僕のお姫様~愛情のない両親と婚約者に愛想を尽かして婚約破棄したら平民落ち、そしたら目隠しをした本当の末姫に愛された~

うめまつ

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あなたは私の言うことさえ聞いていればいいんです。


母の口癖。

そして僕の従姉妹に当たる婚約者の口癖。






今、僕は大勢の人前でひどい格好をしてる。

派手な衣装。臭くてけばけばしい化粧。

つまらない芝居の演者として舞台にいる。

婚約者の誕生日パーティーだと言うのに。

特別な催しが欲しいとねだられて僕が何がいいと尋ねる前に僕の母と二人であれがいい、これがいいと騒いでいた。

二人は気が合う。

今は公爵夫人だけど母は王女だった。

陛下の姉君に当たる。

そして婚約者は陛下の末娘だ。

二人は王家筋の叔母と姪の関係。

僕も母の血が流れてるとは言え、二人に比べればたかが公爵家の跡取り。

育ちと血筋を理由に二人から立場を弁えろとよく叱られる。

この憂鬱な状況を父は、嫁姑争いがなくていいと言うけど、あの人は気の強い二人を僕に押し付けていつも逃げていく。

安全地帯からほっとしてるのがよく分かる。

しかも自分に矛先が向いたらすぐに僕の名前を出して気をそらす。

好きなように使われるのは僕だ。

今回も二人が勝手に決めた催し。

僕が蓄えた個人資産を宛にして有名な劇団を呼び寄せた。

承諾もなしに僕と婚約者が主人公。

騎士の僕は拐われた婚約者の姫を助ける。

セリフが棒読みでひどすぎると言うことで無口な騎士の役。

僕は言われた通りに動くだけだ。

剣なんか習ったことないから下手くそな立ち回り。

習ってみたかった。

男ならそういうのに憧れるものなのに。

汗臭いのは嫌いだからと母が許さなかった。

婚約者も手が荒れるからと許さなかった。

勉強ばかり。

それさえも婚約者は私より先の授業を学ぶなとうるさく、一緒に勉強をしたがってそれが許された。

女が学ぶようなことまで付き合わされて心底嫌だったし、さすがに反論したが実質三対一の話し合いだ。

婚約者と母は結託するし、立場の弱い父は母の言いなり。

話し合いが終わったあとに父がこっそり謝りに来るからそれも嫌だった。

情に訴えて僕が我慢すればそれですむとなだめるから。

何もかも僕の意見は通らないし、味方もいないと思い知らされて余計惨めだった。

母は昔からあの調子だし、幼少期に顔を会わせた従姉妹もずっとこの調子。

そして何を思ったのか従姉妹は僕と結婚したいと言ってたった五歳でその通りになった。

なぜか母と婚約者の記憶はネジ曲がって僕が従姉妹を望んだことになってる。

父もそうだと二人を盛り上げる。

絶対僕は言ってない。

押しの強い性格が辛くていつも従姉妹から隠れてた。

大人の力を駆使して隠れた僕を捕まえたら、結婚式ごっこをやらせて喜んでいたのは覚えてる。

ごっこ遊びだったのに気づいたら婚約の書類も何もかも勝手に済んで従姉妹の婚約者となっていた。

婚約者が何かも分からないうちに。
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