つめた…」
 
濡れた髪の毛が顔を寄せて肉に埋める度、雫がかかる。

嫌がって身動ぎするが、やめられなかった。

「気持ちいい、柔い。…柔い。ごめん、こんなの、初めてでごめん。」

舐めたり噛んだり。

嫌がってるのに。

苦しそうに歪んだ顔も、白い肌に歯形が赤くつくのも、余計興奮した。

「体重、かけ、ないで。お、もい。…息が、苦しい。」

「いやだ、逃げる。」

退いてあげなきゃと、思うのに。

「ずっと触りたかった。ジネウラの。」

突起に吸い付くとジネウラの体が固く強張った。

「う、んんっ。」

首をのけ反らせて、俺が締めたアザが見える。

手の形にくっきりと。

「…ひっ。」

首に手を添えると怯えてガクガク震え出した。

「ごめんね、ごめんね。ジネウラに酷いことして。」

優しく撫でた。

「こ、こわい。触るのは、やめ、てっ。」

「うん。触らないから。」

首のアザをベロっと舐めて吸い付く。

舐めてアザが薄くなるわけじゃないけど。

それでもたくさん舐めた。  

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