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番外編※ラド

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「再婚?マジか」

信じられなくて上にかざしたり斜めから読んだりバカみたいなことしてる。

親父からの手紙を何度読み直しても“再婚する”って書いてあった。

相手はこの間初めて連れてきたド派手な美人。

顔と体が良すぎて緊張するし目のやり場に困った。

嫁達は有名人が来たようなはしゃぎっぷり。

イケおじの親父が来るといつも喜ぶ義母と義妹が混じって勝手にご近所さんまで呼ぼうとしたから止めた。

休みでふたりとも来てるんだから疲れさせるのは止めてくださいってね。

ごねて大変だった。

まあ、はしゃぐ気持ちは分かる。

王宮勤めの洗練されたふたりの存在は家の中がいつも以上に明るくなって眩しかった。

自慢の親父だし、初めて招いた連れも好感持てた。

でもあの時から付き合ってたんか?

そんな感じに見えなかったけど。

女の勘を持つ嫁も気にした感じじゃなかったし。

こっそりなんで連れてきたん?と尋ねるとしばらく考えて、落ち込んでたから気分転換させる必要があったと答えてた。

上の指示って言ってたし、そこまで気を使うなら王宮で重要な人物ってことだよな。

見た目じゃ分からなかった。

全然偉ぶった感じがないし上品な美女って以外は普通。

派手な見掛けのわりに服装と話し方が大人しかった。

俺達と混ざって話すよりうちの3歳の娘を気にかけて目を離さない。

何かと話しかけて微笑みを向けていた。

うちの娘はよその人が苦手ですぐに逃げるのに、珍しく自分から寄ってお気に入りのオモチャまで貸して。

舌ったらずな娘は“ルーラ”と言えずに“ルゥお姉ちゃん”となついて離れない。

仕舞いにはソファーから引っ張ってラグに座らせて膝に乗って喜んでた。

いい匂いと抱きついて喜ぶ娘のアディが可愛くて止めそびれたけど、客人を床に座らせるなんてと嫁が慌てたのにルーラさんはおっとりと笑って“私がさせてほしいんです。こうやって遊ぶのは楽しいので”と目を細めた。

そう言われてもどうしようかと気になって親父を見ると好きにしなさいとルーラさんに声をかけて微笑んでた。

その笑みを見て懐かしいと俺は顔が緩んだ。

子供の頃、俺達にいつも見せてた顔だったから。

それを思い出してああいう感じならお互いの関係は悪くないんだろう。

でも後妻にしちゃぁ若すぎてビミョー。

戸惑う。

親父、何やってんの。

再婚相手は美人で若くて子供好き。

年齢を聞いてないが見た目は20そこらくらい。

俺より若そう。

確かに親父はイケおじだけど親子ほど年が離れてるのにあんな美人がおかしいじゃん。

選び放題だろ。

他に男いたんじゃねえの?

てかいるかも。

金目当て?何?

疑い始めたらもうだめだ。

「……微妙」

本音が口からも漏れる。
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