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二人の幸せそうな顔を眺めてラフィネは満足と頷き背もたれから肘を離した。
ラフィネがハンカチで手を拭う間も二人のキスは続く。
「私はお二人の忍耐に感服いたしますわ、特にあなた」
ちらっとヨルンガはラフィネに視線を送り目礼する。
ただ黙々とふわふわのシフォンの上から足と背中を柔らかく触れてマッサージするだけ。
それだけを許された。
「平気かしら?」
「耐え難いものはありますが、喜びもございます」
「そう」
じっと観察するラフィネの視線の意図に気づく。
「リリィ様のお喜びのお手伝いが出来るなど夢のようです」
ヨルンガがラフィネに弁えていることを伝えると視線が和らいだ。
それならよろしいと生徒に向けるような物言いで頷いた。
ロルフとリリィは愛し合っている。
ヨルンガの出る幕はないと本人が分かっている。
それでも諦めきれず。
肉だけが欲しいのではない。
無理に奪って悲しませることも望まない。
リリィの愛情が欲しい。
侍従の枠を越えた行動を許された。
リリィの恋するロルフへの愛情とは違うが、それに許容されたことに愛情を感じた。
「は、ああっ、あ、く、苦しぃ、」
ヨルンガとラフィネがのんびりと会話をしているうちに興奮を抑えられなくなったロルフがリリィの唇を乱暴に貪っていた。
「リ、リリィ、可愛い、ん、」
「んん、んんっ、いき、でき、な」
もがくが小さなリリィはただ抱き締めるロルフの腕の中ではびくりとも出来ない。
やめてと懇願するくぐもった声に変わっていた。
ヨルンガはその様子に嫉妬と欲情からカッと血が滾るのにどうしていいのか分からない。
止めようと手を伸ばしたが、強く出ることも出来ず目の前の二人に唸った。
「大変、また寝込ませてしまうわ」
動じないのはラフィネで、さっさとロルフの肩を押し返す。
「あ、すまない。つい、」
「リリィ様を想うならもう少し合わせてあげてくださいませ」
強気なラフィネが優しく諭しながらもご無体は許さないとロルフからぐったりするリリィを取り上げた。
強く握られたらしい腕は少し赤く手形が残っている。
体力の差は理解していたがここまで来ると体を壊してしまう。
小柄で華奢とは言えリリィも日々の乗馬で普通のご令嬢にしてはそれなりに体力があるのにとラフィネは呆れていた。
「ロルフ様、大丈夫です。頑張ります」
自力で立てずラフィネに背中を預けて寄りかかっていたリリィがロルフへと手を伸ばす。
「満足していただけるように。もう他の方のところへは嫌です。私のロルフ様なのに。リース夫人、頑張るので教えてください」
舌ったらずに何でもしますと繰り返す。
「……リ、リリィ、か、わいい。嬉しすぎる」
ロルフは顔を赤くして顔を両手で覆った。
ラフィネがハンカチで手を拭う間も二人のキスは続く。
「私はお二人の忍耐に感服いたしますわ、特にあなた」
ちらっとヨルンガはラフィネに視線を送り目礼する。
ただ黙々とふわふわのシフォンの上から足と背中を柔らかく触れてマッサージするだけ。
それだけを許された。
「平気かしら?」
「耐え難いものはありますが、喜びもございます」
「そう」
じっと観察するラフィネの視線の意図に気づく。
「リリィ様のお喜びのお手伝いが出来るなど夢のようです」
ヨルンガがラフィネに弁えていることを伝えると視線が和らいだ。
それならよろしいと生徒に向けるような物言いで頷いた。
ロルフとリリィは愛し合っている。
ヨルンガの出る幕はないと本人が分かっている。
それでも諦めきれず。
肉だけが欲しいのではない。
無理に奪って悲しませることも望まない。
リリィの愛情が欲しい。
侍従の枠を越えた行動を許された。
リリィの恋するロルフへの愛情とは違うが、それに許容されたことに愛情を感じた。
「は、ああっ、あ、く、苦しぃ、」
ヨルンガとラフィネがのんびりと会話をしているうちに興奮を抑えられなくなったロルフがリリィの唇を乱暴に貪っていた。
「リ、リリィ、可愛い、ん、」
「んん、んんっ、いき、でき、な」
もがくが小さなリリィはただ抱き締めるロルフの腕の中ではびくりとも出来ない。
やめてと懇願するくぐもった声に変わっていた。
ヨルンガはその様子に嫉妬と欲情からカッと血が滾るのにどうしていいのか分からない。
止めようと手を伸ばしたが、強く出ることも出来ず目の前の二人に唸った。
「大変、また寝込ませてしまうわ」
動じないのはラフィネで、さっさとロルフの肩を押し返す。
「あ、すまない。つい、」
「リリィ様を想うならもう少し合わせてあげてくださいませ」
強気なラフィネが優しく諭しながらもご無体は許さないとロルフからぐったりするリリィを取り上げた。
強く握られたらしい腕は少し赤く手形が残っている。
体力の差は理解していたがここまで来ると体を壊してしまう。
小柄で華奢とは言えリリィも日々の乗馬で普通のご令嬢にしてはそれなりに体力があるのにとラフィネは呆れていた。
「ロルフ様、大丈夫です。頑張ります」
自力で立てずラフィネに背中を預けて寄りかかっていたリリィがロルフへと手を伸ばす。
「満足していただけるように。もう他の方のところへは嫌です。私のロルフ様なのに。リース夫人、頑張るので教えてください」
舌ったらずに何でもしますと繰り返す。
「……リ、リリィ、か、わいい。嬉しすぎる」
ロルフは顔を赤くして顔を両手で覆った。
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