4 / 9
番外編
長い両思い
しおりを挟む
馬鹿な男ねぇ。
思ったのはそれだけ。
隣国に名が知れているのは実家の公爵家。
我が家が有名なわけではないのは知っていたけど。
知る人ぞ知るという扱い。
伯爵はお子に興味がなかったのね。
教育されてないから知らなかったのだと思うのよねぇ。
本人も興味がないようだったし。
仕事に精を出しすぎるのも考えものだわ。
子供は勝手に育つわけではないの。
奥方のこともそうよ。
無愛想な空気を持つ方だからなのか夫人に興味がなさそうだった。
それを無視した夫人と夫人の令息。
自慢の息子だと話す夫人に子育ての苦労をいたわるような素振りも言葉もない。
そんな伯爵を気に入らないと視線を一瞬向けたのは見逃さなかったし、“主人と違って”と伯爵を見下して息子を誉めた。
立派な息子に酔っているみたいだったわね。
遠回しに貶されたのに、伯爵が気にしないのか無関心なのか分からなかったけど、夫婦仲の悪さは分かりやすかった。
違うわ。
伯爵は分からない。
ご夫人とご子息が一方的に別物として見てる、といった空気だったから。
どう思ってらっしゃったのかしらねぇ。
妻子のこと。
とてもお綺麗な夫人と絵姿よりも華やかなご子息。
厳めしい顔立ちの伯爵と三人で並ぶと少しちぐはぐ。
でも威厳のある風貌だから傍目には釣り合いがとれていた。
私の夫は娘が選ぶなら良かろうと一言。
私も娘が嫁ぎたいと言うなら止める気はなかった。
気の強いあの子だもの。
躾が出来ると思ったのよね。
嫁いびりで泣き寝入りする根性はしてないから。
まさか躾より処分を選ぶとは思わなかったけど。
しかもこんな鮮やかに。
あちらの有責の証拠をたくさん。
本人から婚約解消を求める書面。
娘はそれらを手土産に帰国したの。
思わず誉めちゃった。
あの子ひとりで花嫁修業に行くのが心配で付き添いたかったけど、あちらの娘になるつもりで行きなさいと送り出した。
大丈夫という確信と不安で苦しかった。
あちらからは強気を装って無理をしてるのが伝わる手紙ばかり届いて、一度顔を見に行こうかしらと思ってた矢先。
ただいまと気軽に帰ってきた。
安心したし、晴れやかな表情に眩しいくらいだった。
若い華やかさだけじゃない。
感傷的な想いから成熟した女らしさが混ざってまた美しくなっていたから。
婚約破棄したくらいで私の娘はくすまないの。
経験を踏み台にのしあがるくらいがちょうどいい。
それに夫が人を使って調べさせていたから女遊びの証拠もたくさん。
いつ帰ってきてもよかったと私にだけこっそりと。
私のヤキモキした期間を恨んでもっと早く取り返してほしかったと応えたら、娘に叱られたくなかったと言うの。
少し呆れたけど、あの子は意地っ張りだから私達が帰ってこいと言えば無駄に粘ったわねと納得した。
破談の準備は整っていたからその日のうちに書類を送り返した。
娘の帰国に2週間。
こちらの書類が届くのに2週間。
ごねようがない証拠と本人の馬鹿な婚約解消願いのおかげですぐに成立する。
1年ほど気ままにすればいいわ。
あの子は兄の家に養子に出せば王家との婚姻だって出来るもの。
それだけの教育と人脈は本人が自分で培った。
自由にさせていたらやっぱり一段と華やかさを増した娘に見合いが殺到した。
逞しくなったあの子は傷物と疑われて揶揄されることがあっても笑みのひとつでかわす。
噂が本当かどうか確かめられるのは娘が選ぶ人だけしか分からないわと私達もそう答える。
有象無象の溢れる中、本当に恋してる男の子達は見てるだけで分かりやすい。
最近はお互い心底惹かれ合う相手が見つかったようだし、もう安心。
若い子達の恋模様を眺めるのは楽しかったわ。
そうそう、忘れてた。
伯爵はあれからこちらには来ない。
恥ですものね。
定期的に夫がわざわざ隣国まで行って商談を重ねてる。
切り捨ててもいいと思ったけど。
お愛想に息子の代替わりで切ると伝えたら処分しちゃった。
実弟に継がせるらしいのよね。
同情するわ。
一人息子だったのに。
同情はそこだけ。
伯爵に非がないとは言えないから。
残念なことに着飾らせるだけが子育てじゃないの。
奥方のことも。
手間をかけないなら家や自分のために動いてくれないわ。
私はひと目見てあちらの夫婦仲と親子関係が気に食わなかった。
今さら口にしたって遅いけど。
母子の仲がいいと言えば聞こえはいいけどベタベタしてイヤ。
夫より気が回る息子なんて変よ。
それを喜ぶ夫人もなんだかおかしいと感じて関わりたくなかった。
自分の息子ふたりがあんなに私の顔色を見ていたら気持ち悪い。
鬱陶しいの一言。
私はイヤ。
伯爵と夫人は私と同じ政略結婚だったと聞いたわね。
私と似てるけど違うわ。
つらつらと物思いに耽っていた。
つまらないことを考えてもしょうがない。
どうでもいいことに思考が持っていかれるくらい私は待ち飽きた。
夫をずっと待っていたの。
チラッと薄明かりに照らされた夫に目を向けた。
書斎から書類を寝室に持ち込んでいつまでも読んでる。
ベッドの端に腰かけてサイドテーブルに積んだ束を丹念に確認するのよね。
寝支度は済んでるのに片眼鏡をはめて蝋燭の明かりが足らないから顔をしわくちゃにさせてる。
私は化粧台で暇潰しに髪をとかしていた。
「ねぇ、あなた」
「ん」
「まだ寝ないの?」
「ん」
生返事。
聞いてないわね。
「あなたが私の初恋だったって言ったら信じる?」
「ん、ん?……は?」
「聞いてたのね。もう寝たら?」
「は?」
いつまでも、え?とか、は?とか言ってるのを無視して手から書類を取り上げた。
「寝るわよ」
「は、はつ、」
「初恋よ。もう寝て」
ぽかんと口を開けて今にも目がこぼれそう。
「そんなに驚いたの?」
「あ、……あぁ、で、でも私達は政略、」
「政略結婚と初恋を両立できた私ってラッキー」
おどけて見せて、次はぽんっと肩を押してベッドに転がしちゃう。
さっさと蝋燭を消していそいそと私も隣に潜り込んだ。
「い、いつ?」
「お見合いの時。顔が好き」
「か、かお?」
「そうよ。だからそんなに難しい顔をしないで」
「か、顔」
「話し方でしょ。それと言葉使い。エスコート完璧だったし」
しょんぼりしたから好きなところを1つずつ数えた。
「……完璧だったか?」
「そうよ。完璧」
「いや、失敗した覚えがあるが」
じろっと睨まれた。
おちょくったと思われたみたい。
「最後、私の手を忘れてたわよね」
「間違えた」
初めて会った日。
顔合わせのティールームで帰り際、私が立とうとしていたのに一人でさっさと歩いてドアを開けて待ってるの。
私を立たせないの?ってきょとんとしたら、この人もきょとん。
しばらくお互いに目を丸めて見つめ合ってたら、私の付き添いをしていたメイドが見かねて私に手を添えて立ち上がらせてくれた。
それを見てもこの人ったら気づかずにきょとんしてたの。
それまで椅子を引くとか、普通にエスコートができてたから余計おかしくって。
「ふふ、うふふ」
「遊ぶな」
「だってあの顔が好きなんだもの」
「はあ?」
「今の顔。それ」
「はぁあ?」
「うふ、ふ」
ずっとこの顔見たいと思ったのよね。
私がこの人と結婚した理由。
可愛いんだもの。
「政略結婚だと思った?」
「政略結婚だろう」
「私には恋愛だったの」
「う、」
私の顔を見て呻いた。
私の微笑みに顔を赤らめてたじろぐところも好き。
あなたも私のこと大好きだものね。
政略結婚って思い込んで冷静にならないといけないくらい。
まだ好きなんだと分かると胸が痛い。
嬉しくて。
もう昔の私じゃないのに。
若くないもの。
でもつい昔の癖をいつものように。
頬に顔を寄せてくすぐると夫の手がぎこちなく私を包むの。
ふたり揃ってギクシャクしてしまうのよね。
子供がいるのに。
いつも最初に緊張しちゃうのは昔のまま。
どうしてかしらねと自分に嘯く。
答えは分かってるけど、そうやって誤魔化したいの。
~終~
思ったのはそれだけ。
隣国に名が知れているのは実家の公爵家。
我が家が有名なわけではないのは知っていたけど。
知る人ぞ知るという扱い。
伯爵はお子に興味がなかったのね。
教育されてないから知らなかったのだと思うのよねぇ。
本人も興味がないようだったし。
仕事に精を出しすぎるのも考えものだわ。
子供は勝手に育つわけではないの。
奥方のこともそうよ。
無愛想な空気を持つ方だからなのか夫人に興味がなさそうだった。
それを無視した夫人と夫人の令息。
自慢の息子だと話す夫人に子育ての苦労をいたわるような素振りも言葉もない。
そんな伯爵を気に入らないと視線を一瞬向けたのは見逃さなかったし、“主人と違って”と伯爵を見下して息子を誉めた。
立派な息子に酔っているみたいだったわね。
遠回しに貶されたのに、伯爵が気にしないのか無関心なのか分からなかったけど、夫婦仲の悪さは分かりやすかった。
違うわ。
伯爵は分からない。
ご夫人とご子息が一方的に別物として見てる、といった空気だったから。
どう思ってらっしゃったのかしらねぇ。
妻子のこと。
とてもお綺麗な夫人と絵姿よりも華やかなご子息。
厳めしい顔立ちの伯爵と三人で並ぶと少しちぐはぐ。
でも威厳のある風貌だから傍目には釣り合いがとれていた。
私の夫は娘が選ぶなら良かろうと一言。
私も娘が嫁ぎたいと言うなら止める気はなかった。
気の強いあの子だもの。
躾が出来ると思ったのよね。
嫁いびりで泣き寝入りする根性はしてないから。
まさか躾より処分を選ぶとは思わなかったけど。
しかもこんな鮮やかに。
あちらの有責の証拠をたくさん。
本人から婚約解消を求める書面。
娘はそれらを手土産に帰国したの。
思わず誉めちゃった。
あの子ひとりで花嫁修業に行くのが心配で付き添いたかったけど、あちらの娘になるつもりで行きなさいと送り出した。
大丈夫という確信と不安で苦しかった。
あちらからは強気を装って無理をしてるのが伝わる手紙ばかり届いて、一度顔を見に行こうかしらと思ってた矢先。
ただいまと気軽に帰ってきた。
安心したし、晴れやかな表情に眩しいくらいだった。
若い華やかさだけじゃない。
感傷的な想いから成熟した女らしさが混ざってまた美しくなっていたから。
婚約破棄したくらいで私の娘はくすまないの。
経験を踏み台にのしあがるくらいがちょうどいい。
それに夫が人を使って調べさせていたから女遊びの証拠もたくさん。
いつ帰ってきてもよかったと私にだけこっそりと。
私のヤキモキした期間を恨んでもっと早く取り返してほしかったと応えたら、娘に叱られたくなかったと言うの。
少し呆れたけど、あの子は意地っ張りだから私達が帰ってこいと言えば無駄に粘ったわねと納得した。
破談の準備は整っていたからその日のうちに書類を送り返した。
娘の帰国に2週間。
こちらの書類が届くのに2週間。
ごねようがない証拠と本人の馬鹿な婚約解消願いのおかげですぐに成立する。
1年ほど気ままにすればいいわ。
あの子は兄の家に養子に出せば王家との婚姻だって出来るもの。
それだけの教育と人脈は本人が自分で培った。
自由にさせていたらやっぱり一段と華やかさを増した娘に見合いが殺到した。
逞しくなったあの子は傷物と疑われて揶揄されることがあっても笑みのひとつでかわす。
噂が本当かどうか確かめられるのは娘が選ぶ人だけしか分からないわと私達もそう答える。
有象無象の溢れる中、本当に恋してる男の子達は見てるだけで分かりやすい。
最近はお互い心底惹かれ合う相手が見つかったようだし、もう安心。
若い子達の恋模様を眺めるのは楽しかったわ。
そうそう、忘れてた。
伯爵はあれからこちらには来ない。
恥ですものね。
定期的に夫がわざわざ隣国まで行って商談を重ねてる。
切り捨ててもいいと思ったけど。
お愛想に息子の代替わりで切ると伝えたら処分しちゃった。
実弟に継がせるらしいのよね。
同情するわ。
一人息子だったのに。
同情はそこだけ。
伯爵に非がないとは言えないから。
残念なことに着飾らせるだけが子育てじゃないの。
奥方のことも。
手間をかけないなら家や自分のために動いてくれないわ。
私はひと目見てあちらの夫婦仲と親子関係が気に食わなかった。
今さら口にしたって遅いけど。
母子の仲がいいと言えば聞こえはいいけどベタベタしてイヤ。
夫より気が回る息子なんて変よ。
それを喜ぶ夫人もなんだかおかしいと感じて関わりたくなかった。
自分の息子ふたりがあんなに私の顔色を見ていたら気持ち悪い。
鬱陶しいの一言。
私はイヤ。
伯爵と夫人は私と同じ政略結婚だったと聞いたわね。
私と似てるけど違うわ。
つらつらと物思いに耽っていた。
つまらないことを考えてもしょうがない。
どうでもいいことに思考が持っていかれるくらい私は待ち飽きた。
夫をずっと待っていたの。
チラッと薄明かりに照らされた夫に目を向けた。
書斎から書類を寝室に持ち込んでいつまでも読んでる。
ベッドの端に腰かけてサイドテーブルに積んだ束を丹念に確認するのよね。
寝支度は済んでるのに片眼鏡をはめて蝋燭の明かりが足らないから顔をしわくちゃにさせてる。
私は化粧台で暇潰しに髪をとかしていた。
「ねぇ、あなた」
「ん」
「まだ寝ないの?」
「ん」
生返事。
聞いてないわね。
「あなたが私の初恋だったって言ったら信じる?」
「ん、ん?……は?」
「聞いてたのね。もう寝たら?」
「は?」
いつまでも、え?とか、は?とか言ってるのを無視して手から書類を取り上げた。
「寝るわよ」
「は、はつ、」
「初恋よ。もう寝て」
ぽかんと口を開けて今にも目がこぼれそう。
「そんなに驚いたの?」
「あ、……あぁ、で、でも私達は政略、」
「政略結婚と初恋を両立できた私ってラッキー」
おどけて見せて、次はぽんっと肩を押してベッドに転がしちゃう。
さっさと蝋燭を消していそいそと私も隣に潜り込んだ。
「い、いつ?」
「お見合いの時。顔が好き」
「か、かお?」
「そうよ。だからそんなに難しい顔をしないで」
「か、顔」
「話し方でしょ。それと言葉使い。エスコート完璧だったし」
しょんぼりしたから好きなところを1つずつ数えた。
「……完璧だったか?」
「そうよ。完璧」
「いや、失敗した覚えがあるが」
じろっと睨まれた。
おちょくったと思われたみたい。
「最後、私の手を忘れてたわよね」
「間違えた」
初めて会った日。
顔合わせのティールームで帰り際、私が立とうとしていたのに一人でさっさと歩いてドアを開けて待ってるの。
私を立たせないの?ってきょとんとしたら、この人もきょとん。
しばらくお互いに目を丸めて見つめ合ってたら、私の付き添いをしていたメイドが見かねて私に手を添えて立ち上がらせてくれた。
それを見てもこの人ったら気づかずにきょとんしてたの。
それまで椅子を引くとか、普通にエスコートができてたから余計おかしくって。
「ふふ、うふふ」
「遊ぶな」
「だってあの顔が好きなんだもの」
「はあ?」
「今の顔。それ」
「はぁあ?」
「うふ、ふ」
ずっとこの顔見たいと思ったのよね。
私がこの人と結婚した理由。
可愛いんだもの。
「政略結婚だと思った?」
「政略結婚だろう」
「私には恋愛だったの」
「う、」
私の顔を見て呻いた。
私の微笑みに顔を赤らめてたじろぐところも好き。
あなたも私のこと大好きだものね。
政略結婚って思い込んで冷静にならないといけないくらい。
まだ好きなんだと分かると胸が痛い。
嬉しくて。
もう昔の私じゃないのに。
若くないもの。
でもつい昔の癖をいつものように。
頬に顔を寄せてくすぐると夫の手がぎこちなく私を包むの。
ふたり揃ってギクシャクしてしまうのよね。
子供がいるのに。
いつも最初に緊張しちゃうのは昔のまま。
どうしてかしらねと自分に嘯く。
答えは分かってるけど、そうやって誤魔化したいの。
~終~
64
あなたにおすすめの小説
婚約破棄をされるのですね、そのお相手は誰ですの?
綴
恋愛
フリュー王国で公爵の地位を授かるノースン家の次女であるハルメノア・ノースン公爵令嬢が開いていた茶会に乗り込み突如婚約破棄を申し出たフリュー王国第二王子エザーノ・フリューに戸惑うハルメノア公爵令嬢
この婚約破棄はどうなる?
ザッ思いつき作品
恋愛要素は薄めです、ごめんなさい。
最後に一つだけ。あなたの未来を壊す方法を教えてあげる
椿谷あずる
恋愛
婚約者カインの口から、一方的に別れを告げられたルーミア。
その隣では、彼が庇う女、アメリが怯える素振りを見せながら、こっそりと勝者の微笑みを浮かべていた。
──ああ、なるほど。私は、最初から負ける役だったのね。
全てを悟ったルーミアは、静かに微笑み、淡々と婚約破棄を受け入れる。
だが、その背中を向ける間際、彼女はふと立ち止まり、振り返った。
「……ねえ、最後に一つだけ。教えてあげるわ」
その一言が、すべての運命を覆すとも知らずに。
裏切られた彼女は、微笑みながらすべてを奪い返す──これは、華麗なる逆転劇の始まり。
「価値がない」と言われた私、隣国では国宝扱いです
ゆっこ
恋愛
「――リディア・フェンリル。お前との婚約は、今日をもって破棄する」
高らかに響いた声は、私の心を一瞬で凍らせた。
王城の大広間。煌びやかなシャンデリアの下で、私は静かに頭を垂れていた。
婚約者である王太子エドモンド殿下が、冷たい眼差しで私を見下ろしている。
「……理由を、お聞かせいただけますか」
「理由など、簡単なことだ。お前には“何の価値もない”からだ」
まさか、今更婚約破棄……ですか?
灯倉日鈴(合歓鈴)
恋愛
チャールストン伯爵家はエンバー伯爵家との家業の繋がりから、お互いの子供を結婚させる約束をしていた。
エンバー家の長男ロバートは、許嫁であるチャールストン家の長女オリビアのことがとにかく気に入らなかった。
なので、卒業パーティーの夜、他の女性と一緒にいるところを見せつけ、派手に恥を掻かせて婚約破棄しようと画策したが……!?
色々こじらせた男の結末。
数話で終わる予定です。
※タイトル変更しました。
虐げられたアンネマリーは逆転勝利する ~ 罪には罰を
柚屋志宇
恋愛
侯爵令嬢だったアンネマリーは、母の死後、後妻の命令で屋根裏部屋に押し込められ使用人より酷い生活をすることになった。
みすぼらしくなったアンネマリーは頼りにしていた婚約者クリストフに婚約破棄を宣言され、義妹イルザに婚約者までも奪われて絶望する。
虐げられ何もかも奪われたアンネマリーだが屋敷を脱出して立場を逆転させる。
※小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
魅了から覚めた王太子は婚約者に婚約破棄を突きつける
基本二度寝
恋愛
聖女の力を体現させた男爵令嬢は、国への報告のため、教会の神官と共に王太子殿下と面会した。
「王太子殿下。お初にお目にかかります」
聖女の肩書を得た男爵令嬢には、対面した王太子が魅了魔法にかかっていることを瞬時に見抜いた。
「魅了だって?王族が…?ありえないよ」
男爵令嬢の言葉に取り合わない王太子の目を覚まさせようと、聖魔法で魅了魔法の解術を試みた。
聖女の魔法は正しく行使され、王太子の顔はみるみる怒りの様相に変わっていく。
王太子は婚約者の公爵令嬢を愛していた。
その愛情が、波々注いだカップをひっくり返したように急に空っぽになった。
いや、愛情が消えたというよりも、憎悪が生まれた。
「あの女…っ王族に魅了魔法を!」
「魅了は解けましたか?」
「ああ。感謝する」
王太子はすぐに行動にうつした。
聖女を無能と罵って婚約破棄を宣言した王太子は追放されてしまいました
もるだ
恋愛
「お前とは婚約破棄だ! 国から出ていけ!」
王命により怪我人へのお祈りを続けていた聖女カリンを罵ったのは、王太子のヒューズだった。若くて可愛い聖女と結婚するつもりらしい。
だが、ヒューズの暴挙に怒った国王は、カリンではなく息子の王太子を追放することにした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる